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神々に魅入られし淑女《タイムレス ラヴ》
グッバイフォルテ《Dead is equal》11
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「いい反応だ。ようやく私好みの従順な雌犬になってきたようだな」
チャップは満足気に二撫で目の指先を構えている。
たったそれだけなのに、今のロナにはそれが銃口を突きつけられるよりも恐怖を抱く光景だった。
(今のは……一体……!?)
強烈な刺激に肩で息するロナの思考はフワフワと纏まらない。
それでもこれがヤバいことだけは判る。
あんな刺激を何度も貰ったら、流石のロナも……耐えられない。
「最初に会った時からだ」
恐怖に染まるロナの顔を覗き込んで、チャップはそう口をついた。
「貴様がセブントリガーからCIAの副長官、FBIの叩き上げとして副所長に任命され、初めて顔を合わせた時だ。貴様は私のことを見るや否や見下すような視線を浴びせてきた。確かに我らは水面下では敵対する立場だから仕方ないことだが、あの侮蔑の入り混じった視線を向けられた時、私は決意したのだ。『いつか貴様を私の奴隷にして、死ぬまで奉仕させてやる』とな」
目前に迫った目標を前に荒れるチャップの呼吸が両耳を陵辱し、その聴きたくもない粘着質で淫靡な水音に、まともな思考がどんどん奪われる。
今では欠片ほどしか残っていない理性がそれでも必死に抵抗しようと試みてはいるものの、少女の力では数百という手々達には敵うはずもなく、寧ろ肉体が刺激を感じやすい体位にどんどん固定されていく。
「ひゃうっっっ~~~!!!」
いきなり首筋を触手に愛撫され、その想定外の相手に思わずロナ自身もびっくりするような声を上げてしまう。
思わぬ形で見せてしまった弱みに、触手達が喜びを露わにする。
さっきまでは拘束しかしてこなかった手々は、首筋、胸元、臀部、鼠径部、ロナの弱い部分を探し当てる様に何度も何度もフェザータッチを繰り返される。
「ッッ!!!うぅ…………どうして……こんなぁ……あぁッ!!や、やめ……あぁんッ!!」
これ……やばい……っ
全身の神経を奮い立たせるような攻撃に包み込まれ、抵抗しようとしていた理性が呆気なく刈り取られてしまう。
あれほど頑なに我慢していたはずなのに、一度開いてしまったロナの口からは、誰にも聞かせたこともないような嬌声が艦橋の中から外まで響き渡る。
そのことがロナ自身も理解できなかった。
刺激と快楽の海に溺れる思考。
自らの喘ぎに晒されながら、朧げな意識がそう囁いている。
いくらロナが若く多少敏感な身体を持っていたとしても、どうしてこれほどまでに気持ちいと感じてしまうのだろうか?
あの時、今でも思い出したくないベトナムで捕まった時は、恐怖と痛みしかなかったはずなのに、あの時とは真逆の快感と高揚感が肉体を支配していた。
しかも、心では必死にそれを否定しているはずなのに、条件反射のように身体はその快楽を受け入れてしまっている。
これじゃあまるで毒だ。
身体の神経を貪り、たった一度でも心を赦してしまったら最期、二度と人には戻れない。肉体よりも精神を食いつぶす甘い甘い毒。
「ちゅッちゅるぅぅぅぅッ!!はぁ……どうやら気づいたようだな」
ロナの片側の胸の先を啄むように口に含んでいたチャップが、唾液の線を口から迸らせる。
「貴様が眠っている間にちょっとばかり仕込ませてもらったよ」
口から漏れ出た唾液が止まらない虚ろなロナの眼前に、触手の先端、そのガラス張りになった側面へ仕込まれた液体を見せつけてくる。
「コイツは私が科学物質に魔術を調合した特別製の媚薬。それも通常のエストロゲン、成長ホルモン分泌やバランス調整、血行促進のような軟なものじゃない。コイツは使用者が感じる刺激全てを気持ちがいいというモノに上書きする。いわば中枢神経麻痺の調剤というわけだ。そのほかにも思考を鈍らせるLSDやチオペンタール、気絶防止と感覚を更に尖らせるエピネフリンなど、まぁ、今の貴様が理解できないような絶妙な配合が成された、世界で最も優れたラブポーションというわけだ」
高尚にご説明するチャップだが、両耳を触手に愛撫されていたロナにはその半分も聞き取れない。
「……やだ……こんなぁああッ!!!!刺激にいぃィィィ~~~!!くぅッ!!あぁああ!!」
否定しようとするたびに身体へと電流が走るように、快楽の犯される身体が何度もビクンッ!ビクンッ!と上反ってしまう。
造られた快楽としってもなお、人という構造に生まれたその身体では太刀打ちできるものじゃない。
ゲームでいうところの敗けイベ。
勝てるとか逃げ出せるとかじゃない。
この触手達を前にロナは勝てないんだと、身体に覚えさせられていく。
「そろそろ……大詰めだなぁ」
呟いた言葉を合図に、全身を包み込んでいた愛撫が一気に引いていく。
……終わった……??
