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赤き羽毛の復讐者《スリーピングスナイパー》
舞い降りた二つの銀尾2
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「何よ、アンタまだアタシに隠していることでもあるの?」
「い、いや……」
動揺したことに気づいてか、セイナにキロり……と睨まれた俺は曖昧な返答をしながら視線を外した。
「にっひっひー!あれあれ??ど~うしたのかなダーリン?」
楽しそうな笑みを浮かべながら、ロナがさらに煽ってくる。
マジで殴りたい、この笑顔……
にしても────コイツ……どのことを言っているんだ……?
腐ってもロナは、世界でも指折りのクラッカーであることは事実。恐らく、大なり小なり俺の秘密を握っているのは嘘じゃないんだろう……
問題はそれがどのことを指しているのか?
────この前セイナが買ってきたタコ焼きを勝手に食ったことか?いや、あれは、すぐにセイナにバレて、お駄賃代わりのブレーンバスターを貰ったから違うな。じゃあ、セイナからの日ごろの仕打ちにイラっとした俺が、仕返しにセイナが幸せそうにソファーで寝ている時を見計らって、そのつるんとしたおでこにデコピンをお見舞いしていることか?
俺は時差ボケの脳みそをフル回転させて、セイナに知られては困る隠しごとをひたすら上げていくが……クソッ……ありすぎて見当がつかねぇ……
「それはまあ置いといてさ~……ねえダーリン?ロナを雇うにあたって給料の振り込みについての話しをしたいんだけど?」
「お、おい!?まだ俺は雇うなんて────」
「フォルテからの給料はS.Tの時に使ってた口座からで構わないから。あ、でも今はその口座にお金は入ってないんだよね?おかしいな……一年前はそこそこお金が入っていたはずなのに?そんな大きな買い物したっけ?ダーリン?」
「よし分かった。セイナ、一回外してくれないか?」
「な、なによ!?急に……?」
ころっと態度を180度変化させた俺にそう言われたセイナは目を丸くし、キョトンとしている。
「頼むッ!ちょっとだけ……!外してくれッ!」
「だから何でよ!?ちょッ!?そんなにグイグイ押すなぁ!!このアフォルテェェ!!」
アフォルテ?ああ、アホとフォルテを掛けてアフォルテか。
ギャーギャーと喚くセイナを、俺は後ろから両肩を掴んでグイグイと部屋の外に押し出していく。
セイナは懸命に足を踏ん張って耐えようとするが、黒いハイカットのニーソックスを履いているせいで、フローリングの床では踏ん張りが効かず、そのまま外に押し出されてしまう。
扉の外にセイナを追いやった俺は、扉と一緒に鍵も閉めてから振り返り────
「で?どこまで知っているんだ?」
ガンガンガン!!と扉にノック……ではなくジャブかストレートを叩き込みながら、開けなさい!!このバカ!!と叫ぶ声を無視してロナにそう尋ねる。
すると、セイナと違ってメロンのように巨大なその胸をバーンと張ったロナは、ニヤニヤと笑みを浮かべながら元気いっぱいな声で告げた。
「ぜーんぶ!勝手にお腹空いたからってタコ焼きを食べて怒られたり、人が寝ている隙にデコピンしたり、ケンブリッジ大学の修理費を背負って、貯金してた五億円全てパァにしたことも。そして、返しきれなかった残りの十億円を背負い、セイナにそれを隠していることも!」
「はぁ……」
「雇う気になった?」
深い……とても深いため息をついた俺の懐にロナは寄ってきて、肩や顔を猫のようにくっつけながら上目遣いに尋ねてくる。
クソッ……主導権を完全にロナが支配しているため、俺はそれをむやみに引きはがすこともできず、なされるがまま……
「何が目的だ?知っての通り、俺は渡さるほど金なんて持ってな────ッ!?」
せめてもの抵抗とばかりに、苦虫を潰したような顔で見下ろしていた俺の言葉を、ロナの艶やかな人差し指が遮った。
普段はだらしのないガキなのに、時折見せる大人っぽいロナの仕草、そのギャップに悔しいが俺はドキッとしてしまう。
