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初めてのデビュタントと隣国の王女様
番外編 ルーチェの至福の時間
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今ルーチェは至福の時間を過ごしている。
それはアイリッシュとお茶をすることではなく、大好きな本を読むことではなく、家族と過ごす時間ではない。
その至福の時間とは。
膝の上に乗っているもふもふを愛でること。
ルーチェは今アイリッシュとお茶の時間を過ごしているはずなのに、アイリッシュをそっちのけでこの可愛らしもふもふ(にゃんこ)に夢中である。
勿論ルーチェは幸せだけどアイリッシュの心は穏やかではない。
「ねぇールー今は何の時間かなぁ」
アイリッシュがルーチェに聞けば、返って来る答えは
「もちろん、アイリ様とのお茶の時間ですよ。」
満面の笑顔で答えてくる。
そう言われてしまってはアイリッシュも何も言えない。
「アイリ様もこのにゃんこをもふればきっと幸せになりますよ。いかがですか?」
幸せそうに膝の上のにゃんこをなでなでしているルーチェ、アイリッシュも前にルーチェに進められてにゃんこをもふろうとしたところ、引っ掛かれた。
明らかに猫に喧嘩を売られたのであった。
ルーチェは気づいていなけどふたりの間にはバチバチと火花が散っていたのであった。
それからはこうやってアイリッシュとルーチェが庭でお茶会を開いていると、隙あらばルーチェの膝の上に乗りこれ見よがしに気持ちよくもふられている姿をアイリッシュに見せつけるのであった。
ちなみにこの猫は王宮で飼っている猫でもなくただの迷い猫。
だがルーチェが可愛がっているために誰も追い出すこも出来ずお庭で飼っているのだ
アイリッシュも始めは猫に対して嫉妬心丸出しだったが、最近はルーチェが楽しそうにしている姿を見ている方が楽しいので猫に対しても寛容になっている。
ただはやり面白くない気持ちは大いにある。
ちなみにそのうちいなくなるだろうと言う思いも強い。
「ルー今度はどこに行きたい」
アイリッシュのお出かけのお誘いに目を耀かせるルーチェ
「またお出かけの出来るのですか」
「あぁ、もうすぐで収穫祭があるからその時に城下町の様子を見に行かないかい?」
「本当ですか!とても嬉ですわ」
とても嬉しそうに笑うルーチェをアイリッシュは満足そうに眺めている。
「アイリ様ありがとうございます。いまからとても楽しみですわ」
「私も今からとても楽しみだよ」
お出かけのお誘いは猫には出来ないだろうと言う顔を猫にすれば、お互いの間の空気が凍っているのをルーチェは全く気づかないのあった。
ルーチェは今まさに至福の時間を過ごしている。
大好きな人とお茶をしながら大好きなお菓子をつまみ、最近は膝の上にやって来るにゃんこをもふもふしている時間がとても幸せなのだ。
それに今日はお出かけの約束までしてもらい幸せ過ぎる時間を過ごすことが出来た。
それはアイリッシュとお茶をすることではなく、大好きな本を読むことではなく、家族と過ごす時間ではない。
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勿論ルーチェは幸せだけどアイリッシュの心は穏やかではない。
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アイリッシュがルーチェに聞けば、返って来る答えは
「もちろん、アイリ様とのお茶の時間ですよ。」
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そう言われてしまってはアイリッシュも何も言えない。
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ちなみにこの猫は王宮で飼っている猫でもなくただの迷い猫。
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アイリッシュも始めは猫に対して嫉妬心丸出しだったが、最近はルーチェが楽しそうにしている姿を見ている方が楽しいので猫に対しても寛容になっている。
ただはやり面白くない気持ちは大いにある。
ちなみにそのうちいなくなるだろうと言う思いも強い。
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大好きな人とお茶をしながら大好きなお菓子をつまみ、最近は膝の上にやって来るにゃんこをもふもふしている時間がとても幸せなのだ。
それに今日はお出かけの約束までしてもらい幸せ過ぎる時間を過ごすことが出来た。
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