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1、毎日サンタ・月曜日営業所
第14話 よし、急いで帰ろう!
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プレゼントの『配達』は無事に終わり、私達はいそいそと帰り仕度中である。
「ていうかさ、フミ」
よっこいしょ、とそりに乗り、ベルトを締めて手綱を振る。トナカイ達は――レラだけ一足先にトナカイになってたけど――『トナカイ』の姿になって、飛行モードだ。
「どうしました、レディ」
「寒いのか、チビ?」
「違うよね花ちゃん。お腹空いたんでしょ? 一旦稚内まで行ってサイコーマート寄る?」
「こら、レディは私に話しかけたんです。二人共、割り込まないで」
フミが、ふるる、と首を振って鼻を鳴らすと、レラは「ちっ」と舌打ちし、ワッカは「フミは案外心が狭い」などと文句を言い出した。いや、いまのはフミが正しいと思うよ?
「それで、どうしましたか?」
「うん、あのさ、よくよく考えてみたらなんだけど、最初からフミが音を消してくれてたら、大声でしゃべったりしても大丈夫だったんじゃないかな、って」
『どろぼうブーツ』だって履かなくて良かったんじゃないのかな。
するとフミは、「それなんですけど」と言って、こちらを向いた。
「残念ながら、音を消し続けるのは、かなりの力を使いますので、無理なんです。帰る分の力が足りなくなってしまいます。まぁシミュレーションですし、できなくはなかったんですけど。本番を想定して、と言いますか」
「今回はまだ短い方だったけどな。下手したら半日以上かかるようなプレゼントもある。その間ずーっと音を消してたら、こいつ、ぶっ倒れるぞ」
「花ちゃん、僕とフミをね、レラ並みの化け物と一緒にしちゃ駄目だよ。こいつは何時間でも風を抑えたり、好きなように操ったりできるけど、僕らはそうはいかないんだから」
「そうです、レラは別格ですから」
「そうなの!? レラって実はすごいの?!」
「おい、聞き捨てならねぇな。俺はすごいに決まってるだろ!」
見ろ、この立派な角を! と得意気に胸を張ると、首につけた鐘が、からん、と鳴る。
「レラはすぐその角を自慢するけどさ、角が立派ってそんなすごいことなの? ただの飾りじゃないの?」
「んなぁっ!?」
そりゃあ立派なのは認めるけど、私からすれば、だから何、って気がしなくもない。だって、野生のトナカイと違って、その角を使ってケンカしたり雪を掘ってエサを探したりしないじゃん。
何かすんごいショックを受けてるレラには悪いけど、そんな風に思っていると。
「そっか、花ちゃんは知らないのか」
「いままで話したことありませんでしたしね」
と、ワッカとフミは冷静だ。そしてレラもその二人の言葉で「そ、そうだった」と納得したようだった。
「あのね、花ちゃん。僕らの角はね、野生のトナカイとは違って生え変わったりしないんだけどね」
「やっぱり生え変わらないんだ」
「それは、私達の角が、いわゆる『魔法の杖』のようなものだからなんです」
「魔法の杖?」
「僕らが色んな力を使えるのは、この角のおかげなんだ。だから、角が大きければ大きいほど、太くて頑丈であればあるほど、強い力を使えるんだよ」
「ですから、これがぽっきりと折れてしまったりしたら大変なんです。治るまで、何もできません。人の姿になれるだけの普通のトナカイです」
「いや、人の姿になれるだけで十分普通じゃないけどね。でも、えっ、すごくない? レラ、すごいじゃん。へー、そうなんだ。角ってそういうことなんだ! さっきはごめんね、飾りなんて言っちゃって」
すごいすごい、と繰り返すと、さっきまで絶望的な顔をして萎れていたレラは、みるみるうちに得意気になって、ふん、と鼻を鳴らし、ぶるん、と大きく角を振った。急に勢いよくそりが引っ張られ、進み出した。えっ、もう出発?! 動くなら動くって言ってよ。
「ちょ、何?!」
「うるさい。帰るぞ」
「えーっ。サイコーマート寄らないの?!」
「寄るか! とっとと帰って報告書を提出だ」
「それはゆっくりでいいってアドじいが」
「さっさと片付けろ。研修だし、すぐに返信が届く。たぶん、いや、絶対に合格だ。もしかしたら、かなりいい結果が出るかもしれない。そしたら、おやっさんも気合入るだろ」
その言葉で思い出す。
そうか、明日はもう日曜なんだ。アドじいのプレゼント対象者がルミ君から送られてくる日だ。
本物の『毎日サンタ』の仕事だ。
もしかしたらこれが最後の仕事になってしまうかもしれない。だけど、最後になんてしてほしくない。そりゃあアドじいがもうおじいちゃんすぎて働けないっていうなら無理してほしくはないけど。だけど、アドじいは昔言っていたのだ。
「サンタクロースって、この年になってからが本番みたいなところあるからね! ウッキは生涯現役だよ!」
って。
この年から本番って、どんなブラック企業?! って思ったけど、どうやらサンタクロースの寿命は普通の人間よりもめちゃくちゃ長いらしいと知ったのはその後のことだった。何せ、アドじいのお父さんもおじいちゃんもまだまだ現役だし。サンタの世界では、それが普通のことみたい。
だから。
ちょっと売り上げが落ちたくらいで。
トナカイ達を他の営業所に異動させちゃったくらいで。
そんなことでサンタ辞めてほしくないよ!