「お金なんていらない────ロナはね、ダーリンと一緒にいるだけでいいの。だからお願い……フォルテが望むこと、ロナは何でもしてあげるんだよ?」
薄いキャミソール越しにむにゅり……と伝わる柔らかな胸を押し付け、ペロッと唇を舐めるロナ……
男心を熟知した、完璧なまでの仕草。これがハニートラップだと分かっていても、男は決して逆らえないような……甘い、とっても甘い毒。
ロナから漂うそのハチミツのような甘い香水の香りが、俺の……男としての理性や判断能力を殺していく……そんな感覚に陥っているかのように錯覚してくる。
思わず、この場はロナに逆らえないことを理由に、何かよからぬことを一瞬だけ考えた俺は……
「開けなさいよ!!フォルテッ!!」
「ッ!」
背後から聞こえてきたドア越しのセイナの声にハッとし、引っ付いていたロナを突き飛ばしてしまう。
「キャッ!?」
ロナはさっきまでの大人っぽい仕草とは違い、見た目通りの少女の仕草で小さな悲鳴を上げる。
「わ、悪い……!その……」
「ざーんねん!流石にセイナの前でNTRってわけにはいかないか……」
別に謝る必要なんてないはずなのに、俺が強く突き飛ばしてしまったことを謝罪すると、ロナはふぅ……と小さくため息をついてから、ぶつぶつと何かを呟いていた。
その声は小さく、途中聞こえてきた単語の意味も俺にはよく分からなかったが、とりあえずそれは置いといて話しを戻す。
「……で?本当に何が目的なんだ?確かに俺からジェイクや大統領に、お前に多少の休暇を与えてやってくれとは伝えた。が、CIA副長官の座を下ろせとは言ってないぞ?」
実は、俺がアメリカを出発前、S.T解散からずっと働きっぱなしだったロナの休暇を大統領とCIA長官に申請してきたのだが、大陸間弾道ミサイルなどのテロ活動があった後ではすぐには取れないだろうと思っていた。
ところが、想像とは真逆の無期限追放処分。いくら命令違反でも、アメリカ政府で言うエースで四番みたいな奴を抜くほど、今の彼らは楽な状況ではないはずなのだが……一体何を考えているんだ……?
そう思うと、考えられるのは何か裏がある。ということしか俺には思いつかない。
「んー……一番の理由はロアかな……?」
「命令違反の件のことか?」
「うんうん……そうじゃなくて、あのワシントンメトロの後、一回もロアの声が聞こえてこないの……こっちから呼びかけても、人格を入れ替えようとしても応じないの……それを、ジェイクや大統領はかなり重い状態だと捕らえたみたいで……」
「そうか……」
普段のお茶らけた様子とは打って変わって、割と真面目な様子で答えるロナ……どうやら嘘……というわけでは無いらしいな……
「じゃあ、なんでわざわざ俺の家に来るんだ?お前はホワイトハウスに自室だってある。借りようと思えばどこでも住めるくらい給料は悪くないはずだが?」
「それは……役に立たずが職場にいても目障りだと思ったの……だから、アメリカ以外で行く宛のないロナは、フォルテを尋ねたの……情報収集はできる。戦闘も別にロアほど強くはないにしろ、それでもそこそこはやれるから……だから……だからお願い……します」
そう言って頭を下げたロナの両肩から、銀のツインテールがシャラン……と落ちる。
コイツがここまで真面目に頭下げるのも珍しい……なによりここでコイツを追い出したら、元々ストリートチルドレンであるロナは本当に行く宛が無いことを考えると、流石に無下にすることもできないと思った俺は渋々……
「はぁ……分かった。分かったからその……頭を上げろ」
「じゃ、じゃあ……!?」
暗い顔が、パアッといつものように明るくさせたロナに、俺は後ろ手に髪を掻きつつ、視線を逸らして告げる。
「ああ、ここで面倒見てやる。その代わり、あまり給料には期待するなよ?うちは赤字で経営厳しいんだから……」
「ロナは一ドルもいらないからいいよ!ご飯だけ貰えれば……」
給料無しでご飯のみってどんなブラック企業だよ?今時何かの職人の弟子入りとかでも、もうちょっとマシな待遇だぞ?
