上 下
5 / 5

最終話/平和な庭先にて

しおりを挟む


  ◇ ◇ ◇


 桜はもう散り、葉を付け始めていた。
 大和はロクさんの家の縁台に腰掛け、コーヒーを飲んでいた。今日は非番なので個人的な訪問だ。

「もー、なんでロクさん、あの時犯人がここにいるって教えてくれなかったんだよ!」

「そうだよ! ロクさんのケチ!」

「あーあ、あの時もっとちゃんと犯人を見ておけばよかった!」

 小学生の三人組がロクさんにブウブウと文句を言っていたが、ロクさんはいつもの柳に風で流してしまう。

「ごめんなさいねぇ。でもやっぱり強盗犯なんて危ないじゃない? だからあなた達にやっくんを呼んで貰うようお願いしたのよ」

「ふふん。まあね! 俺達が大和を呼ばなかったらロクさんは大ピンチだったもんな!」

「そうよ。あなた達が居なければ事件を解決する事はできなかったのよ。……でも、やっくんは大人なんだから呼び捨ては良くないわ。『大和さん』ってさん付けにしない?」

「えー? 『さん』は無い! だって大和って大人なのになんか情けない感じだもんな~?」

「な~」

「そーそー。ロクさんだって『やっくん』呼びじゃんか」

「あら、私は下の名前で呼んでるのよ。大和康昭やすあき巡査だから、やっくん。小さい頃から知り合いなのよ」

「お前ら、情けないは言い過ぎだろ。俺だって事件解決の功労者の一人だぞ。ちゃんとさん付けで呼びなさい!」

 大和が子供たちに威厳を示すように言うと、彼らは揃ってう~んと言い出した。

「確かにそうだよな。犯人を捕まえたし」

「でもやっぱり『さん』は無いよなぁ。ロクさんみたく『やっくん』も違うし」

「じゃあ『やまっち』はどう?」

「お! 良いんじゃね?」

「それだ! じゃあ『やまっち』でよろしくな!」

「よろしく! やまっち」

「はぁ、俺の意見は無視かよ……まあ呼び捨てよりはマシか……」

 持参した缶コーヒーを手に項垂れる大和。ロクさんは縁台に正座をしてニコニコしたままだ。子供達はまたロクさんに詰め寄る。

「ねえねえロクさん。なんで桜の木の下にお金が埋まってるってわかったの?」

「遠めがねで見たの? 『ここに埋まってる』って見えるの!?」

「いいなー! 俺達もいつになったら見えるようになるんだろう?」

 三人の興奮を余所に、大和はロクさんを強い目で見た。それは大和も知りたかった事だ。ロクさんはゆっくりと首を横に振る。

「違うわ。遠めがねでそれは見えないの。わかったのはただのカンよ」

「えーっ」

「カンなの~? つまんない~」

「カンと言ってもちゃんと理由があるのよ。あの人に最初会った時、あそこに桜は一本だけでちょうど満開だった。なのに足下は桜の絨毯だったのよ。散り際ならわかるけどおかしいでしょう?」

「?」

「え? どういうこと?」

「意味がわかんない」

 子供達が首を傾げるなか、大和はひとり合点がいったように「なるほど」と呟いた。

「え、なになにやまっちはわかるの?」

「知りたい!」

「教えて~」

 男子三人の羨望の眼差しを受け、ちょっと良い気分の大和が説明する。

「エヘン。君達、今年の花見は行ったかい?」

「「「行ったー!」」」

「じゃあ思い出して欲しい。桜がちょうど満開の時、よほど強い風でも吹かない限り花びらはそんなに沢山は落ちない筈だ。桜の絨毯ってのは、地面が見えないほど花びらがびっしりと落ちている状態の事を言うんだ。それは満開を過ぎて桜が散り始めないと普通は起きない」

「あー」

「確かにそうかも」

「うん、見たことある!」

「桜並木なんかで他にも桜があれば、風の吹きだまりで一ヶ所だけ花びらが集まって絨毯になることもある。だけど現場の桜の木は一本しかなかった。じゃあどうしてそんなに花びらが落ちてるのか……?」

「わかった!」

「えっ俺わかんない」

「俺もわかった! 犯人が集めたんだ!」

「何でだよ! そんな事するよりさっさと遠くへ逃げた方がいいじゃん!」

「あっ、そっか……」

「えっ、じゃあなんで?」

 男の子達の推理はそこで止まってしまったようだ。大和は立ち上がり、庭の土を靴の爪先で削る。

「ほら、こうやって土を掘って……埋めても、跡をうまく隠すのは難しいだろ? 何かを埋めるならもっと大きく掘らなきゃいけないから尚更だよ。ロクさんも同じ事を考えたんでしょ?」

