22 / 27
【番外編&おまけ】
こぼれ話その2【後編】/ エマ御姉様の『御姉様』
しおりを挟む
◇◆◇◆◇◆
数ヶ月後、いつもより早く学園に登校したエマは似たような情景に出会いますがおや、と思いました。
あの下働きの少女が四角いバケツにモップをつけ、そのまましばらく立っているかと思ったら、屈んで少しだけモップを絞ってから床を磨き始めたのです。
(あ、やっぱり手を抜くようになったのね……ん?)
床に描かれた帯は、以前と変わらず僅かな水分ですぐに蒸発しました。不思議に思ったエマは少女に話しかけます。
「ねえ、あなた」
「はっ、はい!?」
「このモップ、殆ど絞らなくても平気なんですの?」
エマに話しかけられた少女は真っ赤になりドギマギしながら答えます。
「もっ、モップじゃないです。バケツが、こうすると……」
良く見ると以前のバケツとは異なり四角いだけではなく、中に木製の段差のようなものが取り付けられていて、段差の中ほどまでに水が張られています。
少女は段差の上にモップを圧し当て、水気を絞りました。
「これで立ったまま殆ど水気が切れるので、あとはちょっと手で絞るだけで良いんです」
「へえ~良くできてるわね。これはどこで手に入れたの?」
「あの、学園に通う生徒の父兄様から寄付されたそうで。今王都の商店でも人気で偽物が出回るくらいなんですけど、これは本物ですよ! 流行る前に貰いましたし、段差も取り外し出来ますし、何よりちゃんと刻印がここに!」
少女は何故かえっへん! と自慢気にバケツの刻印を指差しました。エマはその刻印にどこか見覚えがあるような気がしてピンとひらめきました。
「ねえ、このバケツの使い心地、他にも便利か聞いてきた学園の生徒がいるでしょう?」
「えっ凄い……なんでわかったんですか!?」
少女からその生徒の特徴を聞き、エマはそれがカレンと一致するとは思いましたが、地味な彼女と同じような姿の女性は他にもいます。
(ふーん、それなら……)
◇◆◇◆◇◆
それから暫くして、エマは王都の伯爵邸で執事のハリーと話していました。
「ねえハリー、あのバケツ、お父様達は喜んでくれた?」
「エマお嬢様、それはもう。兵士達がモップの水気を絞らないのが悩みの一つだったのにすっかり解消されたと仰せでしたよ」
「ふふ。よかった。でも庶民に流行っているから偽物もあるって聞いたわよ? 本物をちゃんと買えたの?」
「お嬢様が本物は刻印入りと教えてくださったので、ちゃんと正規の商会ルートから買い付けましたよ」
「ああ、アキンドー公爵家系列の商会ね」
「はい」
エマは自分の考えが正しかった事に満足し、そして遠い目をして次の考えに思考を飛ばしました。
今までエマはディアナを外見こそ大変に美しいですがその中身は高慢で冷たく、家柄をかさに着て周りを寄せ付けなくても平気でいるお嬢様だとばかり思っていました。
しかし実際は下働きの少女のことまで気にかけ、彼女の役に立つ道具まで匿名で寄付をするような女性だったと知って、驚くと共に自分が恥ずかしくなったのです。
(あれこそ、第一王子の婚約者……未来の王太子妃、そして王妃の器ね)
エマの外見がカッコいいと纏わりついて『御姉様』呼びをしてくる令嬢達と、ディアナの事を外見だけしか見ていなかったエマ自身。
そこにはなんら変わりがなかったのだ……と思ったのです。
◇◆◇◆◇◆
その後、折に触れてこっそりとディアナの様子を見るようになったエマは、自分と同じような人間がいる事にすぐに気づきました。
シャロン・ソーサーク子爵令嬢です。
彼女に声をかけ、仲良くなるとシャロンはそれは凄い熱量で語り始めました。
「もうっ……ディアナ様って尊いですよね! 私、祖父から貰ったこのペンが宝物なんですけど! 以前うっかり落としてしまったんです」
年季の入ったペンを恭しく捧げ持ちながら思い出を語るシャロン。
「すぐに気づいて探しに戻ったんですけど、その時にはディアナ様の足元にあって、もうその時は終わった……踏みつけられる……とか柱の影で考えていたんですよ、でも! ディアナ様はこれを手に取られて、キラキラした目でこう言ったんです!」
シャロンはあまり上手ではない物真似でツンと顎を上げて言います。
『これ、古いけど腕の良い職人の作ったとても良い物だわ。きっとこれを落とした人は大事にしていて、今頃悲しんでいると思うの。カレン、先生に届けてみて?』
言い終わったシャロンは、はぁ~っと甘美な溜め息をついて言いました。
「あの時のお顔ったら……優勝!!……普段から他人と交流しないのも、おべっかを使ったりディアナ様を利用して目立とうとする不届き者がいるから、敢えてぶった切っているんでしょうね。どうしたって超絶美人だから目立ちますけど!」
エマも自分の思い出を語り、シャロンは更に興奮します。
「はぁ、もう……創作意欲が滾ってしまいますわ……。私、実は文章をこっそり書くのが趣味なんですけど、ディアナ様をモデルにお話を書きたくなってしまいましたの」