「まあ、報酬については追々決めるとして、それよりも働く上での条件と、幾つか聞きたいことがある」
ヤッター!!と両手を上げて喜んでいるロナに俺は真面目な口調でそう告げる。
俺が今一番危惧している部分。これを守ってくれないと、正直ここにロナを置くことはできない。
「さっきの借金の件?大丈夫大丈夫!セイナに借金の理由を秘密にしていればいいんでしょ?」
「そう、なんだけどよ……」
俺の思考を先読みしたロナがそう告げてきたが……守って欲しい部分はそうなんだが、さっきから俺はずっとこの辺の言葉が引っかかっていた。
「どうしてお前は、俺がセイナに借金を隠しているではなく、借金の内容を隠していることを知っているんだ?」
俺の借金は正直口座を調べれば分からなくもないが、そうではなく借金をした理由を隠していることを知っているのはおかしい……なんでそこまで詳しい事情を知っているのか?そこがさっきから気になっていたのだ。
「それ以外もそうだ。たこ焼きやデコピンは俺やセイナの二人以外は絶対に知らないことなのに、どうしてそんなことまで知っている?いくらお前がハッキングができるからといって────」
「な~んだ、そんなこと?」
そんなことだって?いくらハッキングが得意と言っても、知ることができるのはあくまで情報媒体、つまりネット上に書き写されたもの限定のはずなのに……いくらスマートフォンやPCをハッキングしたとしても……いや、待てよ……そう言えばコイツ……前に確かセイナのスマートフォンをハッキングした時に確か……「ロナにかかればこんな簡単なロックを解除するなんてお茶の子さいさいですよ~解除するだけじゃなくて通話記録や録音に周囲の音まで聞けちゃうんだから~」と言っていたような……
「お、お前まさか……!?」
「うん、フォルテが今思った通り!ずぅぅとフォルテのスマートフォンをハッキングしてたんだよ!」
「い、いや……」
動揺したことに気づいてか、セイナにキロり……と睨まれた俺は曖昧な返答をしながら視線を外した。
「にっひっひー!あれあれ??ど~うしたのかなダーリン?」
楽しそうな笑みを浮かべながら、ロナがさらに煽ってくる。
マジで殴りたい、この笑顔……
にしても────コイツ……どのことを言っているんだ……?
腐ってもロナは、世界でも指折りのクラッカーであることは事実。恐らく、大なり小なり俺の秘密を握っているのは嘘じゃないんだろう……
問題はそれがどのことを指しているのか?
────この前セイナが買ってきたタコ焼きを勝手に食ったことか?いや、あれは、すぐにセイナにバレて、お駄賃代わりのブレーンバスターを貰ったから違うな。じゃあ、セイナからの日ごろの仕打ちにイラっとした俺が、仕返しにセイナが幸せそうにソファーで寝ている時を見計らって、そのつるんとしたおでこにデコピンをお見舞いしていることか?