 ロクさんはニッコリと首を縦に振る。

「流石やっくん。そうよ。土を掘って埋めた跡を誤魔化すために、余所からも花びらを集めてあそこに撒いたのかしら? って、佐藤さんと話しながら考えたの。……あら、違う名前だったかしら? まぁどっちでもいいわよね」

「そっかぁ! やるじゃん、やまっち!」

「ちょっとは認めてやるよ!」

「遠めがねは使えないみたいだけどな!」

「ははは。ありがとう」

 男の子三人の言葉に苦笑いする大和。彼らはいつものようにロクさんにチラシ製の遠めがねをねだり、別れの挨拶をして「パトロール」の為に出ていった。
 ロクさんが再び縁台に正座をして言う。

「でも、事件が解決したのも、お金が見つかったのもやっくんのお陰よ。本当にありがとう」

「えっ、そんなこと無いよ」

「いいえ、わたしが言うだけではこうはいかなかったわ」

 刑事課の刑事達はロクさんの主張を薄笑いで聞いていた。大和は課も違うし階級も一番下の人間だ。だからひたすら低姿勢で懇願する形を取り、刑事達に「あのおばあちゃんのカンはめちゃくちゃ当たるんです! 桜の木の根元を俺が掘りますから許可を下さい」と何度も頭を下げた。

 結果、大和のしつこさに今回のみという条件で刑事側が折れた。多分何も見つからなかった場合の責任を大和に押し付ければ現行犯逮捕した功績とチャラになるだろうと踏んだのだろう。
 しかし刑事立会いの下で土を掘り返すと見事に金が見つかったのだ。

犯人あの人は警察署での聴取でも最初は私に話したのと同じ話をしたのでしょう? 」

 ロクさんはのんびりとススキ茶を飲みながら言う。

「自分はただの運転手役で、バイトだと騙されて顔を知らない首謀者の計画に乗っただけ。他の実行犯達とお金を分けてから彼らを適当な所で車から降ろし、残ったお金を指示通りに紙袋に入れてコインロッカーの上に置いてきた。個人情報を握られているから指示に従うしかない。ネコババなんてしていない……って。残った金額は知らないけど、実行犯と同じか、それ以上だったんじゃない?」

 大和は無言でコーヒーを飲んだ。金は大和が掘り出したからおおよその金額はわかる。だがいくら今回の活躍があっても一般人のロクさんにそこまでの捜査内容を言えるわけがない。
 ……まあ、この場合は無言が肯定と受け止められてしまうかもしれないが。

「でも私には彼が首謀者だと最初から判っていた。そして所持金が200万円なのも。じゃあ首謀者に渡したって言ってた残りのお金はどこにあるのか? まさか本当にコインロッカーの上に置くような事をするわけないわよね。振り込みは足がつくって彼自身が言っていたわ」

「それで、あそこに金を埋めておいて、わざと捕まる気だったのか……」

「そうね。何も知らない運転手役を演じ、所持金の200万円には手を付けず、捕まった後は反省したフリをして仲間の事もペラペラ話したら多分減刑されるでしょう。私が彼に同情して庇う証言をする事も計算に入れていたかもね。それなら軽い刑罰で直ぐに戻ってこれる。一事不再理って言うんでしょう? 同じ罪では二度裁かれないのよね。」

 大和はロクさんが『一事不再理』を知っているのに吃驚してあんぐりと口を開け、彼女の顔を眺めた。

「戻ってきてすぐにお金の使い方が荒くなるようなヘマはしないでしょうけど、罪を償い終わった人間のその後を細かく追いかける程、今時の刑事さんも暇じゃないわよね?」

 いたずらっぽく目をきらめかせてロクさんが言う。大和はがっくりとなった。

「だから俺の前でわざと銃を突きつけて脅したのか……。自首まですれば場合によっては情状酌量で不起訴の可能性すらある。罪が確定しないと一事不再理でから」

 どうやら芦田川はかなりITに精通していたらしく、本当に一人二役で銀行強盗の計画メールをやり取りしていたらしい。海外のサーバー等も経由していて送信元も偽装しているから所轄だけでは特定は困難だったろう。
 大和たちが見つけた金という証拠がなければロクさんの意見は鼻で笑われ、芦田川は本当に運転手役だという主張で逃げきれていたかもしれない。ギリギリの綱渡りだったのだ。
 大和はため息を吐いた。

「あら、やっくん。『自分は犯人の掌で踊らされていた』って思って落ちこんでるの?」

 大和はバッと勢いよくロクさんの方を見た。ロクさんの両手はきちんと正座した膝の上に乗っている。彼女は大和の視線の動きを見て「おやまぁ」と目を見開いてからにっこりした。

