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初めてのデビュタントと隣国の王女様

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否定されるとは思ってはなかったのでしょう。

スゴい剣幕で私の所までやって来ようとするラージグア様の前にメイがスッと出て来きました。

ラージグア様はそれも気にくわなかったのでしょう。

「貴方の侍女はちゃんと礼儀も弁えないの。
わたくしは王族なのでよ。
アイリッシュ殿下の婚約者に相応しいのは身分としてこのわたくしです。
さっさと妖精の涙を渡しなさい」

余りの怒りぶりにもう王族だから淑女だからという立ち居振るは全くありません。

「お断り致します。
私がアイリッシュ様の婚約者です。
本日婚約式を経て正式に婚約者として皆様に認めてもらうのです。
ですから、妖精の涙をお貸しする事は出来ませんのでお帰り下さい」

もう1度私からお断りを伝えると

「この泥棒令嬢が、わたくしの方がわたくしの方が…」

喚き散らしながらメイの静止を振り切ろと暴れだしたその時

「ラージグア王女、そこまでにして下さい」

低い声の主の方に一斉に全員で顔を向けるとアイリッシュ様ご扉の所にいらっしゃいます。

「ラージグア王女、ここはルーチェの控室です。
なぜここに貴方がいらっしゃる?
それとも私の勘違いですか?」

アイリッシュ様はゆっくり歩みながらラージグア様に近づいています。

「殿下、わたくしはルーチェ様に殿下の婚約者として相応しくないと申し上げにきました。
今ならまだ間に合いますしそのために妖精の涙をわたくしに渡すのが筋だと思いここにいます。
わたくしが本来の婚約者です。」

ラージグア様の言葉を前にしてアイリッシュ様は珍しく眉間にシワを寄せ呆れ顔をなさっています。

「ここまで浅はかな考えをお持ちとは全く思いませんでした。
母上もうよろしいですよね?
出で来て下さい。」

アイリッシュ様の母上と言う言葉に私とラージグア様は驚き部屋の扉から王妃様ともう一人こちらにやって来ました。

「お兄さまなぜこちらに」

「ラージグア、私は兄として国の代表としてこの騒動はとても恥ずかしことだ。
ここまで愚かとは思いもしなかったし、君のワガママを見過ごして来た私達の責任だ」

この方は確か…

「叔母上、いえ王妃様、アイリッシュ様この度は愚妹が大変ご迷惑をおかけしました。
王族たがらと言って貴殿の婚約者様に対して数々のご無礼大変なもう訳ありません。
この無礼物は即刻帰らせますので何卒穏便にお願いします。」

王妃様とアイリッシュ様に深々と頭を下げているのはラージグア様のお兄さまで王太子殿下です。

式典にはいらっしゃらないと負うかがっていましたが。

しかしいつから王妃様やアイリッシュ様は見ていたのでしょうか

「謝罪と今後の事に付いては後でお話したいとおもいます。
まずはルーチェを休ませる事と説明をしないといけないのでそちらの対応は後程」

「確かに、こちらの事情を押し付けて申し訳ない、ラージグア行くぞ」

ラージグア様はお兄さまに手を引っ張ら部屋から連れ出されそうになると

「なぜです、殿下わたくしの方があなた様のことを思ってはいるのに、どうしてこんな事をなさるのですか
わたくしの方が相応しいのに」

泣きなかアイリッシュ様にすがるラージグア様に対してアイリッシュ様はそれはそれは素敵な笑顔で答えてようとします。

その顔見てラージグア様は

「やっぱりわたくしの事を…」

「僕はお前の事は大嫌いだよ」

ラージグア様の声に被せてアイリッシュ様が発言しました。

その言葉にピシッと固まるラージグア様

「そうそう、小さい時から嫌いだったよ。
鬱陶しく纏まり付いてはくるし、行儀も出来ないし、ワガママだしね。
大人になってもう少しまともになっているかもと思っていたけど全く成長してないよね?
仕舞いには僕のかわいいルーに手を出しておいて、まだ相応しくと言うの本当に虫酸が走るよ」

スゴい剣幕で言うアイリッシュ様を目の前にしてラージグア様は口をわなわなさせてただ聞いているだけでした。

その顔はだんだんと青白くなっていきそのままナヨナヨとペッタンと床に座り込んでしまいました。

目で早く出でいけと言うとラージグア様はそのまま王太子にズルズルと連れていかれました。

アイリッシュ様は言うことを伝えてると私の所までやって来て

「嫌な思いをさせてごめんね。
これで全部終わりだからと」

抱き締めてくれました。

部屋に私と王妃様とアイリッシュ様だけが残っています。

「お嬢様、まずはお着替えをなさってから皆様方とお話下さい」

エマに着替えをして欲しいといわれましたが

「これから婚約式でしょ」

「はい、その事ですがこれからアイリッシュ様よりご説明がございますのでまずはお着替え下さい。」

アイリッシュ様をチラッと見ればコクりと頷き私に着替えを促しました。

それして私はエマとメイと共にドレスからいつもの服装に着替えて部屋に戻るとアイリッシュ様と王妃様、お兄さま方もいらっしゃらないました。

部屋に入るとアイリッシュ様が私をエスコートをして席まで着かせてくれます。

私が席に着くと王妃様から

「ルーちゃん今回の事はごめんなさい
貴方にまでご迷惑をかけてしまって」

王妃様が頭を下げようとしましたけど私は

「そんな謝罪なんて、いりません。
あの説明を頂けるなら…」

「そうよね。まずは説明をしてからね…」

王妃様はアイリッシュ様に目で合図を送るとアイリッシュ様はゆっくりと話始めました。
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