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揺れる二つの銀尾《ダブルパーソナリティー》
揺れる二つの銀尾《ダブルパーソナリティー》18
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「……えッ!?」
「……ッ!!」
アタシはその光景を前に目を丸くした。
アタシだけじゃなく、ロアも同じように驚いてるようだった。
ショットガンから放たれた12ゲージ弾はトレーニングルームの天井に当たり、膠着状態になっていたアタシ達にコンクリートの破片がパラパラと砂の雨を降らせた。
アタシがロアのショットガンの銃先の向きを変えたのではない。
現にアタシの斬撃もロアに当たることなく同様に受け止められているのだ。
アタシ達の間にどこからか飛び込んできた黒人男性に────
「ジェイクッ!?」
ロアはその人物のことを知っているのか、弾切れになった状態のショットガンを天井に向けたまま驚きの声を上げていた。
スキンヘッドの形のいい頭に、室内にも関わらず黒いレンズのスポーツサングラスをかけ、派手なクリムゾンレッドのYシャツとネクタイ、その上から少し落ち着いたワインレッド色のスーツを着た「ジェイク」と呼ばれた二十代後半くらいのその黒人男性は、膝立ちの状態で両手を広げるような態勢でアタシの斬撃とロアのジョットガンをたった二振りの太刀で受け止めていた。
そして、黒人男性はそのまま何も言わずに────
「がッ!?」
バタッ!
ロアの後頭部に峰打ちを一発叩き込んだ。
短い悲鳴を上げてロアは地面へと倒れた。
あれほど苦戦したロアをこの黒人男性はたった一発で気絶させて見せたのだ。
は、速い────!
アタシでもギリギリ目で捉えることができたくらいの速い斬撃。
「クッ!」
無駄も隙も無いその一発を前にアタシは本能的にバックステップしてその黒人男性から距離を取った。
それを見た黒人男性がその場でむくりと立ち上がってこっちを見た。
でかい……!
身長は、178㎝のフォルテよりも頭一つ分くらい大きく、スーツを着ているはずなのに胴体や足はがっちりとしており、首元などの露出した丸太のように太い筋肉は、日ごろから鍛えられているのが伝わってくる。
身長152㎝のアタシからしたらその威圧感は凄まじく、その印象は巨大な山のようだった。
「……」
その黒人男性が何も言わず、感情が全く読めない無表情のままゆっくりとこっちに近づいてきた。
武器を握るアタシの手に力が入る。
一歩一歩、その象のように重そうな足を踏み出し、そしてそのまま武器を構えたアタシに真ん前まで近づいてきて────
ポンッ!
分厚くごつごつした手をアタシの頭の上に乗せてきた。
「……え?」
思わず声が出てしまった。
何故かその黒人男性は急にアタシのことを子供でもあやすかのように「There,there」とか言いながら撫でてきたのだ。
イラッ……!
「いやーごめんね~お嬢ちゃん。うちのじゃじゃ馬が迷惑かけちゃったね~」
見た目とは似合わない優しい声で頭を撫でながらそう言ってきた黒人男性。
イライラッ……!
「あれ?やっぱ機嫌悪いのかな~そうだ!これをあげよう」
ふるふると震えたまま何も発しないアタシに黒人男性はそう言ってから、ワインレッドのスーツから何故かSNICKERSのチョコバーを取り出してアタシに差し出してきた。
「子供は甘いもん好きだろ?」
ブチッ!!
