甘い婚約～王子様は婚約者を甘やかしたい～

初めてのお茶会と王子様

２

私たちはこれからお城で開かれる王妃様主催のお茶会にいくのです。

申し遅れましたが、私はバロッサ家の公爵令嬢のルーチェと申します。今年で７歳になります。

そして双子のお兄さまのフレッドとジョージお兄さまはこの国のアイリッシュ殿下の側近候補でございます。

アイリシュ殿下とは年が一緒の12歳です。

「お父様はすでにお城にいらっしゃるから、そこで合流しましょうね。」

私のお父様はお城で宰相の仕事してる方なんです。

本当は軍の仕事がしたかったのですが、事情があり宰相の仕事をなさっています。
大人の世界の関係は難しいですね。

「さぁ、そろそろお城につきますよ。みなさんちゃんとしてくださいね。」

エマが私たちに声をかけて準備を整えはじめた。
「お嬢様はくれぐれも迷子にならないでくださいね。」
「？」
「うふふ、 エマ心配性ね！大丈夫よ ！ルーも素敵なお友達を見つけましょうね。」
「？」
「奥様…」
「さあお城につきましたよ。エマお留守番お願いね。」
「かしこまりました。行ってらしゃいませ。」

私は今日のお茶会をとても楽しみにしていた。

素敵なお庭に美味しいお菓子、本当はお留守番だったのに、今回特別に連れて来てもらった。

会場のお庭には沢山の貴族の方々がすでに到着していた。

私たちは受付に向かっていると、

「母上、父上がもういらっしゃってます。」

「あら、ほんとだわ」

「旦那様、お待たせいたしました。」

お母様がお父様に話しかけると

「いや、今来たところだよ。
まずは受付をして、王様と王妃様にご挨拶しに行こうね。」

「「はい」」

お兄さまと一緒に返事をしたものなぜ王様がいるのか私にはわからなかった。

王妃様のお茶会なのに？

お父様が受付を済まして帰って来ると、
私たち家族は王族の方へ挨拶に向かうことにした。

その時他の貴族の方々が一斉に私達家族を見た。

そして私のことをまじまじと見ている。

私は恥ずかしくなり下を向いてしまうと

フレッドお兄さまが

「ルー大丈夫だよ」

「多分みんなルーの髪の毛が羨ましいだよ」

「髪の毛？」

今度はジョージお兄さまが

「ルーの髪の毛は凄くきれいだからね」

「それにルーはかわいいから」

私は思わずクスッと笑ってしまい

「お兄さま方はー本当に」

少し笑ってしまった

「ルーは笑顔が１番だね」

私の髪の毛は銀髪に近い白銀である。歴史を学ぶと初代王族は皆白銀だったらしい、私の公爵家にも王族の血筋があるためたまに、白銀の子供が生まれることはあるらしいが、定かではない。

お父様とお母様とお兄さま方は全員黒髪のサファイア色の瞳である。

私の目もみんなと一緒のサファイア色である。
このサファイア色の瞳はバロッサ家由来のものである。