「嫌だわ。指の間から見ても相手の考えている事なんてわからないって知ってるでしょう? やっくんの顔を見れば今の事ぐらいは想像できちゃうんだから」

 大和は真っ赤になった。そしてその赤い顔を隠し、大声で愚痴る。

「……くそっ、どっちかっていうと被疑者も俺も、皆ロクさんの掌で踊らされていたって感じだよなぁ~!」

「そんな事ないわよ。あの日、私はあの人と話しながら、内心どうしようかヒヤヒヤしていたもの」

「ぜってぇ嘘だろ!」

 大和がそう吐き捨てても、ロクさんはニコニコしたままだ。

(全く、そうやって嘘ばっかつくんだもんな。危ないから気を付けろって言ってんのに怪しい人にも声をかけちまうし)

 でもロクさんは自分の利益の為に嘘をつくのではない。相手が嘘をつくからそれに併せているだけなのだ。
 全ては嘘だらけのこの世が無情だからなのだ。

 だがしかし、世に何があろうと桜の美しさと、平和なこの庭先で飲むお茶の旨さは変わらないだろう。ロクさんは周りの平和を守るために嘘を見抜き、また、小さな嘘をつく「近所のおせっかいおばあちゃん」なのだから。


「ロクさ~ん! ちょっとちょっと……」

 我等口多美術館の庭先に、今日も訪問者が現れた。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(3件)

壱邑なお
2024.07.07 壱邑なお

『魔法の遠めがね』設定とロクさんのキャラが楽しくて、一気読みさせて頂きました。

桜の下で出会った男が、ロクさんのペースに巻き込まれて行く様子にクスリとしながら、男の正体にビックリ!
大和くんや三人組とのやり取りに、ラストの謎解きまで...ほっこり楽しいお話でした♪

解除
壱邑なお
2024.07.07 壱邑なお

『魔法の遠めがね』設定とロクさんのキャラが楽しくて、一気読みさせて頂きました。

桜の下で出会った男が、ロクさんのペースに巻き込まれて行く様子にクスリとしながら、男の正体にビックリ!
大和くんや三人組とのやり取り、ラストの謎解きまで...ほっこり楽しいお話でした♪

解除
みこと。
2024.03.08 みこと。

面白かったです!!
ロクさん、カッコ良すぎ。鑑定も出来るし、銃にも詳しいし。
ガラクタの漢字とワレクチオオシの掛け合わせもすごいけど、それに気付いた佐藤さんもなかなか敏いな(⁠。⁠•̀⁠ᴗ⁠-⁠)⁠✧
ススキのお茶気になりましたが飲む勇気はないかも(笑) ワンコの散歩道…!!

黒星★チーコ
2024.03.09 黒星★チーコ

みこと。様
感想ありがとうございます!!

ミステリファンの間では有名な「ノックスの十戒」というのがありまして。
言わば、ミステリとしてこれを破っている話は読者にはアンフェアだ、推理小説じゃない!というお約束なんですね。

その中のひとつに「探偵役に超能力(異能)を持たせてはいけない」というのがあるんで、この話はバリバリ戒律を破っています( ̄▽ ̄;)

ただ、異能だけではなく、ロクさんが長い人生で培った話術や豊富な知識、鋭いカンで犯人を追い詰めていく……というのを書きたかったので、許してください★

ススキ茶は、昔テレビでやってるのをみました。結構美味しいらしいです。なお、ロクさんはススキを摘む時に指の間から見て、ステータスで汚染度を確認してるので、キレイなススキだけを摘むことができます( *´艸`)

解除

あなたにおすすめの小説

四次元残響の檻(おり)

葉羽
ミステリー
音響学の権威である変わり者の学者、阿座河燐太郎(あざかわ りんたろう)博士が、古びた洋館を改装した音響研究所の地下実験室で謎の死を遂げた。密室状態の実験室から博士の身体は消失し、物証は一切残されていない。警察は超常現象として捜査を打ち切ろうとするが、事件の報を聞きつけた神藤葉羽は、そこに論理的なトリックが隠されていると確信する。葉羽は、幼馴染の望月彩由美と共に、奇妙な音響装置が残された地下実験室を訪れる。そこで葉羽は、博士が四次元空間と共鳴現象を利用した前代未聞の殺人トリックを仕掛けた可能性に気づく。しかし、謎を解き明かそうとする葉羽と彩由美の周囲で、不可解な現象が次々と発生し、二人は見えない恐怖に追い詰められていく。四次元残響が引き起こす恐怖と、天才高校生・葉羽の推理が交錯する中、事件は想像を絶する結末へと向かっていく。