「アタシは……」
「はい?」
黒人男性が耳を澄ませるジェスチャーをしてアタシの方に寄ってきた。
「アタシは子供じゃなーいッ!!」
初対面の黒人男性の耳元でそう叫ぶのだった。
「と、まあそんなところだジェイク」
ようやく隕石の糸から解放された俺は、そのままトレーニングルームをあとにし、ホワイトハウスの廊下を歩きながらここまでの経緯をジェイクに説明していた。
ジェイク・ウォルコット、アメリカ中央情報局長官である彼は副長官であるロナの上司であり、俺ともS.Tの時からの知り合いである。
ロナもそうだが、歴代のCIA長官に比べて比較的若いジェイクは、元々はアメリカのある特殊部隊で活動していたところを優秀な人材として今の大統領から引き抜かれた人材であり、さっきやって見せたセイナとロアの両方を抑え込むなどその実力は折り紙付きである。
「なるほど……もう一人の人格に任せてあとはだんまり、確かにロナならやりそうだな」
ジェイクはワインレッドのスーツのシワをパッパッと両手で直しながらそう答えた。
というのも、威圧的な見た目に反して割と紳士なジェイクがCIAのじゃじゃ馬を気絶させた後にうちの暴れ馬を誤って子供扱いしたせいで怒らせ、俺と二人がかりで宥めながら抑え込んで医務室まで連れて行ったので多少服が乱れたのである。
服が乱れるだけならまだ良かったんだけどな……
「フォルテ……顔大丈夫か?」
「あ、あぁ……」
真っ赤に腫れた顔面を抑えていた俺の顔をジェイクが見下ろしながら心配してきた。
ジェイクが暴れ馬の腕を羽交い絞めにしていたせいで俺が事情を説明しようと近づいた時に、もれなくあの殺人的な脚力を使ったドロップキックを顔面に貰ったのだ。おかげで顔が焼けるようにヒリヒリする。
ナイフで刺された傷口は包帯で簡単に血が止まったのに、顔の痛みだけは何をしても全然引かない辺り寧ろこっちの方が重症じゃないか?鼻も若干曲がった気がするのも気のせいじゃないのかもしれない。
まあ確かに俺にも悪いところがあったが、それでも途中で助けてやったりとサポートしたにも関わず、あまりにも酷いその仕打ちに流石に腹を立てて、その小さな両足を掴んで四の字固めで泣かしてやったからもう良いんだけどな。
あとで三倍にして報復されそうだけどな……
「セイナは大丈夫そうだったけど、ロナは大丈夫かな……」
「傷がか?」
「いや、傷は心配してない」
「精神面か」
「あぁ……」
俺はさっきのことを思い出してからため息をついた。
「アイツ……俺がここ一年間連絡を入れなかったことを相当怒っていた。正直、CIA副長官の役職に就いたことによってもう俺が面倒を見る立場じゃないと思って一切連絡を入れてなかったんだけど、どうやらそれで寂しい思いをさせてしまったらしい」
「確かに今の仕事に就いてから、ロナが部屋から出てくることは以前よりも少なくなった。長期休暇も考えたが、彼女は「誰がその間この仕事をやるのか?」と言って断ってしまった。ロアの方もこの前の作戦で、コードネームを昔のものと間違えていた」
「昔の?十字架ではなくトリガー3ってことか?」
「そうだ、今の我々の組織は昔の君たちの時と違って基本が単独行動だから周りに知り合いが少ないという状況が彼女にとっては相当なストレスになっていたのかもしれないな」
「……」
「大丈夫だ」
「えっ?」
軽く俯いて黙っていた俺の肩に、ジェイクはポンッとその分厚い手を置きながらそう言ってきた。
「今からでも遅くはない。彼女が目覚めたら、元隊長である君が声を掛けてやれ。きっと私よりもその方が効果があるはずだ」
「あぁ……でも今更なんて声を掛ければ……」
「そんなもの、私のようにチョコバーでもあげながら素直な気持ちを伝えればいい。そうすれば誰だって心を開いてくれる」
「いやいや、あんたさっきそれで思いっきりアイツに噛みつかれたじゃん、物理的に」
「だが、最終的には美味しそうにチョコバーをかじりながら素直に医務室に向かったじゃないか。こちらが素直になれば自ずと相手も素直になるものさ」
そう言ってからジェイクは豪快に笑った。
俺の記憶が正しければ、頭を撫でていたジェイクは思いっきりセイナに手を噛まれ、その暴れるセイナを俺のプロレス技で大人させて、最後は涙目で「動いたらお腹空いた」と言いながら怪獣のようにガリガリとチョコバーをかじりながら医務室の方向に歩いて行ったのだが……あれ、俺が間違えているのかな……?
