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初めてのデビュタントと隣国の王女様

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結局私は王女様のお名前を聞くことなくお母様たちと会話を終わらせる事になりました。

アイリッシュ様やお母様が王女様となるべく接点を持たないようにと言われましたがお妃教育は隣国の事に付いてのレッスンばかり続きました。

挨拶の仕方やお茶会や食事のマナー、ダンスの中身もこちらと違いそれらを学ぶ日々が続いてました。

言葉は公用語が一緒なので大丈夫かなぁと思っていましたが隣国が日常生活に使用している言葉も学ぶ事となりこれが1番苦労しています。

全くさわってこなかったので私は1からやらなくてはいけません。

あと半年でなんとかなるか心配です。

私としてはデビュタントのダンスの練習をしたいのですがそちらのダンスは王宮では行わず屋敷で先生を呼んで練習をする事となってしまいました。

練習相手にはフレッドお兄さまとジョージお兄さまに手伝って頂いてます。

そんな忙しく日々を送っていた私なのでアイリッシュ様とはお茶会も出来ずただ王宮で会えばご挨拶程度の接触しかありませんでした。

そんなこんなでデビュタントまであと1ヶ月となったある日

今日のお妃教育はやっとデビュタントのダンスです。

しかも最終確認となってしまいとても緊張しています。

実際のドレスと同じ形を着て装飾品を付けて、ヒールもしっかり履きました。

意外と重たいです。

これで先生としっかり踊る事が出来れば大丈夫です。

先ほどメイから

「本日、殿下よりお茶会のご招待が来ていましたがどうされますか?」

と、聞かれましたがもちろん答えは

「楽しみにしています」

と、メイに伝えました。

アイリッシュ様に会うの久しぶりですのでとても楽しみです。

あっ、いけませんね。

目の前のタンスレッスンに今は集中しなくては

先生に礼をしてポジションを取ります。

そうするとゆっくりと音楽が流れはじめました。

最近お兄さま方と練習している日々が多い為に先生と背の高さが合いません。

靴も少し大きかったみたく踊りづらいです。

少しづつ先生とダンスの感覚がずれ初めてきています。

私は少しづつ焦り出してきました。

心の中で落ち着いてと呟きますがどんどん曲調とダンスが難しくなるにつれて焦りは大きくなり先生と小幅が合わなくなった時ドレスを踏まれてしまい咄嗟に私は

「あっ!」

と、声が漏れてしまいそのまま転びそうになりました。

ですが大きな手が転ぶ寸前の私を抱きしめてくれて

「ルーチェ大丈夫?」

なぜでしょう?

目の前に今の時間帯はここにはいないはずの方がいらっしゃいます。

「アイリ様?」
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