全身の穴という穴から様々な液体を垂れ流してしまっていたロナは、快感を無理矢理押し付けられていた身体をぐったりさせる。
─────シュル─────シュル─────
そんな緊張が緩んでしまった身体から、見る見るうちに衣類を触手によって剥がされ、深い瞬きを一度した途端、ロナの身体には下着しか残されていなかった。
白い肌に添えられた、黒いレースのランジェリー。
ぐっちょりと色々な体液に濡れたそれは艦橋の薄暗い証明を浴び、シースルーの網目から覗く泡立ちを卑猥な光色を放っていた。
しかしその様子を視てもなお、今のロナには声を上げることすら億劫となっている。
「─────さて、ロナ・バーナード。ここで貴様に一つチャンスをやろう」
交感神経の全てが敏感になっているロナの脳内に直接その声が鳴り響く。
まるで神がお告げを与える様に。
「今ここで私の奴隷となり、私の息子に忠誠の口づけをするなら解放してやろう。だがもし拒否するというなら、さっき与えた媚薬を貴様が頷くまで一本ずつ増やしていく」
主の提案に触手達が身体をくねらせて湧き上がる。
金属の歓声に取り囲まれ、供物として掲げられた自分自身の姿が孤立無援であることを際立たせていく。
「さぁ、どうする?ちなみにこれは補足なのだが……この媚薬は貴様の他に百人ばかりに投与した実績があるが、耐えられた女は今のところゼロだ。私のことをバカにしていたFBIの職員も、ハリウッドで有名なクール女優も、生意気な国民的アイドルも、その全てが最後は私に跪いて忠誠を誓った。あぁ、嘘だと思うなら月に一度のパーティーに招待してやろう。私が今まで落としてきたコレクション達の相手をさせてやる。それともここで死ぬまで快楽に侵されるか。どちらにしても天国だ。好きに選ばせてやる」
早口に捲し立てられても、肩で息することで精いっぱいなロナに否定はおろか、肯定する余力も残されていない。
「……はぁ……はぁ……っ」
その返事の代わりに、できる限りの鋭い眼光を差し向ける。
これが、今のロナができる最大限の拒絶の仕草。
チャップはお道化るように肩を竦めた。
待ってましたとばかりに。
「それが貴様の答えということでいいんだな?」
ブクブクに太った皮膚が作り出す線の細い歪な嗤い。
まるでピエロのように、そしてロナはそれに操られるマリオネットのように。
大きく晒した肌を隠す術もなく、針から唾液を染み出させる触手の一本が擦り寄ってきた。
「貴様は何本目に屈服するかな?」
─────ブスッ!!
「ぐッ!!あぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!」
首筋から注入される冷たい溶液。
僅か数秒足らずして全身の血管と肌に焼けるような熱を帯びる。
さっきとは比べ物にならない火照りと快楽。
自制心から逃れた末端神経の震えが止められない。
本能で助けを求める少女の断末魔も、無数の触手達と共に男が再び貪っていく。
頭上を照らす艦橋の薄暗い証明に手を伸ばそうとするも、ガッチリ抑えられた両手はバンザイの形を取り、少女から光を奪っていく。
だれか……助けて……
そう声を上げようとした口にも触手達は容赦なく身体をねじ込んでいく、
艶めかしい喜悦に入り混じった悲鳴が─────しばらく艦橋外まで響き渡っていた。
チャップは満足気に二撫で目の指先を構えている。
たったそれだけなのに、今のロナにはそれが銃口を突きつけられるよりも恐怖を抱く光景だった。
(今のは……一体……!?)
