甘い婚約~王子様は婚約者を甘やかしたい~

モモ

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初めてのお友達とお妃教育と…

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その後僕達は男爵家に向かった僕達が見たものは悲劇だった。

男爵家に人の気配は無かった。

何年も人が住んではいない状態だったのは中に入ると一目瞭然だった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~



「殿下」

トムが僕を呼ぶ、

「もうすぐで城に着きます。殿下一応一段落つきました。少しお休み下さい。」

「あぁ、しかしまだやること残っている
残党がいるかもしれないからそれの片付けてをしないとな」

それが終わってルーのお妃教育の再開も出来るだろう。

トムが侯爵家を調べてくれたお陰で商人の確保が出来た。

元々は侯爵家に出入りしていた商人にらしく、侯爵婦人がそこから商品を購入していた。

婦人の浪費癖から借金が増えていきなんとかお金が欲しいということが事の始まりだ。

そこから侯爵と商人で手を組、隣の使われていない男爵領の鉱山から屑石を手にして宝石を造り出した。

一回ぐらいならバレないだろうという甘い考えからの行動である。

始めはお互い借金の返済目的だったが宝石の加工技術があがり、また令嬢が身に付けているものが流行になればなるほど金の動きが大きくなりお互いの資産が増えていった。

そうなると人間はやはり欲望に忠実である。

金があれば人が寄りそしてその金に群がり自分達を崇め始める。

商人たちは隣国で流行を作り出す一流の店と認められ、侯爵はこの国で地位を手に入れて力を付けていった。

そうなると今度は今までの量では足らなくなり鉱山での人の動きが激しくなり、そこを男爵に見っかったのだ。

男爵は今回の事件の被害者だ。

クソッ、もっと早く侯爵の不正に気づいていれば男爵一家は…

結果としてパールが我が国で流行しなければもしかするとこの事件は解決しなかったかもしれないと思うと恐ろしく思う。

パールの流行が侯爵達の動きに焦りを出し
鉱山での作業量をさらに増やしたことにより、しっぽを出すとは思わなかっただろうに。

鉱山で働いていた者たちはすでに解放された。

一体どのくらいの人達が働かされていたかはわからない。

鉱山はこれから先、人が入って作業出来ないようにしっかりとと封鎖された。

結局侯爵の資産は二代公爵を足した資産を
大きく上回る額になっていた。

それは侯爵家を捜索した時に隠し資産を見つけ時にわかった。

今は侯爵と商人が持っていた顧客名簿を元に残党がいないか確認中である。

今回隣国を巻き込んでの事件で今陛下と宰相が隣国と交渉中である。

隣国は商人たちが売っていた装飾品が偽宝石とは知らなかったらしい。

お互いの国は被害者であり加害者でもあるので国通しの賠償金は発生しないだろうと思う。

今は偽宝石を購入した者からそれらを回収している最中だ。

もちろん代金を返却している。

その代金は没収した侯爵達の資産で行っている。

この偽宝石は世に出回っていないので双方しっかりと回収して処分がすることとなった。

最後に侯爵と商人の罰だがこれはかなり揉めている。

我が国と隣国での裁きがあるためである。

侯爵は誘拐の罪、男爵の殺害、そして男爵領土の不正利用もあるため死罪が決定だが死罪で償うより長く苦しむ方が良いと重労働の鉱山や奴隷として何処かの国に渡すという案も出ている。

男爵領土不正利用は男爵がすでに亡くなっているのにあたかも生きているように不正していた。

しっかりと納税の報告もしていたのだ。

これは侯爵夫人やサーシャ嬢そして商人の一家も同じで人のお金で美味しい蜜を吸っていたということで同罪になるだろう。

ルーとリリーの誘拐はサーシャ嬢による突発的な出来事である。

どうしても自分が僕の妃になりたい為に排除しようとしたらしい。

僕としはなんとも許しがたい行為であって本当は僕の手で罰を与えたい位の気持ちであった。

人の欲とは恐ろしい物だ。

初めは借金返済から始まったのに利益が出て自分達に力が出始めると人は破滅への道を歩み始める。

そして自分達に力があるといって勘違いを起こさせるのである。

「トム、城に戻ったら残りの仕事もさっさと片付けるぞ」

「わかりました、殿下」

さて、さっさとこの事件を全て終わらせてルーと約束している城下町にいきたいな。

僕はそんな事を思いながら馬車の窓から、もう見えなくなってしまっているバロッサ家の方をずぅーと眺めていた。

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