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ハロウィンの日※
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起きると、希望さんがコーヒーを淹れてくれていた。
「おはよう。
先に起きたから勝手にいろいろ作っちゃったよ。」
トーストにサラダに
うちの冷蔵庫の中身だけで、こんなに美味しそうな朝食ができるんだと感心してしまう。
そのまま、朝食を取ったからシャワーを浴びる。
希望さんは、これから一度家に戻って会社。
私は、今日は配信者のイベントで日本一怖いお化け屋敷で収録があった。
お互いに慌ただしく準備をして、それぞれの仕事に向かう。
「今日、ホラー配信なの?」
準備をしながら希望さんが興味深々の様子だ。
「事務所主催の撮影で、私以外にも他の有名な方もいらっしゃるそうですよ。」
事務所からの迎えが来る前に、希望さんが帰って行く。
私も急いで荷物を用意した。
事務所からLINEが入り、近所のコンビニの前にいるとのことなので、身支度を整えてコンビニに向かった。
「おはようございます!」
私が声をかけると、私と同じ歳くらいのスーツ姿の男性が
「おはようございます。」とあいさつしてくれた。
事務所に入社したばかりで、マネージャー希望らしい。
ロケ地までの長い道中は、会話が絶えなかった。
途中のサービスエリアで、30cmあるソフトクリームを食べてみたり
お土産を見たり
「希望さんに、何買おうかな?」
食べ物の方がいいのかな?
なんて思いながら、地域限定のクッキーを選んだ。
目的地の遊園地に到着すると、既に他の参加者が集まっていた。
私以外には、有名配信者で私より少し年上の
ゆんさん。
小学生の配信者の、まりなちゃん。
イケメン配信者として有名な、ゆー君もいた。
お化け屋敷に心拍数を測定できる時計を付けて入り、1番怖がりな人には罰ゲームがある。
その罰ゲームは…
ひとりで、高さ50メートルある透明の橋を渡るというもの。
命綱はあるものの、左右の柵もない。
大丈夫なのか?
私…
スタッフ専用口から、中に通された私達は
早速、お化け屋敷に着いた。
人数が少ないので4人一緒に行くことになり、カメラマンも同行することになった。
オープニングの撮影から、ルール説明があって
みんなでまるで初めて聞いたかのように大騒ぎする。
専用の腕時計が配布されて、お化け屋敷の前まで歩いて行く。
「ゆー君、前行こうよ。」
ゆんさんが、ゆー君を前に出そうとする。
「いやいや、女性の皆様どうぞ。」
みんな本当は怖いらしい。
病院を舞台にしているお化け屋敷で、入るとすぐに、黒いナース服のスタッフに診察室に案内された。
そこで、この病院の秘密の人体実験の話やら院長の怖い話の動画を見てから歩いて周るらしい。
すでに、手術シーンあたりでまりなちゃんが泣きそうになっている。
隣にいた私の腕にガッチリしがみついているあたり、本気で怖いのだと伝わって来る。
いよいよ中を見て歩くことになったのだけど、
元々ホラー耐性がないらしくて、まりなちゃんが泣き出してしまった。
「大丈夫?おんぶしようか?」
「ゆー君優しい~。
私もおんぶ~。」
ゆんさんは、まだ人をからかう余裕があるらしい。
「ゆんは、重量オーバー」
「ひっど~い!!!」
たまにコラボ配信もするらしく、本当に仲良しのようだ。
私は、とりあえずはぐれないように着いて歩く。
道は決まっているんだと思うけど、迷子になりそうなくらいに入り組んでいて、まわりからは薬品の匂いがぷんぷんする。
あちこちから、患者や医者の格好をしたゾンビが追いかけて来て、お互いもみくちゃになりながら逃げ回る。
クライマックスの霊安室では、大量のゾンビに追いかけまわされて、約30分ずっと逃げ回ってようやく出口に到着した。
出口には、マネージャーが待機していて
みんなの腕時計を回収する。
そして…
最下位は…
まりなちゃん。
高い場所も苦手らしくて、さらに泣き出してしまう。
「まりなちゃん。
このおにいちゃんに橋は渡ってもらおう。」
ゆんさんがとんでもない提案をする。
「大丈夫…。
私行けるから。」
足がガクガク震えているのに、まりなちゃんはがんばろうとしていた。
「ちょっといいですか?」
ゆー君が発言する
「みんなの意見が聞きたいです。
流石に今回の罰ゲームは、まりなちゃんには可哀想かと思うので皆様全員で橋を渡りませんか?」
その意見に反対は誰もしなかった。
視聴者様からも賛成意見が多数。
結局、参加メンバーみんなで橋を渡った。
その間に、感動した視聴者様からのギフトでサイトはすごいことになっていた。
「僕、後ろ向きでカメラ構えながらなんて聞いてないですよ~!!!」
カメラマンさんが、今度は泣きそうになっていた。
カメラがいない時間に、みんなでご飯タイム。
「今日、本当は来たくなかったけど来てよかった。」
まりなちゃんの言葉に感動した。
怖いのも高い場所も苦手だけど、配信のお仕事だから頑張って参加していたらしい。
ゆー君のナイスフォローにより、まりなちゃんにとっても忘れられない宝物ができた。
今度は事務所の仕事じゃなくても何かイベントをやろう。
ということになった。
帰る頃にはすっかり真っ暗になっている。
なんだか私もいろいろ楽しかったな…。
世間は、ハロウィンモード
私はすっかり帰りの車の中で眠っていた。
「おはよう。
先に起きたから勝手にいろいろ作っちゃったよ。」
トーストにサラダに
うちの冷蔵庫の中身だけで、こんなに美味しそうな朝食ができるんだと感心してしまう。
そのまま、朝食を取ったからシャワーを浴びる。
希望さんは、これから一度家に戻って会社。
私は、今日は配信者のイベントで日本一怖いお化け屋敷で収録があった。
お互いに慌ただしく準備をして、それぞれの仕事に向かう。
「今日、ホラー配信なの?」
準備をしながら希望さんが興味深々の様子だ。
「事務所主催の撮影で、私以外にも他の有名な方もいらっしゃるそうですよ。」
事務所からの迎えが来る前に、希望さんが帰って行く。
私も急いで荷物を用意した。
事務所からLINEが入り、近所のコンビニの前にいるとのことなので、身支度を整えてコンビニに向かった。
「おはようございます!」
私が声をかけると、私と同じ歳くらいのスーツ姿の男性が
「おはようございます。」とあいさつしてくれた。
事務所に入社したばかりで、マネージャー希望らしい。
ロケ地までの長い道中は、会話が絶えなかった。
途中のサービスエリアで、30cmあるソフトクリームを食べてみたり
お土産を見たり
「希望さんに、何買おうかな?」
食べ物の方がいいのかな?