強烈な刺激に肩で息するロナの思考はフワフワと纏まらない。
それでもこれがヤバいことだけは判る。
あんな刺激を何度も貰ったら、流石のロナも……耐えられない。
「最初に会った時からだ」
恐怖に染まるロナの顔を覗き込んで、チャップはそう口をついた。
「貴様がセブントリガーからCIAの副長官、FBIの叩き上げとして副所長に任命され、初めて顔を合わせた時だ。貴様は私のことを見るや否や見下すような視線を浴びせてきた。確かに我らは水面下では敵対する立場だから仕方ないことだが、あの侮蔑の入り混じった視線を向けられた時、私は決意したのだ。『いつか貴様を私の奴隷にして、死ぬまで奉仕させてやる』とな」
目前に迫った目標を前に荒れるチャップの呼吸が両耳を陵辱し、その聴きたくもない粘着質で淫靡な水音に、まともな思考がどんどん奪われる。
今では欠片ほどしか残っていない理性がそれでも必死に抵抗しようと試みてはいるものの、少女の力では数百という手々達には敵うはずもなく、寧ろ肉体が刺激を感じやすい体位にどんどん固定されていく。
「ひゃうっっっ~~~!!!」
いきなり首筋を触手に愛撫され、その想定外の相手に思わずロナ自身もびっくりするような声を上げてしまう。
思わぬ形で見せてしまった弱みに、触手達が喜びを露わにする。
さっきまでは拘束しかしてこなかった手々は、首筋、胸元、臀部、鼠径部、ロナの弱い部分を探し当てる様に何度も何度もフェザータッチを繰り返される。
「ッッ!!!うぅ…………どうして……こんなぁ……あぁッ!!や、やめ……あぁんッ!!」
これ……やばい……っ
全身の神経を奮い立たせるような攻撃に包み込まれ、抵抗しようとしていた理性が呆気なく刈り取られてしまう。
あれほど頑なに我慢していたはずなのに、一度開いてしまったロナの口からは、誰にも聞かせたこともないような嬌声が艦橋の中から外まで響き渡る。
そのことがロナ自身も理解できなかった。
刺激と快楽の海に溺れる思考。
自らの喘ぎに晒されながら、朧げな意識がそう囁いている。
いくらロナが若く多少敏感な身体を持っていたとしても、どうしてこれほどまでに気持ちいと感じてしまうのだろうか?
あの時、今でも思い出したくないベトナムで捕まった時は、恐怖と痛みしかなかったはずなのに、あの時とは真逆の快感と高揚感が肉体を支配していた。
しかも、心では必死にそれを否定しているはずなのに、条件反射のように身体はその快楽を受け入れてしまっている。
これじゃあまるで毒だ。
身体の神経を貪り、たった一度でも心を赦してしまったら最期、二度と人には戻れない。肉体よりも精神を食いつぶす甘い甘い毒。
「ちゅッちゅるぅぅぅぅッ!!はぁ……どうやら気づいたようだな」
ロナの片側の胸の先を啄むように口に含んでいたチャップが、唾液の線を口から迸らせる。
「貴様が眠っている間にちょっとばかり仕込ませてもらったよ」
口から漏れ出た唾液が止まらない虚ろなロナの眼前に、触手の先端、そのガラス張りになった側面へ仕込まれた液体を見せつけてくる。
「コイツは私が科学物質に魔術を調合した特別製の媚薬。それも通常のエストロゲン、成長ホルモン分泌やバランス調整、血行促進のような軟なものじゃない。コイツは使用者が感じる刺激全てを気持ちがいいというモノに上書きする。いわば中枢神経麻痺の調剤というわけだ。そのほかにも思考を鈍らせるLSDやチオペンタール、気絶防止と感覚を更に尖らせるエピネフリンなど、まぁ、今の貴様が理解できないような絶妙な配合が成された、世界で最も優れたラブポーションというわけだ」
高尚にご説明するチャップだが、両耳を触手に愛撫されていたロナにはその半分も聞き取れない。
「……やだ……こんなぁああッ!!!!刺激にいぃィィィ~~~!!くぅッ!!あぁああ!!」
否定しようとするたびに身体へと電流が走るように、快楽の犯される身体が何度もビクンッ!ビクンッ!と上反ってしまう。
造られた快楽としってもなお、人という構造に生まれたその身体では太刀打ちできるものじゃない。
ゲームでいうところの敗けイベ。
勝てるとか逃げ出せるとかじゃない。
この触手達を前にロナは勝てないんだと、身体に覚えさせられていく。
「そろそろ……大詰めだなぁ」
呟いた言葉を合図に、全身を包み込んでいた愛撫が一気に引いていく。
……終わった……??
