上 下
12 / 62
本編

12 仕事疲れで病んでるときの話② ※

しおりを挟む
いつものルーティンで、髪や体を洗った後湯に入る。肩まで入って一息ついた後、背後にいる大きな身体に寄りかかった。

「今日もしてくれる?」

珍しい俺からの誘いに、背後の彼は何を思ってるんだろう。きっとあの双眼で、不思議そうに俺を見つめているんだろう。

太ももにクラゲさんの手が伸びた。触れるまでは遠慮がちだったのに、肌に触れた途端、にゅるにゅると足に巻き付いてくる。

いつもは巻き付いてくる透明な触手が、今日は別の動きを見せた。俺のものより3倍くらい太くて大きい触手が、陰茎を根本まで飲み込んでいく。食べられているみたいだ。

「ふぅっ、…んん、……はぁっ、」

クラゲさんの中は温かくて、少しだけうねっている。腰が蕩けそうなくらい、気持ちいい。

息を荒くしてると、触手が乳首に触れて、ぴりっとした。

射精には至らないくらいのゆるゆるした刺激に、悩まし気なため息を漏らす。最初はこの焦らしに気が狂ってしまうんじゃないかと恐れていたが、今ではこのもどかしい感じさえ永遠に続けばいいと思っている。

優しく、優しく包まれて、思考がまとまらない。疲れも相まって、いつもよりどろどろに溶けている気がする。

「はぅ……っ、はぁッ、あぁ……、は……ッ」
「ユーヤ」

じゅぷ、という水音を聞きながら、目を細める。クラゲさんの水の身体に脱力して身じろぐと、顔元に触手が伸びてきた。

蕩けた顔のままそれを見ていると、触手が口元に伸びてくる。何をするのかと思えば、半開きの口から出た唾液を拭っただけだった。

なんだ。口の中に入りたいのかと思ったのに。というか、いつもだったら直ぐに入れてたくせに。

まさか俺の疲れ具合を見て、遠慮しているんだろうか。確かに触手で口をいじられるのは嫌だといったけど、今更気を使われるとそれはそれで腹立つ。

覚束ない仕草で触手を掴む。何も抵抗されないことをいいことにそれを顔に引き寄せると、先端を口に含んだ。その瞬間、背後の存在がぶわりと大きくなる。驚いているのか。ふふん、いつもの意趣返しだ。

「んん……ちゅっ」

調子に乗って、ちょっと奥まで咥えてみる。いつも無理やり入れられてる時ほどの長さは入れられなかったけど、口いっぱいに含むことはできた。

自分から咥えちゃった。なんかどきどきするな。

フェラしてるみたい。したことないけど、多分こんな感じだろう。触手に舌を這わせたら、なんかそれっぽくなった。

ふふ、と吐息を漏らしながら舌で透明の肌を愛撫していると、先程から身体を膨らませているクラゲさんが動き出した。口に入っている触手を少し抜いたあと、先程よりも深い場所に挿入される。喉を鳴らしながらそれに耐えた。

「んぐっ……!」

自分の唾液が口端から漏れた。少し苦しいけど、いつもと比べれば全然マシだ。

「んん~~~っ、や、やあっ、むぐ……んううっ、ふっ、ふっ、はぁ……、」

口の中のそれは形を変えながら、喉を撫でていく。ずる、と抜かれて、また奥に入れられる。ぞくりと背筋が粟立った。いつもは苦しいとしか思えないのに、なのに……気持ちいい、かも。

クラゲさんに食べられたちんこが熱い。口の中の触手が、上顎に身体を押し付けながら侵入してくる。さらに高ぶっていく身体が、絶頂を予感させた。乳首がキュッと掴まれて、息が止まる。

「───あ、ふあああっ」

びくんと身体が脈打って、目の前がちかちかする。口を開けて喘ぐと、触手が口を塞いだ。

快楽の逃げ場を奪った触手を大人しく咥えたまま、体を震わせる。絶頂に浸る俺を、金の目が凝視していた。

ぐちゅりと嫌な音を立てて、触手が喉に入ってくる。咳き込みそうなのを耐えて、俺は目を閉じた。暗闇の中で、喉に差し込まれたそれの感触に意識を集中させる。

ひとしきり快楽の波が引いて、体から力が抜けた。だらんと首の力を抜いて触手から口を離そうとすると、透明な水飴は名残惜しそうに抜けていった。咳をしながら喉にあるものを吐き出す。

どこか残念そうに長い手をくるくる巻き始めたクラゲさんに、ゆるりと笑う。

「ざぁんねん。体液を飲ませようとしてたみたいだけど、俺は絶対飲まないよ」

ぎくりと固まったクラゲさんに、笑いが込み上げてくる。流れに乗じて、前々から俺に飲ませたがっている体液を喉に出してたらしい。油断も隙もないやつだ。

でも、そういうところも好きだよ。






正直、あの日は疲れのせいで変なテンションになっていた。
あの日のクラゲさんが、いつもよりえろい俺に戸惑っていたようだが、何だかんだでたくさんエッチなことできてラッキー、なんて思っていたなんて知らなかった。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

神官、触手育成の神託を受ける

彩月野生
BL
神官ルネリクスはある時、神託を受け、密かに触手と交わり快楽を貪るようになるが、傭兵上がりの屈強な将軍アロルフに見つかり、弱味を握られてしまい、彼と肉体関係を持つようになり、苦悩と悦楽の日々を過ごすようになる。 (誤字脱字報告不要)

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

上司と俺のSM関係

雫@更新不定期です
BL
タイトルの通りです。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ヤンデレBL作品集

みるきぃ
BL
主にヤンデレ攻めを中心としたBL作品集となっています。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。

山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。 お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。 サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。

双葉病院小児病棟

moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。 病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。 この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。 すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。 メンタル面のケアも大事になってくる。 当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。 親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。 【集中して治療をして早く治す】 それがこの病院のモットーです。 ※この物語はフィクションです。 実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。

処理中です...