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11.謝らせてあげませんよ?

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人を振り回して傷付けた代償はきちんと払って頂かなければ…。


「アリエラ様。ハードラー子爵家としては私とダンテ様の婚約解消を望んでいます。アリエラ様は嘘を重ねてレヨング伯爵家とハードラー子爵家の仲違いを狙ったのでしょうか?」

静かに去ろうとするその背中に声をかけると、ビクッと肩を震わす。

「えっ!?なぜそんな大袈裟な事になるの!?そんなつもりは無いわ!!なんかダンテが貴女のこと悪く言っていたような気がしたけど…私の勘違いだったみたいだわ!」

「では、私が貴女を罵った脅したと言った件に関しては?私、全く身に覚えがありませんが…」


途端にアリエラの目が泳ぐ。どうせ、何も考え無しに腹いせに言っただけだろう。
それがまさかこんなにも大事になるとは思っていなかったようだ。


通行人が騒ぎを聞きつけ、どんどん集まって来てしまっている。


「うっ…えっ…いや…たっ確かにシャティア様は言いましたわ!ダンテに近付いたらどうなるか分かっているか…とか…そう!そうよ!私、凄く怖かったんだから…婚約解消は私のせいでは無いわ!」

「いつですか?」

「ほら、あの貴女と食事をした時とか…?」

なぜ疑問形…??

「あの時中庭には沢山の方がいらっしゃいましたから。貴女が私に色々とおっしゃってた場面を沢山の方が見ていました。私は貴女に一方的に失礼な事を言われていただけです。この事は、既に証言は取れています」

集まって来た人たちの中に、ウンウンと頷いている人もいる。
その様子を見てアリエラは、さすがにこの場で更に嘘を重ねる事を断念したようだ。


「えっ…あ…それも勘違いだったかな~なんて…」

「勘違いでしたではすみませんよ。貴女も貴族ならお分かりだと思います。家名を傷付けられる事がどれだけ重要な問題である事か。アリエラ様のついた嘘で私の…いえ、ハードラー子爵家の名誉が傷付けられました」

「だからさっきから大袈裟よ!!謝れば良いの!?ごめんなさ…」

「いえ、謝罪は結構です。ホンットーニ伯爵の方に正式に抗議させて頂きますから」

アリエラが謝罪を口にしようとする前にその言葉を遮る。
ここで謝って"はいお終いという"というわけにはいかない。
どうせこの人は"謝ったから良いでしょ!"となる事は目に見えている。

だから。
謝らせて…あげない。


「えっ!!お父様に!?ちょっと待って、それだけはやめて!そんな大事になったら私だって婚約が…」


「学園での出来事とは言え、噂が回るのはとても早いものです。もしかすると、アリエラ様の婚約も…どうなるか分かりませんね?それではごきげんよう」


「そ、そんな…」



青褪めてその場に立ちすくむ2人をその場に置いて、その場を後にした。










※次回、お花畑アリエラ視点
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