甘い婚約~王子様は婚約者を甘やかしたい~

モモ

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初めてのデビュタントと隣国の王女様

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突然の発言でした。

「わたくしルーチェ様と2人っきりお話したいですわ」

と、ラージグア様が言いました。

それは回りの侍女や護衛を下げることになります。

流石にそれは出来ません。

「ラージグア王女様、そのお願いは全く持って聞くことは出来ません」

トムが厳しい口調で答えます。

「なぜ?回りに人がいたらルーチェ様と内緒話もできないわ」

「王女様、私達のことは気になさらないで下さい。
私達は飾り付けみたいな物ですから」

トムから鋭い反論が返ってきます。

でも、流石ラージグア様自分のわがままを通すためお言葉も巧みです。

「では、トムだけここに残って他は下がらせるわ。
それなら文句はないでしょ?」

これにはトムも黙ってしまいました。

ですが、トムもまた何か言い返そうとするので、これでは埒があかないので私が一言

「ラージグア様それなら少し離れてもらうのはいかがですか?
私達の会話が聞き取れないぐらいの距離なら良いのでは?」

私の出した答えにトムは

「ルーチェ様!」

確かにトムが何か言いたいのはわかります。

しかしラージグア様は絶対に引かないだろうし妥協点を探すのが良いと思います。

「まぁ!流石ルーチェ様お話がわかってらしゃるのね」

それを合図にラージグア様の侍女は遠くに下がって行きます。

トムもメイも渋々少し下がっていきました。

これはラージグア様の初めっから計画してましたね。

そんな事を私が考えていると、

「ねぇ、ルーチェ様わたくしどうしても納得出来ない事がありますの?」

「なんでしょう?ラージグア様」

今日のお菓子は気に入らなかったのでしょうか?

けどサンドイッチは良くたべていた気がしますが?

「なぜ貴方がアイリッシュ様の婚約者なの?」

「えっ?」

私が予想していたのとは違う質問に驚いてしまい思わず変な声で答えてしまいました。

「だってルーチェ様よりわたくしの方が相応しいと思うの。
だってルーチェ様はただの公爵令嬢だけどわたくし王女ですからねぇ?
どう思われます?」

「ラージグア様どう思われます?と言われても…」

「実はね、アイリッシュ様にも貴方とは婚約破棄をしてわたくしと婚約した方が国として良いことだと進言したのよ」

「えっ?」

そんな事アイリッシュ様は私には…

「うふふ、聞いてないの?
ルーチェ様以外に信用されてないのでは?」

私は信用されてない?

「それでアイリッシュ様はなんて答えたのでしょうか?」

私の声は珍しく震えています。

ラージグア様から突然の告白に嫌な汗が背中に流れてきます。

アイリッシュ様の答えが知りたいけどこれを知ってしまって本当は婚約破棄したいと言う気持ちでしたらどうしましょ。

なぜだか目頭が急に熱くなってきました。
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