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初めてのデビュタントと隣国の王女様
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扉のノック音と共に私は
「はい、どうぞ」
と、声をかけるとエマが扉を開けてくれました。
そこから顔を出したのは
「ルー準備中失礼するよ。
入って平気かなぁ?
渡したい物があるんだけどいいかなぁ」
アイリッシュ様がこちらにやってきました。
「1番大切な物を渡してないからもって来たよ」
アイリッシュ様が目で後ろに控えていたトムに合図を送ると、トムがエマに宝石箱を渡します。
重厚な宝石箱に入っている物は"妖精の涙"です。
「私も準備があるから、これで失礼するけどルー緊張してる?」
「はい、とてもしています。
アイリッシュ様は緊張してないのですか?」
いつもと変わらないアイリッシュ様のお姿に私は思わず聞いてしまいました。
「うん?私もこれでも緊張しているかど
ルーはもしかして失敗したらどうしようと思っていたりする?」
「そんなのはもちろんですよ。
貴族の方もいらっしゃるし、それに主要国の貴賓の方もいます。
失敗したら恥になります。」
私の不安をアイリッシュ様に伝えてると
「ルー私が側にいるんだけどなぁ
大丈夫ちゃんと私がフォローするし、司祭様のお言葉を聞いて、書面にサインをして終わりだから大丈夫だよ。
けどもし失敗しても誰もわからないから大丈夫。」
エマと一緒の事を言われてしまいました。
「そろそろお嬢様準備を…」
「そうだね。
長居をして申し訳ないね。
じゃあ、ルー、時間になったら迎えに来るからまたその時ね」
アイリッシュ様はそう言いなからお部屋を出ていられようとした時、クルっとこちらを振り返りまた私の側までいらして
「忘れてた。これはお守りね」
私の額にチュウと唇を落として出で行かれてしまいました。
私はいきなりの事で呆然としていると
「お嬢様、準備に取りかかります」
何事もなかったかのようにエマとメイが準備を始めました。
そうです。時間は多めにありますが早く準備をしなくってはいけませんね。
エマとメイに入浴を手伝ってもらい、お湯からとても良い香りがします。
「何の香りなの?」
「バラの香りですよ。
リラックス効果がございます。
今のお嬢様にはピッタリだと思いまして」
流石エマ良く分かってくれていますね。
本当に良い香りです。
入浴を終わらせてそのあとはしっかりとマッサージをしてもらいます。
本日のドレスはデコルテの部分が綺麗なレースになっているので良く見えるようにマッサージをしてもらいます。
髪の毛もしっかりと解かしてもらい編み込みをいれながらハーフアップの髪型に結い上げていきます。
髪の毛にパールやクリスタルを散りばめていくと、凄いキラキラしています。
最後にドレスに裾を通すと前回の試着の時と違いドレス部分にパールやクリスタルが所々に散りばめられています。
「お嬢様素敵過ぎです」
メイから歓喜が上がります。
私もいそいそと姿見鏡の前に立ち見てみると、凄い私ではないみたい。
前回試着したときと比べようもありません。
「さぁ、最後に」
エマはそう言い宝石箱をもって来てくれました。
最後に妖精の涙を付けてアイリッシュ様を待つだけです。
私が妖精の涙に手を付けようとした時
"トントン"扉をたたく音がします。
あら?誰かしら?
「はい、どうぞ」
と、声をかけるとエマが扉を開けてくれました。
そこから顔を出したのは
「ルー準備中失礼するよ。
入って平気かなぁ?
渡したい物があるんだけどいいかなぁ」
アイリッシュ様がこちらにやってきました。
「1番大切な物を渡してないからもって来たよ」
アイリッシュ様が目で後ろに控えていたトムに合図を送ると、トムがエマに宝石箱を渡します。
重厚な宝石箱に入っている物は"妖精の涙"です。
「私も準備があるから、これで失礼するけどルー緊張してる?」
「はい、とてもしています。
アイリッシュ様は緊張してないのですか?」
いつもと変わらないアイリッシュ様のお姿に私は思わず聞いてしまいました。
「うん?私もこれでも緊張しているかど
ルーはもしかして失敗したらどうしようと思っていたりする?」
「そんなのはもちろんですよ。
貴族の方もいらっしゃるし、それに主要国の貴賓の方もいます。
失敗したら恥になります。」
私の不安をアイリッシュ様に伝えてると
「ルー私が側にいるんだけどなぁ
大丈夫ちゃんと私がフォローするし、司祭様のお言葉を聞いて、書面にサインをして終わりだから大丈夫だよ。
けどもし失敗しても誰もわからないから大丈夫。」
エマと一緒の事を言われてしまいました。
「そろそろお嬢様準備を…」
「そうだね。
長居をして申し訳ないね。
じゃあ、ルー、時間になったら迎えに来るからまたその時ね」
アイリッシュ様はそう言いなからお部屋を出ていられようとした時、クルっとこちらを振り返りまた私の側までいらして
「忘れてた。これはお守りね」
私の額にチュウと唇を落として出で行かれてしまいました。
私はいきなりの事で呆然としていると
「お嬢様、準備に取りかかります」
何事もなかったかのようにエマとメイが準備を始めました。
そうです。時間は多めにありますが早く準備をしなくってはいけませんね。
エマとメイに入浴を手伝ってもらい、お湯からとても良い香りがします。
「何の香りなの?」
「バラの香りですよ。
リラックス効果がございます。
今のお嬢様にはピッタリだと思いまして」
流石エマ良く分かってくれていますね。
本当に良い香りです。
入浴を終わらせてそのあとはしっかりとマッサージをしてもらいます。
本日のドレスはデコルテの部分が綺麗なレースになっているので良く見えるようにマッサージをしてもらいます。
髪の毛もしっかりと解かしてもらい編み込みをいれながらハーフアップの髪型に結い上げていきます。
髪の毛にパールやクリスタルを散りばめていくと、凄いキラキラしています。
最後にドレスに裾を通すと前回の試着の時と違いドレス部分にパールやクリスタルが所々に散りばめられています。
「お嬢様素敵過ぎです」
メイから歓喜が上がります。
私もいそいそと姿見鏡の前に立ち見てみると、凄い私ではないみたい。
前回試着したときと比べようもありません。
「さぁ、最後に」
エマはそう言い宝石箱をもって来てくれました。
最後に妖精の涙を付けてアイリッシュ様を待つだけです。
私が妖精の涙に手を付けようとした時
"トントン"扉をたたく音がします。
あら?誰かしら?
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