「さて、ようやく着いたな」
そんな話をしているうちに目的の部屋の前に着いてジェイクはそう言った。
West Wing角部屋、さっき戦っていたトレーニングルームのちょうど上階に当たる部屋だ。
コンッコンッコンッ
ジェイクが扉をノックする。
「はい……」
中から渋い男の声で返事が返ってきた。
「私です。彼を連れてきました」
「そうか、入れ」
短くやり取りした後にジェイクが扉を開いた。
部屋に入ると、そこは全体を白を基調とした落ち着いた雰囲気で統一された長円形の執務室になっていて、壁には高そうな絵画やアンティーク、客人用のソファーやテーブルなどの家具が置かれていた。
さっき見たロナの汚部屋とは段違いだな……
その一番奥、バッキンガム宮殿でもエリザベス3世が使っていたイギリス軍艦の一部を材料に作られたレゾリュートデスクの先に一人の男が立っていた。
「久しぶりだな、フォルテ」
白髪の頭を短く刈り込んである俺よりも背の低い紺色のスーツ姿の白人男性がオフィスの外が見える三枚張りの大きな窓の外からこっちに振り返って声を掛けてきた。
「お久しぶりです。ガブリエル・ベアード大統領」
「……ッ!!」
アタシはその光景を前に目を丸くした。
アタシだけじゃなく、ロアも同じように驚いてるようだった。
ショットガンから放たれた12ゲージ弾はトレーニングルームの天井に当たり、膠着状態になっていたアタシ達にコンクリートの破片がパラパラと砂の雨を降らせた。
アタシがロアのショットガンの銃先の向きを変えたのではない。
現にアタシの斬撃もロアに当たることなく同様に受け止められているのだ。
アタシ達の間にどこからか飛び込んできた黒人男性に────
「ジェイクッ!?」
ロアはその人物のことを知っているのか、弾切れになった状態のショットガンを天井に向けたまま驚きの声を上げていた。
スキンヘッドの形のいい頭に、室内にも関わらず黒いレンズのスポーツサングラスをかけ、派手なクリムゾンレッドのYシャツとネクタイ、その上から少し落ち着いたワインレッド色のスーツを着た「ジェイク」と呼ばれた二十代後半くらいのその黒人男性は、膝立ちの状態で両手を広げるような態勢でアタシの斬撃とロアのジョットガンをたった二振りの太刀で受け止めていた。
そして、黒人男性はそのまま何も言わずに────
「がッ!?」
バタッ!
ロアの後頭部に峰打ちを一発叩き込んだ。
短い悲鳴を上げてロアは地面へと倒れた。
あれほど苦戦したロアをこの黒人男性はたった一発で気絶させて見せたのだ。
は、速い────!
アタシでもギリギリ目で捉えることができたくらいの速い斬撃。
「クッ!」
無駄も隙も無いその一発を前にアタシは本能的にバックステップしてその黒人男性から距離を取った。
それを見た黒人男性がその場でむくりと立ち上がってこっちを見た。
でかい……!
身長は、178㎝のフォルテよりも頭一つ分くらい大きく、スーツを着ているはずなのに胴体や足はがっちりとしており、首元などの露出した丸太のように太い筋肉は、日ごろから鍛えられているのが伝わってくる。
身長152㎝のアタシからしたらその威圧感は凄まじく、その印象は巨大な山のようだった。
「……」
その黒人男性が何も言わず、感情が全く読めない無表情のままゆっくりとこっちに近づいてきた。
武器を握るアタシの手に力が入る。
一歩一歩、その象のように重そうな足を踏み出し、そしてそのまま武器を構えたアタシに真ん前まで近づいてきて────
ポンッ!
分厚くごつごつした手をアタシの頭の上に乗せてきた。
「……え?」
思わず声が出てしまった。
何故かその黒人男性は急にアタシのことを子供でもあやすかのように「There,there」とか言いながら撫でてきたのだ。
イラッ……!