「よし! 急いで帰ろう!」
「えっ。花ちゃん、サイコーマートは……?!」
「それはまた今度! ワッカ、フミ、いま私めっちゃやる気満々だから!」
えいえいと拳を振り上げると、ワッカとフミは「焚きつけたのはレラだしね」、「私達としても願ったり叶ったりです」と苦笑いしつつも、強く頷いた。
「それでは、しっかり掴まっててくださいね、レディ」
と、フミの声で三頭が一斉に前脚をぐいっと持ち上げる。ざしゅと雪原を蹴って、一気に空へと駆け上がった。
小屋へはあっという間に着いた。
実際の明日萌町と同じ距離を飛ぶとはいえ、北海道だ。ただでさえ距離的に近いところへ、本気モードのトナカイ達である。体感的には五分くらい。ほんとあっという間に着いちゃった。
私を出迎えてくれたアドじいは、思ってた以上に早く帰ってきたことと、私からのSOSがなかったことをものすごく喜んでくれた。頑張ったね頑張ったねと何度も褒めて、お昼ご飯の用意もできてるよ! といそいそテーブルをセッティングし始めた。
それで、私がクリスマスの配達も準備から手伝いたいと申し出ると、てっきり当日の配達にくっついて来るだけだと思っていたらしいアドじいは、うるうると涙ぐんで、「長生きはするものだよぉ」と私のことを、ぎゅう、と抱き締めてくれた。トナカイ達からは、サンタの寿命を考えたらまだまだ『長生き』ではないと突っ込まれていたけど。
それで、だ。
そうなるとやっぱりゆっくりでもいいかなと言っていた報告書だってちゃっちゃと終わらせておかないと、という話になり、お昼ご飯を食べてすぐに取りかかることになった。ルミ君に教えてもらいつつ、トナカイ達にも助けてもらいながらそれを提出したんだけど――、
あっさりと戻って来たその報告書を見て、アドじいが「えぇっ!?」と大声を上げたのである。
「ていうかさ、フミ」
よっこいしょ、とそりに乗り、ベルトを締めて手綱を振る。トナカイ達は――レラだけ一足先にトナカイになってたけど――『トナカイ』の姿になって、飛行モードだ。
「どうしました、レディ」
「寒いのか、チビ?」
「違うよね花ちゃん。お腹空いたんでしょ? 一旦稚内まで行ってサイコーマート寄る?」
「こら、レディは私に話しかけたんです。二人共、割り込まないで」
フミが、ふるる、と首を振って鼻を鳴らすと、レラは「ちっ」と舌打ちし、ワッカは「フミは案外心が狭い」などと文句を言い出した。いや、いまのはフミが正しいと思うよ?
「それで、どうしましたか?」
「うん、あのさ、よくよく考えてみたらなんだけど、最初からフミが音を消してくれてたら、大声でしゃべったりしても大丈夫だったんじゃないかな、って」
『どろぼうブーツ』だって履かなくて良かったんじゃないのかな。
するとフミは、「それなんですけど」と言って、こちらを向いた。
「残念ながら、音を消し続けるのは、かなりの力を使いますので、無理なんです。帰る分の力が足りなくなってしまいます。まぁシミュレーションですし、できなくはなかったんですけど。本番を想定して、と言いますか」
「今回はまだ短い方だったけどな。下手したら半日以上かかるようなプレゼントもある。その間ずーっと音を消してたら、こいつ、ぶっ倒れるぞ」
「花ちゃん、僕とフミをね、レラ並みの化け物と一緒にしちゃ駄目だよ。こいつは何時間でも風を抑えたり、好きなように操ったりできるけど、僕らはそうはいかないんだから」
「そうです、レラは別格ですから」
「そうなの!? レラって実はすごいの?!」
「おい、聞き捨てならねぇな。俺はすごいに決まってるだろ!」
見ろ、この立派な角を! と得意気に胸を張ると、首につけた鐘が、からん、と鳴る。
「レラはすぐその角を自慢するけどさ、角が立派ってそんなすごいことなの? ただの飾りじゃないの?」
「んなぁっ!?」
そりゃあ立派なのは認めるけど、私からすれば、だから何、って気がしなくもない。だって、野生のトナカイと違って、その角を使ってケンカしたり雪を掘ってエサを探したりしないじゃん。
何かすんごいショックを受けてるレラには悪いけど、そんな風に思っていると。
「そっか、花ちゃんは知らないのか」
「いままで話したことありませんでしたしね」
と、ワッカとフミは冷静だ。そしてレラもその二人の言葉で「そ、そうだった」と納得したようだった。
