甘い婚約~王子様は婚約者を甘やかしたい~

モモ

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初めてのデビュタントと隣国の王女様

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ほとんどの支度を終わらせてエマから妖精の涙を受け取ろうとしていると、扉を叩く音がしました。

あら?アイリッシュ様かしら?少しお時間が早いような気がしますが…

「はい、どうぞ」

返事をして、入ってもらうようにメイに扉を開けてもらうと目の前にいたのはアイリッシュ様ではなくえっ?ラージグア様?

その瞬間メイは扉を閉めようと動かそうとしていましたがラージグア様の侍女にしっかりとガードされてしまいました。

流石ラージグア様の侍女です。

何事もなかったこの様にラージグア様は

「ルーチェ様本日はおめでとうございます」

「ありがとうございます。ラージグア様
所でもうすぐで時間なのですが、何かご用意でしょうか?」

私はとてつもなく嫌な予感がしたのでさっさと帰ってもらうように、時間がないことを全面に押し出して要件を聞きました。

エマもメイ早く帰れオーラが出でいます。

しかしラージグア様のドレスは白に近いアイスブルーの色なんでしょう?

今日の婚約式のドレスは私が白色を着るので参列者の方々は原色に近い濃いドレスを着る事が望まれるのに、それに先ほどからエマが持っている宝石箱をチラチラと見ているのがとても気になります。

「ルーチェ様そちらの宝石箱には妖精の涙が入っているのですか?
ぜひ1度見てみたいですわ。
わたくしまだ見たことがないのです。」

ラージグア様の質問になんて答えていいのか私が悩んでいると、

「ラージグア王女様、こちらの妖精の涙はこの国の秘宝でございます。
こちらは王妃様よりお借りした品物でありましてルーチェお嬢様の一存で今お見せする事は出来ません。
式が始まってからご覧下さい。」

エマの最もらしい説明で引いてくれるかなぁと、思っていましたがやっぱりラージグア様はそんなの事はお構い無しに

「大丈夫よ。叔母さんは許してくださるわ。
だからね、わたくしに貸して下さい」

ラージグア様がそういうと侍女の方がエマに対して

「その宝石箱をお渡し下さい」

と、言いながらこちらに寄ってきます。

エマはしっかりと宝石箱を持ち私の側までやって来ました。

「ラージグア様妖精の涙はお貸しする事は出来ません。
侍女の方も下がらしてください」

「あら?なぜ?」

「これから私が使用するものですし、まだ準備が終わっておりませんのでお帰り下さい。」

私の言葉にラージグア様はとてもイライラしたのでしょ

「貴方私に対してとても失礼よ。
本来私が殿下の婚約者になる予定だったのに途中からノコノコ現れてそのネックレスさえあれば私が婚約者と認められるのだから渡しなさい。」

ラージグア様は今にも私に掴みかかりそうな勢いでやってきました。
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