ラクダのコブ

海星
ミステリー
僕の家族は、きっと変だ

授業

高木解緒 (たかぎ ときお)
ミステリー
 2020年に投稿した折、すべて投稿して完結したつもりでおりましたが、最終章とその前の章を投稿し忘れていたことに2024年10月になってやっと気が付きました。覗いてくださった皆様、誠に申し訳ありませんでした。  中学校に入学したその日〝私〟は最高の先生に出会った――、はずだった。学校を舞台に綴る小編ミステリ。  ※ この物語はAmazonKDPで販売している作品を投稿用に改稿したものです。  ※ この作品はセンシティブなテーマを扱っています。これは作品の主題が実社会における問題に即しているためです。作品内の事象は全て実際の人物、組織、国家等になんら関りはなく、また断じて非法行為、反倫理、人権侵害を推奨するものではありません。

濡れ衣の商人

鷹栖 透
ミステリー
25歳、若手商社マン田中の平穏な日常は、突然の横領容疑で暗転する。身に覚えのない濡れ衣、会社からの疑いの目、そして迫り来る不安。真犯人を探す孤独な戦いが、ここから始まる。 親友、上司、同僚…身近な人物が次々と容疑者として浮かび上がる中、田中は疑惑の迷宮へと足を踏み入れる。巧妙に仕組まれた罠、隠蔽された真実、そして信頼と裏切りの連鎖。それぞれの alibi の裏に隠された秘密とは? 緻密に描かれた人間関係、複雑に絡み合う動機、そして衝撃の真相。田中の執念深い調査は、やがて事件の核心へと迫っていく。全ての謎が解き明かされる時、あなたは想像を絶する結末に言葉を失うだろう。一気読み必至の本格ミステリー、ここに開幕!

言葉の裏側

サトウ・レン
ミステリー
人によって書かれる限り、言葉にはつねに裏がある。 ――――佐藤蓮『裏側のない遺書、真実の告白』より

食べる喜び噛み締めて

大北 猫草
ミステリー
中学二年生のクラス替えの直後に、大木萌子の平和な日常は崩れ去った。 あいつらから酷い暴力を受けるようになったからだ。 この部屋から出られなくなって、もう五年になる。 ひとりぼっちの部屋で萌子は、いつものように悩んでいた。 夜中に食べたら太ってしまうだろうか? 分かりきった疑問に「太るに決まってんだろ!」と、声に出して自分にツッコむ。狭い室内に虚しく声が反響した。 ふと、姉の事を思い出す。 二年前まで一緒にこの部屋で過ごしていた姉は、体重が八十キロを超えた頃に出て行ってしまった。 部屋に鳴り響くノックの音と共に、意外な結末への扉が開かれた。

復讐の旋律

北川 悠
ミステリー
 昨年、特別賞を頂きました【嗜食】は現在、非公開とさせていただいておりますが、改稿を加え、近いうち再搭載させていただきますので、よろしくお願いします。  復讐の旋律 あらすじ    田代香苗の目の前で、彼女の元恋人で無職のチンピラ、入谷健吾が無残に殺されるという事件が起きる。犯人からの通報によって田代は保護され、警察病院に入院した。  県警本部の北川警部が率いるチームが、その事件を担当するが、圧力がかかって捜査本部は解散。そんな時、川島という医師が、田代香苗の元同級生である三枝京子を連れて、面会にやってくる。  事件に進展がないまま、時が過ぎていくが、ある暴力団組長からホワイト興産という、謎の団体の噂を聞く。犯人は誰なのか? ホワイト興産とははたして何者なのか?  まあ、なんというか古典的な復讐ミステリーです…… よかったら読んでみてください。  

リモート刑事 笹本翔

雨垂 一滴
ミステリー
 『リモート刑事 笹本翔』は、過去のトラウマと戦う一人の刑事が、リモート捜査で事件を解決していく、刑事ドラマです。  主人公の笹本翔は、かつて警察組織の中でトップクラスの捜査官でしたが、ある事件で仲間を失い、自身も重傷を負ったことで、外出恐怖症(アゴラフォビア)に陥り、現場に出ることができなくなってしまいます。  それでも、彼の卓越した分析力と冷静な判断力は衰えず、リモートで捜査指示を出しながら、次々と難事件を解決していきます。  物語の鍵を握るのは、翔の若き相棒・竹内優斗。熱血漢で行動力に満ちた優斗と、過去の傷を抱えながらも冷静に捜査を指揮する翔。二人の対照的なキャラクターが織りなすバディストーリーです。  翔は果たして過去のトラウマを克服し、再び現場に立つことができるのか?  翔と優斗が数々の難事件に挑戦します!

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。