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本編
8 ふろそうじ
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風呂場に住み着いたクラゲ(?)を追い出そうにも追い出せず、結局彼と同居することになってしまった。家に自分以外の誰かが常に居るというのは久しぶりだ。
「はい、これ」
「?」
それはそうとして、働かざる者食うべからず。
柄付きスポンジにブラシと洗剤をバケツに入れてまとめて差し出すと、人畜無害そうな金色の目がきょとんとした。
「お風呂の掃除道具です。ここに住むからには、毎日掃除してもらいます!」
「…………」
差し出したバケツを受け取ろうともせず、クラゲさんは沈黙している。掃除が嫌なのだろうか。いや、単純に、道具の使い方がわからないだけかも。
しょうが無いなぁと、バケツからブラシと洗剤を取り出して、これはこうしてと教えてあげる。
あ、洗剤ってクラゲさんの身体と相性悪かったりするんだろうか。クラゲさんが洗剤に触れた途端、その透明な身体が溶け出したりして。液体と混ざりやすそうだから、同じ液体である洗剤と何らかの反応を起こしてもおかしくない。
むむむと考え込んでると、右肩をクラゲさんに叩かれた。
「ん?なに?」
俺がクラゲさんの方に顔を向けたのを確認すると、クラゲさんが水飴のように伸びた手を浴室の壁や天井にこすりつけだした。暫くしてクラゲさんの触手がそこから離れると、擦られた後の壁がぴっかぴかになっていた。歯ブラシを使っても取れなかった溝のカビや、細かい汚れも全部まっさらになっている。
「えっ、すごい!クラゲさん、こんなこともできるんだ!」
どこか得意げにしてるクラゲさんを、すごいすごいと撫でた。クラゲさんの体越しに浴槽の中をよく見てみると、ここ数日クラゲさんを入れっぱなしにしておいたにも関わらず、ぴかぴかしているように見える。
「でも、クラゲさんの身体が汚れるんじゃないの?」
ふるふると首を振られる。確かに、その水の身体は少しも濁っていないけど。
……でも確かに、俺、クラゲさんの中で何度も出しちゃってるんだよな…………してるっていうか、させられてるんだけど。いっつも気づいたときには精液が消えてるから、クラゲさんの身体が……分解、というか、消化してたりするんだろうか。
…………。深く考えるのはやめておこっと。
というわけで、クラゲさんが来てからは風呂掃除する必要がなくなり、とても楽になった。排水溝に溜まっていた髪の毛まで溶かそうと(掃除しようと)していたのは流石に止めてほしかったので、排水溝の掃除だけは俺がしている。向こうとしては全然気にしていないみたいだけど、俺の精神衛生上的にやめてほしい。
あ、こら!変態臭いから髪の毛食べるのやめろ!
「はい、これ」
「?」
それはそうとして、働かざる者食うべからず。
柄付きスポンジにブラシと洗剤をバケツに入れてまとめて差し出すと、人畜無害そうな金色の目がきょとんとした。
「お風呂の掃除道具です。ここに住むからには、毎日掃除してもらいます!」
「…………」
差し出したバケツを受け取ろうともせず、クラゲさんは沈黙している。掃除が嫌なのだろうか。いや、単純に、道具の使い方がわからないだけかも。
しょうが無いなぁと、バケツからブラシと洗剤を取り出して、これはこうしてと教えてあげる。
あ、洗剤ってクラゲさんの身体と相性悪かったりするんだろうか。クラゲさんが洗剤に触れた途端、その透明な身体が溶け出したりして。液体と混ざりやすそうだから、同じ液体である洗剤と何らかの反応を起こしてもおかしくない。
むむむと考え込んでると、右肩をクラゲさんに叩かれた。
「ん?なに?」
俺がクラゲさんの方に顔を向けたのを確認すると、クラゲさんが水飴のように伸びた手を浴室の壁や天井にこすりつけだした。暫くしてクラゲさんの触手がそこから離れると、擦られた後の壁がぴっかぴかになっていた。歯ブラシを使っても取れなかった溝のカビや、細かい汚れも全部まっさらになっている。
「えっ、すごい!クラゲさん、こんなこともできるんだ!」
どこか得意げにしてるクラゲさんを、すごいすごいと撫でた。クラゲさんの体越しに浴槽の中をよく見てみると、ここ数日クラゲさんを入れっぱなしにしておいたにも関わらず、ぴかぴかしているように見える。
「でも、クラゲさんの身体が汚れるんじゃないの?」
ふるふると首を振られる。確かに、その水の身体は少しも濁っていないけど。
……でも確かに、俺、クラゲさんの中で何度も出しちゃってるんだよな…………してるっていうか、させられてるんだけど。いっつも気づいたときには精液が消えてるから、クラゲさんの身体が……分解、というか、消化してたりするんだろうか。
…………。深く考えるのはやめておこっと。
というわけで、クラゲさんが来てからは風呂掃除する必要がなくなり、とても楽になった。排水溝に溜まっていた髪の毛まで溶かそうと(掃除しようと)していたのは流石に止めてほしかったので、排水溝の掃除だけは俺がしている。向こうとしては全然気にしていないみたいだけど、俺の精神衛生上的にやめてほしい。
あ、こら!変態臭いから髪の毛食べるのやめろ!
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