「あのね、花ちゃん。僕らの角はね、野生のトナカイとは違って生え変わったりしないんだけどね」
「やっぱり生え変わらないんだ」
「それは、私達の角が、いわゆる『魔法の杖』のようなものだからなんです」
「魔法の杖?」
「僕らが色んな力を使えるのは、この角のおかげなんだ。だから、角が大きければ大きいほど、太くて頑丈であればあるほど、強い力を使えるんだよ」
「ですから、これがぽっきりと折れてしまったりしたら大変なんです。治るまで、何もできません。人の姿になれるだけの普通のトナカイです」
「いや、人の姿になれるだけで十分普通じゃないけどね。でも、えっ、すごくない? レラ、すごいじゃん。へー、そうなんだ。角ってそういうことなんだ! さっきはごめんね、飾りなんて言っちゃって」
すごいすごい、と繰り返すと、さっきまで絶望的な顔をして萎れていたレラは、みるみるうちに得意気になって、ふん、と鼻を鳴らし、ぶるん、と大きく角を振った。急に勢いよくそりが引っ張られ、進み出した。えっ、もう出発?! 動くなら動くって言ってよ。
「ちょ、何?!」
「うるさい。帰るぞ」
「えーっ。サイコーマート寄らないの?!」
「寄るか! とっとと帰って報告書を提出だ」
「それはゆっくりでいいってアドじいが」
「さっさと片付けろ。研修だし、すぐに返信が届く。たぶん、いや、絶対に合格だ。もしかしたら、かなりいい結果が出るかもしれない。そしたら、おやっさんも気合入るだろ」
その言葉で思い出す。
そうか、明日はもう日曜なんだ。アドじいのプレゼント対象者がルミ君から送られてくる日だ。
本物の『毎日サンタ』の仕事だ。
もしかしたらこれが最後の仕事になってしまうかもしれない。だけど、最後になんてしてほしくない。そりゃあアドじいがもうおじいちゃんすぎて働けないっていうなら無理してほしくはないけど。だけど、アドじいは昔言っていたのだ。
「サンタクロースって、この年になってからが本番みたいなところあるからね! ウッキは生涯現役だよ!」
って。
この年から本番って、どんなブラック企業?! って思ったけど、どうやらサンタクロースの寿命は普通の人間よりもめちゃくちゃ長いらしいと知ったのはその後のことだった。何せ、アドじいのお父さんもおじいちゃんもまだまだ現役だし。サンタの世界では、それが普通のことみたい。
だから。
ちょっと売り上げが落ちたくらいで。
トナカイ達を他の営業所に異動させちゃったくらいで。
そんなことでサンタ辞めてほしくないよ!
「よし! 急いで帰ろう!」
「えっ。花ちゃん、サイコーマートは……?!」
「それはまた今度! ワッカ、フミ、いま私めっちゃやる気満々だから!」
えいえいと拳を振り上げると、ワッカとフミは「焚きつけたのはレラだしね」、「私達としても願ったり叶ったりです」と苦笑いしつつも、強く頷いた。
「それでは、しっかり掴まっててくださいね、レディ」
と、フミの声で三頭が一斉に前脚をぐいっと持ち上げる。ざしゅと雪原を蹴って、一気に空へと駆け上がった。
小屋へはあっという間に着いた。
実際の明日萌町と同じ距離を飛ぶとはいえ、北海道だ。ただでさえ距離的に近いところへ、本気モードのトナカイ達である。体感的には五分くらい。ほんとあっという間に着いちゃった。
私を出迎えてくれたアドじいは、思ってた以上に早く帰ってきたことと、私からのSOSがなかったことをものすごく喜んでくれた。頑張ったね頑張ったねと何度も褒めて、お昼ご飯の用意もできてるよ! といそいそテーブルをセッティングし始めた。
それで、私がクリスマスの配達も準備から手伝いたいと申し出ると、てっきり当日の配達にくっついて来るだけだと思っていたらしいアドじいは、うるうると涙ぐんで、「長生きはするものだよぉ」と私のことを、ぎゅう、と抱き締めてくれた。トナカイ達からは、サンタの寿命を考えたらまだまだ『長生き』ではないと突っ込まれていたけど。
それで、だ。
そうなるとやっぱりゆっくりでもいいかなと言っていた報告書だってちゃっちゃと終わらせておかないと、という話になり、お昼ご飯を食べてすぐに取りかかることになった。ルミ君に教えてもらいつつ、トナカイ達にも助けてもらいながらそれを提出したんだけど――、
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