なんて思いながら、地域限定のクッキーを選んだ。
目的地の遊園地に到着すると、既に他の参加者が集まっていた。
私以外には、有名配信者で私より少し年上の
ゆんさん。
小学生の配信者の、まりなちゃん。
イケメン配信者として有名な、ゆー君もいた。
お化け屋敷に心拍数を測定できる時計を付けて入り、1番怖がりな人には罰ゲームがある。
その罰ゲームは…
ひとりで、高さ50メートルある透明の橋を渡るというもの。
命綱はあるものの、左右の柵もない。
大丈夫なのか?
私…
スタッフ専用口から、中に通された私達は
早速、お化け屋敷に着いた。
人数が少ないので4人一緒に行くことになり、カメラマンも同行することになった。
オープニングの撮影から、ルール説明があって
みんなでまるで初めて聞いたかのように大騒ぎする。
専用の腕時計が配布されて、お化け屋敷の前まで歩いて行く。
「ゆー君、前行こうよ。」
ゆんさんが、ゆー君を前に出そうとする。
「いやいや、女性の皆様どうぞ。」
みんな本当は怖いらしい。
病院を舞台にしているお化け屋敷で、入るとすぐに、黒いナース服のスタッフに診察室に案内された。
そこで、この病院の秘密の人体実験の話やら院長の怖い話の動画を見てから歩いて周るらしい。
すでに、手術シーンあたりでまりなちゃんが泣きそうになっている。
隣にいた私の腕にガッチリしがみついているあたり、本気で怖いのだと伝わって来る。
いよいよ中を見て歩くことになったのだけど、
元々ホラー耐性がないらしくて、まりなちゃんが泣き出してしまった。
「大丈夫?おんぶしようか?」
「ゆー君優しい~。
私もおんぶ~。」
ゆんさんは、まだ人をからかう余裕があるらしい。
「ゆんは、重量オーバー」
「ひっど~い!!!」
たまにコラボ配信もするらしく、本当に仲良しのようだ。
私は、とりあえずはぐれないように着いて歩く。
道は決まっているんだと思うけど、迷子になりそうなくらいに入り組んでいて、まわりからは薬品の匂いがぷんぷんする。
あちこちから、患者や医者の格好をしたゾンビが追いかけて来て、お互いもみくちゃになりながら逃げ回る。
クライマックスの霊安室では、大量のゾンビに追いかけまわされて、約30分ずっと逃げ回ってようやく出口に到着した。
出口には、マネージャーが待機していて
みんなの腕時計を回収する。
そして…
最下位は…
まりなちゃん。
高い場所も苦手らしくて、さらに泣き出してしまう。
「まりなちゃん。
このおにいちゃんに橋は渡ってもらおう。」
ゆんさんがとんでもない提案をする。
「大丈夫…。
私行けるから。」
足がガクガク震えているのに、まりなちゃんはがんばろうとしていた。
「ちょっといいですか?」
ゆー君が発言する
「みんなの意見が聞きたいです。
流石に今回の罰ゲームは、まりなちゃんには可哀想かと思うので皆様全員で橋を渡りませんか?」
その意見に反対は誰もしなかった。
視聴者様からも賛成意見が多数。
結局、参加メンバーみんなで橋を渡った。
その間に、感動した視聴者様からのギフトでサイトはすごいことになっていた。
「僕、後ろ向きでカメラ構えながらなんて聞いてないですよ~!!!」
カメラマンさんが、今度は泣きそうになっていた。
カメラがいない時間に、みんなでご飯タイム。
「今日、本当は来たくなかったけど来てよかった。」
まりなちゃんの言葉に感動した。
怖いのも高い場所も苦手だけど、配信のお仕事だから頑張って参加していたらしい。
ゆー君のナイスフォローにより、まりなちゃんにとっても忘れられない宝物ができた。
今度は事務所の仕事じゃなくても何かイベントをやろう。
ということになった。
帰る頃にはすっかり真っ暗になっている。
なんだか私もいろいろ楽しかったな…。
世間は、ハロウィンモード
私はすっかり帰りの車の中で眠っていた。
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