甘い婚約~王子様は婚約者を甘やかしたい~

モモ

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初めてのお茶会と王子様

閑話 アイリッシュの初恋とお茶会①

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僕はこの国の第一王子のオクセンブルク・ラン・アイリッシュ

この間僕は初恋というか、ずーと大切にしたいと思っていた令嬢に婚約者になってほしいと申し込んだ。

結果は婚約者候補だけど彼女から
"頑張って貴方の隣にたてるようになりたい"
と手紙をもらった。

僕としてはとても嬉しかった。

彼女が僕のことをそんな風に思っていてくれているなんて知らなかったから。

僕は彼女との初めての出会いを思い出した。

僕と彼女の出会いは今から3年前

僕が9歳で彼女が4歳の時だった。


国王と王妃の子として正統な後継者として生まれて

いつかは王太子になると思いながら僕は日々勉強に励む日々だった。

婚約者も決まっていてパブロ家の公爵令嬢のミーシャ嬢とも上手くやっていこうと思っていた。

けど婚約者のミーシャはちっとも僕に興味がないのか、本当は週1回のお茶会も半分は用事があるとか体調が悪いということで来ない日がある

一緒にお茶をしていてもつまらなそうにしているし、僕の話しも「そうですか」で終わってしまう

それにお妃教育もあまりやる気がないという話しもあがっている

そんな風に元気がない僕に

僕の側近候補のフレッドとジョージが

「「バロッサ家に来い」」

と言い始めた。

「天使を見せてやる」

たまに変なことをいう2人だけど僕にとってはとても信頼出来る友だ。

フレッドとジョージは双子の兄弟で僕とは同じ年

この2人も公爵家の子息で父親は宰相をしている

宰相は父上国王陛下と幼なじみらしがとても厳しい人だ。

その割にはこの2人は大人し目ではなくアクティブな感じで僕のことを助けてくれる。

僕は国王である父上と宰相にバロッサ家に行って良いかと許可をとり、次の日に遊びにいくことにした。

次の日お忍びということでバロッサ家を訪ねるとそこには、フレッドとジョージと公爵婦人のオリビア様が出迎えてくれた。

「殿下ようこそいらっしゃいました」

オリビア様が挨拶をなさると

「アイリッシュ、うちの天使は今庭にいるぞ」

挨拶なしでフレッドとジョージが僕の腕を引っ張って庭に連れて行こうとしていると

「フレッド!ジョージ!はしたない、ちゃんとご挨拶しなさい!」

オリビア様が怒っているが

2人は関係ないと感じで僕を庭まで連れてってくれた。

「アイリッシュ今天使を呼ぶからここにいて」

「「ルー」」

ルー?天使に名前?

僕は犬か何かの動物だと思っていたら

「はーい」

可愛らしい返事が聞こえて来る

「おにいちゃま!!」

と、言いながらトコトコと走りながらやってくる女の子は白いワンピースに銀髪だ

天使…

まさに天使が本当にいるとは思わなかった

「本当に天使だ」

僕がボソッ呟くと

2人はウンウンと頷いていて

しかし幼い女の子が覚束ない足取りで走っていたのでやっぱり躓いて転んでしまった。

僕は思わず彼女の側に駆け寄った

「大丈夫?」

もしかしたり泣いてしまったかもしれない
そんな風に不安がってると

「エヘヘ、転んじゃった」

顔に泥を少し付けてニコッと笑うこの子をみた時僕はなんとも言えない感情が沸いた。

わかいいとか泣かなくて偉いなとかではなく
とてもても大切にしたい人と思った。

「ルー泣いてないから偉いなでしょ?」

僕に話しかけて来てくれた。

「あなたはだーれ?私はルーだよ」

そうだ、名前を言わないと

「僕はアイリッシュだよ」

「アイ、アイ、アイリチュ」

ちゃんと言えないけど、かわいい…

「アイリッシュ何固まってるの?」

「どう?うちの天使にやられた?」

「おにいちゃま!」

そう言うとルーは2人に駆け寄ってギュウとしている

「おにいちゃま遊んで」

ルー嬢は遊ぼう遊ぼうと2人を急かしている

「アイリチュも」

そんな風におねだりされると

「お嬢様いけませんよ、お兄さま方は忙しいのですよ」

侍女に注意されてしまいシュンとしている

僕としてはもっとルーの側にいたかったから

「いいよ、ルー遊ぼう」

そうすると、彼女の顔はさっきまでシュンとしていたのにパァアと笑顔になって

「アイリチュこっちこっち」

手を繋いで引っ張っている

侍女は申し訳ないといったい感じだったけど
僕のことを王子としてではなく接してくれることに新鮮味を感じていた。

バロッサ家の訪問はあっという間に時間が過ぎてしまってとても楽しかった。

また遊びに行きたいと思えるほどだった

いや、またルーに会いたいと思えた

それから僕は1週間に1回ルーに会いに行った
ほんの少しの時間一緒にお菓子を食べたり
庭を駆け巡ったりして本当に楽しかった。

僕はそんなルーと会えるということを励みに
王太子としての勉強とミーシャ嬢とのお茶会にも励んだ。

今日もバロッサ家に行きルーとお菓子を食べようと思うと

「アイリッシュはうちの天使にメロメロだね」

「本当、本当、僕達よりルーだもんな」

そんな風に双子たちからからかわれてしまった。

けど確かに僕の中では今、優先順位としてはルーが1番であることは変わらない。

だから今日も楽しみにルーとお菓子を食べようとしているとルーから突然

「ねぇねぇアイリチュは王子しゃまなの?
だからねアイリチュしゃまて呼ばないといけないの?」

ルーが今にも泣きそうな顔して僕に聞いてくる

「急にどうしたの」

「あのねアイリチュしゃまは王子しゃまだからルーとは遊んじゃあいけないよて、みんないうの」

「みんなて、誰だい?」

「うーんみんな」

多分周りの貴族やバロッサ家の侍女とかだろうか、僕の楽しい時間を取らないでほしい

けどこのままではいけないと思うこともある。

僕はルーの頭を撫でると

「ルーまた今度遊びに来るから今日は帰るね
今度来る時はお菓子を沢山持って来るよ」

そうすると彼女はパァアと顔を喜ばせて

「絶対だよ」

笑顔になった

やらなくていけない事がある僕は意をけして行くべき所に行くことにした。


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