「ええっ!? たとえば、どんな話を……?」
「『本当はとっても優しくて美しい姫が、氷の魔女に呪いをかけられて冷たい表情と言葉しか出せなくなり、王子がそれを愛で包んで呪いを融かす』とかどうかしら? ディアナ様にぴったりだと思うのですが」
シャロンの語ったあらすじを想像して喜びに震え、思わず両頬に手をあてたエマ。
「はわわわ!? それ、ぜひ読みたいですわ! お願いですから書いてくださいませ!……シャロン様、ディアナ様こそ『御姉様』と呼ばれるに相応しい、美しい薔薇のような魂の持ち主だとお思いになりませんか?」
「ああっ! その通りですわね! エマ様、実は同じような同志が他にも二人おりますの。身分は違いますが、四人で密かにディアナ御姉様を愛でるのは如何でしょう?」
「勿論!! 喜んで!!」
エマは両手でシャロンの手を握ります。しかしシャロンは他のご令嬢のように顔を赤らめたりしません。エマは思わずにっこりとしました。
これは彼女の"貴族令嬢と一緒に美しいものや可愛いものを愛でてきゃあきゃあする"という夢が本当に叶った瞬間、そしてここに未来の『赤薔薇姫の会』=『ディアナ御姉様ファンクラブ』の礎が築かれた瞬間でした。
◇◆◇◆◇◆
一方、その裏では。
「ぐぬぬぬ……悔しいっ! やっぱり機械式をはよ開発せな!」
「お嬢、まーたそれですか?」
「だってあのバケツ! 偽物が出回って公爵家の儲けが奪われとるんよ! しかも粗悪品!!……やっぱり構造が単純やったから、バネとローラーでモップを絞れる機械式を開発してから販売するべきやったわ……」
「まあ、単純な方がコストも製作期間もかかりませんし、だからこそ庶民にウケたんですよ。機械式は夢が有りますけど耐久性とコスト面で厳しいと結論が出たやないですか……」
「ぐぬぬぬぬ……」
今シャロンとエマに可愛い美しい優しいと誉め称えられていることなど露知らず、その美しい顔を歪めて悔しがるディアナと、それに呆れるカレンなのでした。
数ヶ月後、いつもより早く学園に登校したエマは似たような情景に出会いますがおや、と思いました。
あの下働きの少女が四角いバケツにモップをつけ、そのまましばらく立っているかと思ったら、屈んで少しだけモップを絞ってから床を磨き始めたのです。
(あ、やっぱり手を抜くようになったのね……ん?)
床に描かれた帯は、以前と変わらず僅かな水分ですぐに蒸発しました。不思議に思ったエマは少女に話しかけます。
「ねえ、あなた」
「はっ、はい!?」
「このモップ、殆ど絞らなくても平気なんですの?」
エマに話しかけられた少女は真っ赤になりドギマギしながら答えます。
「もっ、モップじゃないです。バケツが、こうすると……」
良く見ると以前のバケツとは異なり四角いだけではなく、中に木製の段差のようなものが取り付けられていて、段差の中ほどまでに水が張られています。
少女は段差の上にモップを圧し当て、水気を絞りました。
「これで立ったまま殆ど水気が切れるので、あとはちょっと手で絞るだけで良いんです」
「へえ~良くできてるわね。これはどこで手に入れたの?」
「あの、学園に通う生徒の父兄様から寄付されたそうで。今王都の商店でも人気で偽物が出回るくらいなんですけど、これは本物ですよ! 流行る前に貰いましたし、段差も取り外し出来ますし、何よりちゃんと刻印がここに!」
少女は何故かえっへん! と自慢気にバケツの刻印を指差しました。エマはその刻印にどこか見覚えがあるような気がしてピンとひらめきました。
「ねえ、このバケツの使い心地、他にも便利か聞いてきた学園の生徒がいるでしょう?」
「えっ凄い……なんでわかったんですか!?」
少女からその生徒の特徴を聞き、エマはそれがカレンと一致するとは思いましたが、地味な彼女と同じような姿の女性は他にもいます。
(ふーん、それなら……)
◇◆◇◆◇◆
それから暫くして、エマは王都の伯爵邸で執事のハリーと話していました。
「ねえハリー、あのバケツ、お父様達は喜んでくれた?」
「エマお嬢様、それはもう。兵士達がモップの水気を絞らないのが悩みの一つだったのにすっかり解消されたと仰せでしたよ」
「ふふ。よかった。でも庶民に流行っているから偽物もあるって聞いたわよ? 本物をちゃんと買えたの?」
「お嬢様が本物は刻印入りと教えてくださったので、ちゃんと正規の商会ルートから買い付けましたよ」
「ああ、アキンドー公爵家系列の商会ね」
「はい」
エマは自分の考えが正しかった事に満足し、そして遠い目をして次の考えに思考を飛ばしました。
今までエマはディアナを外見こそ大変に美しいですがその中身は高慢で冷たく、家柄をかさに着て周りを寄せ付けなくても平気でいるお嬢様だとばかり思っていました。
しかし実際は下働きの少女のことまで気にかけ、彼女の役に立つ道具まで匿名で寄付をするような女性だったと知って、驚くと共に自分が恥ずかしくなったのです。
