上 下
114 / 117
初めてのデビュタントと隣国の王女様

49

しおりを挟む
アイリッシュ様の話では今回の遊学と外交という形でいらしたのに王女の行いはいくら王妃様の姪にあたるとしても赦しがたい事が沢山有りすぎて本来はもっと早く帰国をしてもらうはずでしたが、王女の父親でもある陛下より許可が出なかった為に少し強引でもあったのですが王太子にそのワガママな姿を見てもらい帰国してもらうこととになりました。

「王女様の赦しがたい行為とは何なんですか?」

たしかに私に対してのお茶会でのワガママとアイリッシュ様の婚約者になると叫んでいましたね。

「決定的だったのがルーとのお茶会の出来事だったけど、その前にもほかの貴族とのお茶会で私の婚約者になると言いふらしたり、呼んでもないのに自国の貴族を勝手に呼んだりした事や、あとは…ルーが気にする事はないよ」

(貴族に勝手に自分が王妃なったら便宜をはかる事を言い触らして、約束なんてしてたからそれこそ国を腐られる事になる)

「だから、母上から隣国の陛下に進言をしてもらう事にしたんだけどやっぱり言葉だけだと難色を示されたので今回の騒動を見てもらったんだ。
私から言うと叔父上かなぁ、叔父上は王女の事をとても可愛がっていたから説得にとても時間がかかってしまって、
けど、ルーを巻き込む事になって本当に申し訳ない」

アイリッシュ様はそう言うと私の手をギュウと握ってくれました。

「えっーと、お父様とお母様はご存じなのですか」

私の質問にお兄さま方が

「えーとね、今回の騒動で知らないのはルーだけかなぁ」

衝撃的な一言が飛び出しました。

私だけ知らない、と言うことはエマやメイも知っているとの事ですよね。

私がすぐさま2人を見ると2人ともサッと目を反らします。

「ひどいです。お兄さま方王妃様やアイリッシュ様がご存じなのは仕方ないけどどうして私だけ知らないのですか。
ちゃんとエマやメイまで知っているのにどうして私だけ教えてくれなかったですか?」

私だけ知らないことを怒ると

「ルーは知っていたら顔に出るだろう
エマとメイは知っているからこそ強気の態度を取って相手を煽ってくれた部分もあるけどルーには出来るかい? 」

確かにお兄さま方が言っているのが正論です。

多分私は顔に出てしまうし逆に不安がって王女様の事を避けてしまいそうです。

そのあと私は何も言えず話を聞くことにしました。

「ルーちゃん、今回の事は内緒にしていてごめんなさい。
けして貴方の事を軽んじていたわけではなく、ルーちゃんに他の悩み事を増やしたくなかっただけだったんだけど…
もっと私が早く対処をしていれば良かったのよね。
ルーちゃんには辛い思いをさせてごめんなさい。
それに公爵家の方々にもご協力感謝します」

感謝と謝罪の意を表して王妃様はそういうと立ち上がり

「アイリッシュ、ちゃんと婚約式の事を話なさいよ」

王妃様はそう言われてゆっくりと部屋から出でいかれました。

「ルー婚約式の事だけど」

やっぱりこんな事がありましたから中止になるのでしょうか

私は不安に思ってしまいましがアイリッシュ様から言われた言葉は以外なもので

「本当の、婚約式は来週なんだ
今日のはウソを付いて王女を誘き寄せる為に準備してもらったの
だから中止とかの心配はいらないよ。
ルーには迷惑ばかりで…
それでも私の婚約者として隣にいてくれるかい?」

確かに騒動の事を内緒にされておったりもしましたし、ラージグア様は本当に嫌でしたけど…

こうやってアイリッシュ様はピンチの時にはいつもの来てくれます。

だから私の答えは決まっています。

「はい、いつもお側にいますわ」

笑顔で答えるとアイリッシュ様は私を出しきしめて

「ありがとう、ルーチェ」

耳元で囁いたのでした。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

旦那様、離縁の申し出承りますわ

ブラウン
恋愛
「すまない、私はクララと生涯を共に生きていきたい。離縁してくれ」 大富豪 伯爵令嬢のケイトリン。 領地が災害に遭い、若くして侯爵当主なったロイドを幼少の頃より思いを寄せていたケイトリン。ロイド様を助けるため、性急な結婚を敢行。その為、旦那様は平民の女性に癒しを求めてしまった。この国はルメニエール信仰。一夫一妻。婚姻前の男女の行為禁止、婚姻中の不貞行為禁止の厳しい規律がある。旦那様は平民の女性と結婚したいがため、ケイトリンンに離縁を申し出てきた。 旦那様を愛しているがため、旦那様の領地のために、身を粉にして働いてきたケイトリン。 その後、階段から足を踏み外し、前世の記憶を思い出した私。 離縁に応じましょう!未練なし!どうぞ愛する方と結婚し末永くお幸せに! *女性軽視の言葉が一部あります(すみません)

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが

ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。 定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛

らがまふぃん
恋愛
 こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。この作品の前作が、お気に入り登録をしてくださった方が、ありがたいことに200を超えておりました。感謝を込めて、前作の方に一話、近日中にお届けいたします。よろしかったらお付き合いください。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。 *らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

皇太子夫妻の歪んだ結婚 

夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。 その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。 本編完結してます。 番外編を更新中です。

【完結】嫌われ令嬢、部屋着姿を見せてから、王子に溺愛されてます。

airria
恋愛
グロース王国王太子妃、リリアナ。勝ち気そうなライラックの瞳、濡羽色の豪奢な巻き髪、スレンダーな姿形、知性溢れる社交術。見た目も中身も次期王妃として完璧な令嬢であるが、夫である王太子のセイラムからは忌み嫌われていた。 どうやら、セイラムの美しい乳兄妹、フリージアへのリリアナの態度が気に食わないらしい。 2ヶ月前に婚姻を結びはしたが、初夜もなく冷え切った夫婦関係。結婚も仕事の一環としか思えないリリアナは、セイラムと心が通じ合わなくても仕方ないし、必要ないと思い、王妃の仕事に邁進していた。 ある日、リリアナからのいじめを訴えるフリージアに泣きつかれたセイラムは、リリアナの自室を電撃訪問。 あまりの剣幕に仕方なく、部屋着のままで対応すると、なんだかセイラムの様子がおかしくて… あの、私、自分の時間は大好きな部屋着姿でだらけて過ごしたいのですが、なぜそんな時に限って頻繁に私の部屋にいらっしゃるの?

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

生贄

竹輪
恋愛
十年間王女の身代わりをしてきたリラに命令が下る。 曰く、自分の代わりに処女を散らして来いと……。 **ムーンライトノベルズにも掲載しています

処理中です...