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プロローグ R-18

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涙に濡れた目が、飴玉のようにきらきらしていた。

眼の前で俺に組み敷かれている少年は、飴玉のように甘そうな目でこちらを見上げている。水色のきれいな瞳から、かわいそうなくらいぽろぽろと透明な雫が溢れていた。白い肌をなぞるように滑り落ちるそれが、やけに美味しそうに見えた。

(───舐めたい)

そんな欲望を抑えて、下半身の熱い蠢きに意識を集中させる。

下半身──彼の中に挿れているそこは、今にも暴発してしまいそうなくらい気持ちがいい。俺が腰を動かさなくても、少年の中はうねりながら絡みついてくる。奥に欲しい、と誘われているようだ。

こんなに気持ちいいのは初めてで、正直、今の俺は平静じゃない。あまりの快楽に脳の奥が痺れて、ふわふわしている。今は、目の前の少年以外のことを考えることができなかった。

水色の彼の両手首を一層強く掴みながら腰を動かせば、ぞわぞわしたものが全身を走る。少年の目からますます涙が溢れ出てきた。

泣いているものの、やはり相手も気持ちよくなってくれているらしい。動く度に中がきゅうと締まって、思わず悩まし気な吐息が漏れる。

気持ちいいことにすっかり感じ入る俺を見て、不意に少年が俺の手に爪を立てた。

「やら……、ばか、ばかぁ…ッ、そこばっか、や……っ」

快楽に濡れた声が、俺を非難する。それを無視して、今度は強めに腰を打ち付けた。

「……すご…、ははっ、イヤイヤって言ってるくせに、身体は気持ちいいって言ってるみたいだけど?」

悪役らしいセリフを言いながら、口の端を上げて相手を見下ろす。煽るような俺の言葉に、少年の頬が赤みが増していく。それを見ながら、何度も何度も少年の中をえぐった。

ぱん、と肌がぶつかり合う音が辺りに響いている。

「んううっ、やめ、とまって……!ばか、あ、ぁああっ、んんぅっ、ふぁあっ、ああ」

眼の前の男が身体をよじりながら、涙声で悪態をつく。腰を引いて中に入れた俺のものを途中まで抜くと、瞳が強く閉じられて大きな涙が頬を伝っていった。

「馬鹿はお前だろ。……はははっ、俺のことあんなに信用しちゃってさぁ……お前みたいな落ちこぼれに、俺のような上級貴族のお友達ができるわけ無いじゃん。ばぁーか」

勝手に口からそんな言葉が出てきた。我ながら酷いものだけど……、まあ、物語通りの展開に持っていくなら丁度いいのかもしれない。

だから、そのまま俺を嫌ってくれ。原作通り、俺のことを憎んでくれていいから。

「う、うう……っ、あ、……レオン……っ」

絞り出すような声に、目を細める。

震える手が俺の腕を掴んだ。快楽からなのか、その手には全く力が籠もっていない。抵抗のつもりなのだろうか?

妨害にもならないようなそれを無視して、腕を腰にまわしてやる!再び抱え上げれば、中に入ったものの角度が変わって、悲鳴にも似た甲高い喘ぎ声が聞こえてきた。

胸の中に捉えた男の顔は真っ赤で、汗に濡れた肌は艶めかしい。

中は信じられないくらい気持ちよくて、頭がおかしくなりそうで。

なのに、俺がやっていることといえば、何よりも最低なことで。

(───くそ、どうして思い通りにいかないんだろう)

生々しい性交の音を立てながら腰を打ち付ける。気が遠くなりそうなほどの快感。ピンクに染まった思考の隅で、捨てきることができなかった罪悪感が少しずつ大きくなっていくのを感じた。

……俺は普通にこいつと友達になりたかったのに、どうしてこうなったんだ?



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