(あれこそ、第一王子の婚約者……未来の王太子妃、そして王妃の器ね)
エマの外見がカッコいいと纏わりついて『御姉様』呼びをしてくる令嬢達と、ディアナの事を外見だけしか見ていなかったエマ自身。
そこにはなんら変わりがなかったのだ……と思ったのです。
◇◆◇◆◇◆
その後、折に触れてこっそりとディアナの様子を見るようになったエマは、自分と同じような人間がいる事にすぐに気づきました。
シャロン・ソーサーク子爵令嬢です。
彼女に声をかけ、仲良くなるとシャロンはそれは凄い熱量で語り始めました。
「もうっ……ディアナ様って尊いですよね! 私、祖父から貰ったこのペンが宝物なんですけど! 以前うっかり落としてしまったんです」
年季の入ったペンを恭しく捧げ持ちながら思い出を語るシャロン。
「すぐに気づいて探しに戻ったんですけど、その時にはディアナ様の足元にあって、もうその時は終わった……踏みつけられる……とか柱の影で考えていたんですよ、でも! ディアナ様はこれを手に取られて、キラキラした目でこう言ったんです!」
シャロンはあまり上手ではない物真似でツンと顎を上げて言います。
『これ、古いけど腕の良い職人の作ったとても良い物だわ。きっとこれを落とした人は大事にしていて、今頃悲しんでいると思うの。カレン、先生に届けてみて?』
言い終わったシャロンは、はぁ~っと甘美な溜め息をついて言いました。
「あの時のお顔ったら……優勝!!……普段から他人と交流しないのも、おべっかを使ったりディアナ様を利用して目立とうとする不届き者がいるから、敢えてぶった切っているんでしょうね。どうしたって超絶美人だから目立ちますけど!」
エマも自分の思い出を語り、シャロンは更に興奮します。
「はぁ、もう……創作意欲が滾ってしまいますわ……。私、実は文章をこっそり書くのが趣味なんですけど、ディアナ様をモデルにお話を書きたくなってしまいましたの」
「ええっ!? たとえば、どんな話を……?」
「『本当はとっても優しくて美しい姫が、氷の魔女に呪いをかけられて冷たい表情と言葉しか出せなくなり、王子がそれを愛で包んで呪いを融かす』とかどうかしら? ディアナ様にぴったりだと思うのですが」
シャロンの語ったあらすじを想像して喜びに震え、思わず両頬に手をあてたエマ。
「はわわわ!? それ、ぜひ読みたいですわ! お願いですから書いてくださいませ!……シャロン様、ディアナ様こそ『御姉様』と呼ばれるに相応しい、美しい薔薇のような魂の持ち主だとお思いになりませんか?」
「ああっ! その通りですわね! エマ様、実は同じような同志が他にも二人おりますの。身分は違いますが、四人で密かにディアナ御姉様を愛でるのは如何でしょう?」
「勿論!! 喜んで!!」
エマは両手でシャロンの手を握ります。しかしシャロンは他のご令嬢のように顔を赤らめたりしません。エマは思わずにっこりとしました。
これは彼女の"貴族令嬢と一緒に美しいものや可愛いものを愛でてきゃあきゃあする"という夢が本当に叶った瞬間、そしてここに未来の『赤薔薇姫の会』=『ディアナ御姉様ファンクラブ』の礎が築かれた瞬間でした。
◇◆◇◆◇◆
一方、その裏では。
「ぐぬぬぬ……悔しいっ! やっぱり機械式をはよ開発せな!」
「お嬢、まーたそれですか?」
「だってあのバケツ! 偽物が出回って公爵家の儲けが奪われとるんよ! しかも粗悪品!!……やっぱり構造が単純やったから、バネとローラーでモップを絞れる機械式を開発してから販売するべきやったわ……」
「まあ、単純な方がコストも製作期間もかかりませんし、だからこそ庶民にウケたんですよ。機械式は夢が有りますけど耐久性とコスト面で厳しいと結論が出たやないですか……」
「ぐぬぬぬぬ……」
今シャロンとエマに可愛い美しい優しいと誉め称えられていることなど露知らず、その美しい顔を歪めて悔しがるディアナと、それに呆れるカレンなのでした。
0
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。
黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」
豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。
しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。
働かないつもりでしたのに、気づけば全部うまくいっていました ――自由に生きる貴族夫人と溺愛旦那様』
鷹 綾
恋愛
前世では、仕事に追われるだけの人生を送り、恋も自由も知らないまま終わった私。
だからこそ転生後に誓った――
「今度こそ、働かずに優雅に生きる!」 と。
気づけば貴族夫人、しかも結婚相手は冷静沈着な名門貴族リチャード様。