俺は時差ボケの脳みそをフル回転させて、セイナに知られては困る隠しごとをひたすら上げていくが……クソッ……ありすぎて見当がつかねぇ……
「それはまあ置いといてさ~……ねえダーリン?ロナを雇うにあたって給料の振り込みについての話しをしたいんだけど?」
「お、おい!?まだ俺は雇うなんて────」
「フォルテからの給料はS.Tの時に使ってた口座からで構わないから。あ、でも今はその口座にお金は入ってないんだよね?おかしいな……一年前はそこそこお金が入っていたはずなのに?そんな大きな買い物したっけ?ダーリン?」
「よし分かった。セイナ、一回外してくれないか?」
「な、なによ!?急に……?」
ころっと態度を180度変化させた俺にそう言われたセイナは目を丸くし、キョトンとしている。
「頼むッ!ちょっとだけ……!外してくれッ!」
「だから何でよ!?ちょッ!?そんなにグイグイ押すなぁ!!このアフォルテェェ!!」
アフォルテ?ああ、アホとフォルテを掛けてアフォルテか。
ギャーギャーと喚くセイナを、俺は後ろから両肩を掴んでグイグイと部屋の外に押し出していく。
セイナは懸命に足を踏ん張って耐えようとするが、黒いハイカットのニーソックスを履いているせいで、フローリングの床では踏ん張りが効かず、そのまま外に押し出されてしまう。
扉の外にセイナを追いやった俺は、扉と一緒に鍵も閉めてから振り返り────
「で?どこまで知っているんだ?」
ガンガンガン!!と扉にノック……ではなくジャブかストレートを叩き込みながら、開けなさい!!このバカ!!と叫ぶ声を無視してロナにそう尋ねる。
すると、セイナと違ってメロンのように巨大なその胸をバーンと張ったロナは、ニヤニヤと笑みを浮かべながら元気いっぱいな声で告げた。
「ぜーんぶ!勝手にお腹空いたからってタコ焼きを食べて怒られたり、人が寝ている隙にデコピンしたり、ケンブリッジ大学の修理費を背負って、貯金してた五億円全てパァにしたことも。そして、返しきれなかった残りの十億円を背負い、セイナにそれを隠していることも!」
「はぁ……」
「雇う気になった?」
深い……とても深いため息をついた俺の懐にロナは寄ってきて、肩や顔を猫のようにくっつけながら上目遣いに尋ねてくる。
クソッ……主導権を完全にロナが支配しているため、俺はそれをむやみに引きはがすこともできず、なされるがまま……
「何が目的だ?知っての通り、俺は渡さるほど金なんて持ってな────ッ!?」
せめてもの抵抗とばかりに、苦虫を潰したような顔で見下ろしていた俺の言葉を、ロナの艶やかな人差し指が遮った。
普段はだらしのないガキなのに、時折見せる大人っぽいロナの仕草、そのギャップに悔しいが俺はドキッとしてしまう。
「お金なんていらない────ロナはね、ダーリンと一緒にいるだけでいいの。だからお願い……フォルテが望むこと、ロナは何でもしてあげるんだよ?」
薄いキャミソール越しにむにゅり……と伝わる柔らかな胸を押し付け、ペロッと唇を舐めるロナ……
男心を熟知した、完璧なまでの仕草。これがハニートラップだと分かっていても、男は決して逆らえないような……甘い、とっても甘い毒。
ロナから漂うそのハチミツのような甘い香水の香りが、俺の……男としての理性や判断能力を殺していく……そんな感覚に陥っているかのように錯覚してくる。
思わず、この場はロナに逆らえないことを理由に、何かよからぬことを一瞬だけ考えた俺は……
「開けなさいよ!!フォルテッ!!」
「ッ!」
背後から聞こえてきたドア越しのセイナの声にハッとし、引っ付いていたロナを突き飛ばしてしまう。
「キャッ!?」
ロナはさっきまでの大人っぽい仕草とは違い、見た目通りの少女の仕草で小さな悲鳴を上げる。
「わ、悪い……!その……」
「ざーんねん!流石にセイナの前でNTRってわけにはいかないか……」
別に謝る必要なんてないはずなのに、俺が強く突き飛ばしてしまったことを謝罪すると、ロナはふぅ……と小さくため息をついてから、ぶつぶつと何かを呟いていた。
その声は小さく、途中聞こえてきた単語の意味も俺にはよく分からなかったが、とりあえずそれは置いといて話しを戻す。
「……で?本当に何が目的なんだ?確かに俺からジェイクや大統領に、お前に多少の休暇を与えてやってくれとは伝えた。が、CIA副長官の座を下ろせとは言ってないぞ?」
実は、俺がアメリカを出発前、S.T解散からずっと働きっぱなしだったロナの休暇を大統領とCIA長官に申請してきたのだが、大陸間弾道ミサイルなどのテロ活動があった後ではすぐには取れないだろうと思っていた。
ところが、想像とは真逆の無期限追放処分。いくら命令違反でも、アメリカ政府で言うエースで四番みたいな奴を抜くほど、今の彼らは楽な状況ではないはずなのだが……一体何を考えているんだ……?
