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神々に魅入られし淑女《タイムレス ラヴ》
グッバイフォルテ《Dead is equal》22
しおりを挟む朝、駒井さんの携帯でアラームが鳴り目がさめる。
タイマーのストーブで暖かくなった部屋に、カーテンの隙間から薄っすらと青い光が差し込む。
「ん…」と声に出しながらもぞもぞとアラームを止めようとする駒井さんに、ちゃんととなりに居てくれてるんだと安心しながら温もりを感じる。
「沙織ちゃん…朝だよ」
まだ眠いままの駒井さんの声で名前を呼ばれる。
「んー…」
と私も眠いまま返事をして寝返りをうつ。
10cmぐらい先に駒井さんの顔があって自然とにやける。
駒井さんは寝顔がとてもかわいい。
普段はかっこいいのに寝顔、寝起き顔の無防備さはもう子供のようだ。
「あと20分ごろごろしよ」
たどたどしく目を閉じたままそう言う駒井さんは、布団の中で私の手を握ってほっと息をついた。
…寝起きのこの時間は、幸せな二人だけの時間…
_ドドドドッ…
突然、階段をものすごい勢いで上る足音が聞こえた。
こんな朝早くからすごい音をたてる誰かに少しだけイラッとする。
駒井さんも「うっせぇな…」と寝起きで口調の荒いままそう呟いた。
_ガチャッ
部屋のドアが開いて廊下から涼しい風が頬を流れる。
「春憂、ご飯だよ」
…もう何度か耳にした沙希さんの声が駒井さんの名を呼んだ。
ドアを開けたのみならず、ベットの方まで近寄ってくる。
「春憂」
もう一度呼ばれたその名前に「んー…行くから出てって」と駒井さんも答えた。
「そんなこと言って起きないでしょ。」
そう言って彼女は布団をひっぺがした。
いくらストーブをつけてるとは言え、突然身体にかかる重さが消え閉じ込めて居た暖かい空気が逃げていき身体がぶるっと震えた。
「え…」
彼女と目があって、彼女は固まる。
…駒井さんは突然剥がされた布団に機嫌が悪そうに小さく身体をまるめた。
____________________________
作者から
本日2/28でウェブコンテンツ大賞 恋愛部門が終了します!
今日で最後です
まだ投票して居ない方で投票数が残っている方、よければ投票お願いします!
また1ヶ月間
毎日2回更新にお付き合いいただきありがとうございました!
お気に入りも80人ほど増え、誤字訂正コメントを頂く機会も増えました。
今日で大賞は終わりますが、今後とも作品・作者共々よろしくお願いします
2018/2/28
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タイマーのストーブで暖かくなった部屋に、カーテンの隙間から薄っすらと青い光が差し込む。
「ん…」と声に出しながらもぞもぞとアラームを止めようとする駒井さんに、ちゃんととなりに居てくれてるんだと安心しながら温もりを感じる。
「沙織ちゃん…朝だよ」
まだ眠いままの駒井さんの声で名前を呼ばれる。
「んー…」
と私も眠いまま返事をして寝返りをうつ。
10cmぐらい先に駒井さんの顔があって自然とにやける。
駒井さんは寝顔がとてもかわいい。
普段はかっこいいのに寝顔、寝起き顔の無防備さはもう子供のようだ。
「あと20分ごろごろしよ」
たどたどしく目を閉じたままそう言う駒井さんは、布団の中で私の手を握ってほっと息をついた。
…寝起きのこの時間は、幸せな二人だけの時間…
_ドドドドッ…
突然、階段をものすごい勢いで上る足音が聞こえた。
こんな朝早くからすごい音をたてる誰かに少しだけイラッとする。
駒井さんも「うっせぇな…」と寝起きで口調の荒いままそう呟いた。
_ガチャッ
部屋のドアが開いて廊下から涼しい風が頬を流れる。
「春憂、ご飯だよ」
…もう何度か耳にした沙希さんの声が駒井さんの名を呼んだ。
ドアを開けたのみならず、ベットの方まで近寄ってくる。
「春憂」
もう一度呼ばれたその名前に「んー…行くから出てって」と駒井さんも答えた。
「そんなこと言って起きないでしょ。」
そう言って彼女は布団をひっぺがした。
いくらストーブをつけてるとは言え、突然身体にかかる重さが消え閉じ込めて居た暖かい空気が逃げていき身体がぶるっと震えた。
「え…」
彼女と目があって、彼女は固まる。
…駒井さんは突然剥がされた布団に機嫌が悪そうに小さく身体をまるめた。
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作者から
本日2/28でウェブコンテンツ大賞 恋愛部門が終了します!
今日で最後です
まだ投票して居ない方で投票数が残っている方、よければ投票お願いします!
また1ヶ月間
毎日2回更新にお付き合いいただきありがとうございました!
お気に入りも80人ほど増え、誤字訂正コメントを頂く機会も増えました。
今日で大賞は終わりますが、今後とも作品・作者共々よろしくお願いします
2018/2/28
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