「君は何もしなくていい。自由に過ごしてくれ」
――理想的すぎる条件に、これは勝ち確人生だと思ったのに。
なぜか気づけば、
・屋敷の管理を改善して使用人の待遇が激変
・夫の仕事を手伝ったら経理改革が大成功
・興味本位で教えた簿記と珠算が商業界に革命を起こす
・商人ギルドの顧問にまで祭り上げられる始末
「あれ? 私、働かない予定でしたよね???」
自分から出世街道を爆走するつもりはなかったはずなのに、
“やりたいことをやっていただけ”で、世界のほうが勝手に変わっていく。
一方、そんな彼女を静かに見守り続けていた夫・リチャードは、
実は昔から彼女を想い続けていた溺愛系旦那様で――。
「君が選ぶなら、私はずっとそばにいる」
働かないつもりだった貴族夫人が、
自由・仕事・愛情のすべてを“自分で選ぶ”人生に辿り着く物語。
これは、
何もしないはずだったのに、幸せだけは全部手に入れてしまった女性の物語。
捨てられた地味な王宮修復師(実は有能)、強面辺境伯の栄養管理で溺愛され、辺境を改革する ~王都の貴重な物が失われても知りませんよ?~
水上
恋愛
「カビ臭い地味女」と王太子に婚約破棄された王宮修復師のリディア。
彼女の芸術に関する知識と修復師としての技術は、誰からも必要性を理解されていなかった。
失意の中、嫁がされたのは皆から恐れられる強面辺境伯ジェラルドだった!
しかし恐ろしい噂とは裏腹に、彼はリディアの不健康を見逃せない超・過保護で!?
絶品手料理と徹底的な体調管理で、リディアは心身ともに美しく再生していく。
一方、彼女を追放した王都では、貴重な物が失われたり、贋作騒動が起きたりとパニックになり始めて……。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています
六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。
しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。
「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!
身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」
魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。
鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。
(な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?)
実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。
レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。
「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」
冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。
一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。
「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」
これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。
裏切られた令嬢は、30歳も年上の伯爵さまに嫁ぎましたが、白い結婚ですわ。
夏生 羽都
恋愛
王太子の婚約者で公爵令嬢でもあったローゼリアは敵対派閥の策略によって生家が没落してしまい、婚約も破棄されてしまう。家は子爵にまで落とされてしまうが、それは名ばかりの爵位で、実際には平民と変わらない生活を強いられていた。
辛い生活の中で母親のナタリーは体調を崩してしまい、ナタリーの実家がある隣国のエルランドへ行き、一家で亡命をしようと考えるのだが、安全に国を出るには貴族の身分を捨てなければいけない。しかし、ローゼリアを王太子の側妃にしたい国王が爵位を返す事を許さなかった。
側妃にはなりたくないが、自分がいては家族が国を出る事が出来ないと思ったローゼリアは、家族を出国させる為に30歳も年上である伯爵の元へ後妻として一人で嫁ぐ事を自分の意思で決めるのだった。
※作者独自の世界観によって創作された物語です。細かな設定やストーリー展開等が気になってしまうという方はブラウザバッグをお願い致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる