【完結】婚約者と幼馴染があまりにも仲良しなので喜んで身を引きます。

12.お花畑アリエラ視点(上）

私はホンットーニ伯爵家の7人兄妹の末っ子長女アリエラ。


お母様はどうしても女の子が欲しかったみたいで、7人目で女の子の私が生まれて大喜びだったみたい！
6人のお兄様達も私の事をとても可愛がってくれた。
お父様はちょっと口うるさかったけど、仕事が忙しくってあまり家にいなかったから、家では私がお姫様！って感じ。


歴史のお勉強だってマナーのお勉強だって、やりたくないって泣きついたらしなくて済んだし、嫌いな食べ物なんて絶対食べない！欲しい物もおねだりしたら宝石だってドレスだって何でも買って貰えた。


そして私のもう一つの自慢は格好良い幼馴染が2人いる事。私がお姫様ならお姫様を守る騎士2人って感じかな。
同じ伯爵家のユーリスとダンテ。

2人とも見た目が良くって、勿論私だって可愛いから、伯爵家の三宝石だなんて言われちゃって、イケメンに挟まれる私はいつだって令嬢の羨望の的だった。

気分は最高！私の手に入らない物は無いわ！


そう思っていたのだけれど…。


私は幼馴染のユーリスが好きだった。
ダンテも顔は良いけど何だかナヨナヨしてタイプじゃないのよね。
比べてユーリスは、勉強だって武術だってとっても優秀で他の令嬢の憧れの的！！
私達、とってもお似合いだと思ったんだけど…。

ユーリスは中々私に靡なびいてくれなかった。
ただの照れ隠しだったかもしれないけど、何だかいつも一線を引かれているような…そんな感覚だった。


しかも、ユーリスはお父様の仕事で隣国に着いて行って、そのまま留学という形で帰ってこなかった。
そうこうしてる間に、私も婚約者ができて。

婚約者は、1歳年上の侯爵家のコニール様。
ぱっとはしないけれど、お金持ちみたいだし優しくてそれなりに人気みたいだからまぁ許してあげるか～って思っていた。
しかも、お父様がすっごく頼み込んで成立した婚約みたいだし…。



そして迎えた入学式！
久しぶりにダンテと会ったら、私の事ずっと好きだったくせに自分の婚約者のシャティアっていう女の事を惚気てきたの！！！本当にびっくり！！

しかも…私ほどじゃないけれどちょっと可愛いし…何か優秀だとかチヤホヤされてるし…。


そもそも、ユーリスもダンテも私の騎士モノだったのに。

ユーリスは留学に行っちゃうし。
ダンテは婚約者の事惚気てくるし。


…何だか面白くない。


さすがにコニール様の前ではダンテにちょっかいかけなかったけど、コニール様が卒業されたらもうこっちのものよね！


ちょーっとダンテによくしてあげたら、やっぱりダンテは私にコロッときたわ。
婚約者シャティアの前で、抱きついたり腕を組んだり、あーんってしてあげたり♪私達にしか分からない昔話に花を咲かせたわ！
家にだって送って貰ったし。しかもダンテったら婚約者シャティアの隣じゃなくて私の隣に座ったの！
もうあの時のあの女の顔って言ったら…！

あぁ気持ち良い。
やっぱり、私はお姫様がお似合いね。