甘い婚約～王子様は婚約者を甘やかしたい～

初めてのお友達とお妃教育と…

11

このモヤモヤした気持ちは何かしらと考えていると

「ルーチェ嬢」

トムが私の事を呼びます。

「ルーチェ嬢殿下がサーシャ嬢と踊るのをあまり気にしないで下さい。
いえ、全く気にしないで下さい」

「？どういうことですか？」

「殿下は、公平性を保つために踊られているだけでとても不機嫌です。
ルーチェ嬢あまり殿下を責めないで下さいね。」

トムはそんなことを言ってますが私はアイリッシュ様を責めませんよ。

私とだけ踊るのは不公平なのは当たり前なのにトムは何を誤解してるのかしら

それにお兄さま達を見ているので良く分かりますがアイリッシュ様はとても忙しい方です。

それなのにわざわざ今日のお妃教育に顔出して頂き、ダンスの相手もして頂けるなんて本当の申し訳ないです。

そんな風に私は思っていましたがトムとアイリッシュ様のそれぞれの想いとは全く違っていたこととは私はこの時気づきませんでした。

曲が終わり２人は挨拶をしています。

それと同時に今日の教育の終わりの時間になりました。

サーシャ様は

「殿下、このあと私とお茶をして下さい。いつもルーチェ嬢ばかりでずるいですわ」

サーシャ様はアイリッシュ様に何かおねだりをしています。

アイリッシュ様は終始笑顔でサーシャ様の相手をしていますがちらっとこちらを見てトムの目配せをしました。

「ルーチェ嬢フレッドとジョージがルーチェ嬢に用事があるので執務室に来ていただけますか？」

「あら？お兄さま方が？」

「はい、執務室にご案内致します」

何かしら？朝お兄さま方と会話した時にはそんな事言ってなかったのに

私はトムと一緒に執務室に向かいました。

アイリッシュ様はサーシャ様を王宮の出口まで送るためエスコートして行かれました。

「それでらルーチェ様ごきげんよう」

サーシャ様は笑顔で挨拶をされて出て行かれました。

私も挨拶をしようとしましたがもういらっしゃいませんでした。

トントン

「失礼します。ルーチェ嬢をお連れしました」

「失礼します。お兄さま何かご用ですか？」

そう言いながら、私はお部屋に入って行くと目の前にある物にびっくりしました。