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22 嫉妬
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大輝に告白された挙げ句、ちゅーをされてしまった。そして、自分の気持ちを整理した結果相思相愛だったことが判明した。
あの日の次の日、大輝はすっかりいつもの調子に戻っていた。前日ことを覚えているのか今のところわかっていないけど、大輝の体調が良くなったのはとても喜ばしい。心底ほっとした。もう二度と彼には倒れてほしくない。
……キスしたこととか、覚えているのかなあ。平然と一緒にお風呂に入ったりしてるから、忘れてそうな気もするんだけど。ああ、そういえば、あの次の日のお風呂は身体のあちこちに痣を作っていることがバレて怒られたんだっけ。奥さんに手当はされていたものの、しばらく治らなかったなぁ。
怒涛のことに忘れそうになっていたけど、そろそろ使命のことを何とかしないと。
あと、みきちゃんの想いを知っているからちょっときまりが悪いし。よくよく考えたら、将来大輝が彼女と付き合う可能性もなくはないから……え、俺たちって恋のライバルってわけ!?
だって、そうだよねいくら彼が俺の事好きって言ったとしても、いつか変わるかもしれないし。それに、猫である俺よりも人間であるみきちゃんのほうがよっぽど現実的だし。
……なにがどうあれ、使命はちゃんと果たさないとな。そうしないと俺も自由に喋れないし。
「とらまるー、何処にいるの?……ああ、そこに居たんだ」
ちゃぶ台に顎を載せてごろごろしていたら、大輝が部屋に入ってきた。彼は俺を見るなり近づいてくると、俺のすぐ後ろに腰を下ろす。
え、どうしたんだろう。
動いていいのかわからなくてじっとしていると、髪に櫛を通された。
「だいき?」
「新しくとらまるに櫛を買ってみたんだ。猫のときに使っていたブラシはもう使えないし」
赤い櫛を見せてくれる。金色で百合の花がおしゃれな感じで描かれている櫛だった。首輪の色も赤だったし、大輝は赤が好きなのかもしれない。
「きみ、髪の毛がふわふわだから朝の寝癖すごいんだよね。もっと早く買えばよかったなー」
再び髪を梳かれ始める。時々肌に大輝の手が当たってくすぐったい。
でも、なんかこれ、大輝に撫でられているみたいで気持ちいいなあ。
優しい手付きに口をだらしなく緩めてテーブルに溶けていると、縁側の方から誰かの声が聞こえてきた。この声は……みきちゃん?
「大輝くん!とらまるに会いに来たよー」
ビニール袋を片手に持ったみきちゃんが、庭からこちらに手を降っている。俺が手を振替している間に、大輝は慌てたように彼女のもとに向かった。この様子だと、みきちゃんが今日来ることを知らなかったらしい。俺もそんな話聞いてないし、おそらくみきちゃんが事前連絡無しに来たのだろう。
「みきちゃん?いらっしゃい。突然だからびっくりしたよ」
「ごめんね!でも、大輝お兄ちゃん、この前は風邪で倒れたって聞いたから心配になっちゃったの。もう大丈夫なの?」
「うん。もうすっかりね。心配させてごめんよ」
「いえいえ!これ、お見舞いに持ってきたお菓子だよ」
みきちゃんがビニール袋を大輝に渡す。おいおい、すっかりデキる女じゃないか。もしかして俺よりも気が利く……?
「それと、あそこにいる人は友達?見たことない人だけど、だあれ?学校の友達?」
「あー、彼は……えっと」
自分のことを言われていることに気づいて、背筋を伸ばす。
彼女からしたら俺とは初対面だ。怖がらせないようになるべく顔に笑みを浮かべる。年上の男って女の子からしたら脅威だからな。
あの日の次の日、大輝はすっかりいつもの調子に戻っていた。前日ことを覚えているのか今のところわかっていないけど、大輝の体調が良くなったのはとても喜ばしい。心底ほっとした。もう二度と彼には倒れてほしくない。
……キスしたこととか、覚えているのかなあ。平然と一緒にお風呂に入ったりしてるから、忘れてそうな気もするんだけど。ああ、そういえば、あの次の日のお風呂は身体のあちこちに痣を作っていることがバレて怒られたんだっけ。奥さんに手当はされていたものの、しばらく治らなかったなぁ。
怒涛のことに忘れそうになっていたけど、そろそろ使命のことを何とかしないと。
あと、みきちゃんの想いを知っているからちょっときまりが悪いし。よくよく考えたら、将来大輝が彼女と付き合う可能性もなくはないから……え、俺たちって恋のライバルってわけ!?
だって、そうだよねいくら彼が俺の事好きって言ったとしても、いつか変わるかもしれないし。それに、猫である俺よりも人間であるみきちゃんのほうがよっぽど現実的だし。
……なにがどうあれ、使命はちゃんと果たさないとな。そうしないと俺も自由に喋れないし。
「とらまるー、何処にいるの?……ああ、そこに居たんだ」
ちゃぶ台に顎を載せてごろごろしていたら、大輝が部屋に入ってきた。彼は俺を見るなり近づいてくると、俺のすぐ後ろに腰を下ろす。
え、どうしたんだろう。
動いていいのかわからなくてじっとしていると、髪に櫛を通された。
「だいき?」
「新しくとらまるに櫛を買ってみたんだ。猫のときに使っていたブラシはもう使えないし」
赤い櫛を見せてくれる。金色で百合の花がおしゃれな感じで描かれている櫛だった。首輪の色も赤だったし、大輝は赤が好きなのかもしれない。
「きみ、髪の毛がふわふわだから朝の寝癖すごいんだよね。もっと早く買えばよかったなー」
再び髪を梳かれ始める。時々肌に大輝の手が当たってくすぐったい。
でも、なんかこれ、大輝に撫でられているみたいで気持ちいいなあ。
優しい手付きに口をだらしなく緩めてテーブルに溶けていると、縁側の方から誰かの声が聞こえてきた。この声は……みきちゃん?
「大輝くん!とらまるに会いに来たよー」
ビニール袋を片手に持ったみきちゃんが、庭からこちらに手を降っている。俺が手を振替している間に、大輝は慌てたように彼女のもとに向かった。この様子だと、みきちゃんが今日来ることを知らなかったらしい。俺もそんな話聞いてないし、おそらくみきちゃんが事前連絡無しに来たのだろう。
「みきちゃん?いらっしゃい。突然だからびっくりしたよ」
「ごめんね!でも、大輝お兄ちゃん、この前は風邪で倒れたって聞いたから心配になっちゃったの。もう大丈夫なの?」
「うん。もうすっかりね。心配させてごめんよ」
「いえいえ!これ、お見舞いに持ってきたお菓子だよ」
みきちゃんがビニール袋を大輝に渡す。おいおい、すっかりデキる女じゃないか。もしかして俺よりも気が利く……?
「それと、あそこにいる人は友達?見たことない人だけど、だあれ?学校の友達?」
「あー、彼は……えっと」
自分のことを言われていることに気づいて、背筋を伸ばす。
彼女からしたら俺とは初対面だ。怖がらせないようになるべく顔に笑みを浮かべる。年上の男って女の子からしたら脅威だからな。
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