全身の穴という穴から様々な液体を垂れ流してしまっていたロナは、快感を無理矢理押し付けられていた身体をぐったりさせる。
─────シュル─────シュル─────
そんな緊張が緩んでしまった身体から、見る見るうちに衣類を触手によって剥がされ、深い瞬きを一度した途端、ロナの身体には下着しか残されていなかった。
白い肌に添えられた、黒いレースのランジェリー。
ぐっちょりと色々な体液に濡れたそれは艦橋の薄暗い証明を浴び、シースルーの網目から覗く泡立ちを卑猥な光色を放っていた。
しかしその様子を視てもなお、今のロナには声を上げることすら億劫となっている。
「─────さて、ロナ・バーナード。ここで貴様に一つチャンスをやろう」
交感神経の全てが敏感になっているロナの脳内に直接その声が鳴り響く。
まるで神がお告げを与える様に。
「今ここで私の奴隷となり、私の息子に忠誠の口づけをするなら解放してやろう。だがもし拒否するというなら、さっき与えた媚薬を貴様が頷くまで一本ずつ増やしていく」
主の提案に触手達が身体をくねらせて湧き上がる。
金属の歓声に取り囲まれ、供物として掲げられた自分自身の姿が孤立無援であることを際立たせていく。
「さぁ、どうする?ちなみにこれは補足なのだが……この媚薬は貴様の他に百人ばかりに投与した実績があるが、耐えられた女は今のところゼロだ。私のことをバカにしていたFBIの職員も、ハリウッドで有名なクール女優も、生意気な国民的アイドルも、その全てが最後は私に跪いて忠誠を誓った。あぁ、嘘だと思うなら月に一度のパーティーに招待してやろう。私が今まで落としてきたコレクション達の相手をさせてやる。それともここで死ぬまで快楽に侵されるか。どちらにしても天国だ。好きに選ばせてやる」
早口に捲し立てられても、肩で息することで精いっぱいなロナに否定はおろか、肯定する余力も残されていない。
「……はぁ……はぁ……っ」
その返事の代わりに、できる限りの鋭い眼光を差し向ける。
これが、今のロナができる最大限の拒絶の仕草。
チャップはお道化るように肩を竦めた。
待ってましたとばかりに。
「それが貴様の答えということでいいんだな?」
ブクブクに太った皮膚が作り出す線の細い歪な嗤い。
まるでピエロのように、そしてロナはそれに操られるマリオネットのように。
大きく晒した肌を隠す術もなく、針から唾液を染み出させる触手の一本が擦り寄ってきた。
「貴様は何本目に屈服するかな?」
─────ブスッ!!
「ぐッ!!あぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!」
首筋から注入される冷たい溶液。
僅か数秒足らずして全身の血管と肌に焼けるような熱を帯びる。
さっきとは比べ物にならない火照りと快楽。
自制心から逃れた末端神経の震えが止められない。
本能で助けを求める少女の断末魔も、無数の触手達と共に男が再び貪っていく。
頭上を照らす艦橋の薄暗い証明に手を伸ばそうとするも、ガッチリ抑えられた両手はバンザイの形を取り、少女から光を奪っていく。
だれか……助けて……
そう声を上げようとした口にも触手達は容赦なく身体をねじ込んでいく、
艶めかしい喜悦に入り混じった悲鳴が─────しばらく艦橋外まで響き渡っていた。
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