そう思うと、考えられるのは何か裏がある。ということしか俺には思いつかない。
「んー……一番の理由はロアかな……?」
「命令違反の件のことか?」
「うんうん……そうじゃなくて、あのワシントンメトロの後、一回もロアの声が聞こえてこないの……こっちから呼びかけても、人格を入れ替えようとしても応じないの……それを、ジェイクや大統領はかなり重い状態だと捕らえたみたいで……」
「そうか……」
普段のお茶らけた様子とは打って変わって、割と真面目な様子で答えるロナ……どうやら嘘……というわけでは無いらしいな……
「じゃあ、なんでわざわざ俺の家に来るんだ?お前はホワイトハウスに自室だってある。借りようと思えばどこでも住めるくらい給料は悪くないはずだが?」
「それは……役に立たずが職場にいても目障りだと思ったの……だから、アメリカ以外で行く宛のないロナは、フォルテを尋ねたの……情報収集はできる。戦闘も別にロアほど強くはないにしろ、それでもそこそこはやれるから……だから……だからお願い……します」
そう言って頭を下げたロナの両肩から、銀のツインテールがシャラン……と落ちる。
コイツがここまで真面目に頭下げるのも珍しい……なによりここでコイツを追い出したら、元々ストリートチルドレンであるロナは本当に行く宛が無いことを考えると、流石に無下にすることもできないと思った俺は渋々……
「はぁ……分かった。分かったからその……頭を上げろ」
「じゃ、じゃあ……!?」
暗い顔が、パアッといつものように明るくさせたロナに、俺は後ろ手に髪を掻きつつ、視線を逸らして告げる。
「ああ、ここで面倒見てやる。その代わり、あまり給料には期待するなよ?うちは赤字で経営厳しいんだから……」
「ロナは一ドルもいらないからいいよ!ご飯だけ貰えれば……」
給料無しでご飯のみってどんなブラック企業だよ?今時何かの職人の弟子入りとかでも、もうちょっとマシな待遇だぞ?
「まあ、報酬については追々決めるとして、それよりも働く上での条件と、幾つか聞きたいことがある」
ヤッター!!と両手を上げて喜んでいるロナに俺は真面目な口調でそう告げる。
俺が今一番危惧している部分。これを守ってくれないと、正直ここにロナを置くことはできない。
「さっきの借金の件?大丈夫大丈夫!セイナに借金の理由を秘密にしていればいいんでしょ?」
「そう、なんだけどよ……」
俺の思考を先読みしたロナがそう告げてきたが……守って欲しい部分はそうなんだが、さっきから俺はずっとこの辺の言葉が引っかかっていた。
「どうしてお前は、俺がセイナに借金を隠しているではなく、借金の内容を隠していることを知っているんだ?」
俺の借金は正直口座を調べれば分からなくもないが、そうではなく借金をした理由を隠していることを知っているのはおかしい……なんでそこまで詳しい事情を知っているのか?そこがさっきから気になっていたのだ。
「それ以外もそうだ。たこ焼きやデコピンは俺やセイナの二人以外は絶対に知らないことなのに、どうしてそんなことまで知っている?いくらお前がハッキングができるからといって────」
「な~んだ、そんなこと?」
そんなことだって?いくらハッキングが得意と言っても、知ることができるのはあくまで情報媒体、つまりネット上に書き写されたもの限定のはずなのに……いくらスマートフォンやPCをハッキングしたとしても……いや、待てよ……そう言えばコイツ……前に確かセイナのスマートフォンをハッキングした時に確か……「ロナにかかればこんな簡単なロックを解除するなんてお茶の子さいさいですよ~解除するだけじゃなくて通話記録や録音に周囲の音まで聞けちゃうんだから~」と言っていたような……
「お、お前まさか……!?」
「うん、フォルテが今思った通り!ずぅぅとフォルテのスマートフォンをハッキングしてたんだよ!」
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