「いやーごめんね~お嬢ちゃん。うちのじゃじゃ馬が迷惑かけちゃったね~」
見た目とは似合わない優しい声で頭を撫でながらそう言ってきた黒人男性。
イライラッ……!
「あれ?やっぱ機嫌悪いのかな~そうだ!これをあげよう」
ふるふると震えたまま何も発しないアタシに黒人男性はそう言ってから、ワインレッドのスーツから何故かSNICKERSのチョコバーを取り出してアタシに差し出してきた。
「子供は甘いもん好きだろ?」
ブチッ!!
「アタシは……」
「はい?」
黒人男性が耳を澄ませるジェスチャーをしてアタシの方に寄ってきた。
「アタシは子供じゃなーいッ!!」
初対面の黒人男性の耳元でそう叫ぶのだった。
「と、まあそんなところだジェイク」
ようやく隕石の糸から解放された俺は、そのままトレーニングルームをあとにし、ホワイトハウスの廊下を歩きながらここまでの経緯をジェイクに説明していた。
ジェイク・ウォルコット、アメリカ中央情報局長官である彼は副長官であるロナの上司であり、俺ともS.Tの時からの知り合いである。
ロナもそうだが、歴代のCIA長官に比べて比較的若いジェイクは、元々はアメリカのある特殊部隊で活動していたところを優秀な人材として今の大統領から引き抜かれた人材であり、さっきやって見せたセイナとロアの両方を抑え込むなどその実力は折り紙付きである。
「なるほど……もう一人の人格に任せてあとはだんまり、確かにロナならやりそうだな」
ジェイクはワインレッドのスーツのシワをパッパッと両手で直しながらそう答えた。
というのも、威圧的な見た目に反して割と紳士なジェイクがCIAのじゃじゃ馬を気絶させた後にうちの暴れ馬を誤って子供扱いしたせいで怒らせ、俺と二人がかりで宥めながら抑え込んで医務室まで連れて行ったので多少服が乱れたのである。
服が乱れるだけならまだ良かったんだけどな……
「フォルテ……顔大丈夫か?」
「あ、あぁ……」
真っ赤に腫れた顔面を抑えていた俺の顔をジェイクが見下ろしながら心配してきた。
ジェイクが暴れ馬の腕を羽交い絞めにしていたせいで俺が事情を説明しようと近づいた時に、もれなくあの殺人的な脚力を使ったドロップキックを顔面に貰ったのだ。おかげで顔が焼けるようにヒリヒリする。
ナイフで刺された傷口は包帯で簡単に血が止まったのに、顔の痛みだけは何をしても全然引かない辺り寧ろこっちの方が重症じゃないか?鼻も若干曲がった気がするのも気のせいじゃないのかもしれない。
まあ確かに俺にも悪いところがあったが、それでも途中で助けてやったりとサポートしたにも関わず、あまりにも酷いその仕打ちに流石に腹を立てて、その小さな両足を掴んで四の字固めで泣かしてやったからもう良いんだけどな。
あとで三倍にして報復されそうだけどな……
「セイナは大丈夫そうだったけど、ロナは大丈夫かな……」
「傷がか?」
「いや、傷は心配してない」
「精神面か」
「あぁ……」
俺はさっきのことを思い出してからため息をついた。
「アイツ……俺がここ一年間連絡を入れなかったことを相当怒っていた。正直、CIA副長官の役職に就いたことによってもう俺が面倒を見る立場じゃないと思って一切連絡を入れてなかったんだけど、どうやらそれで寂しい思いをさせてしまったらしい」
「確かに今の仕事に就いてから、ロナが部屋から出てくることは以前よりも少なくなった。長期休暇も考えたが、彼女は「誰がその間この仕事をやるのか?」と言って断ってしまった。ロアの方もこの前の作戦で、コードネームを昔のものと間違えていた」
「昔の?十字架ではなくトリガー3ってことか?」
「そうだ、今の我々の組織は昔の君たちの時と違って基本が単独行動だから周りに知り合いが少ないという状況が彼女にとっては相当なストレスになっていたのかもしれないな」
「……」
「大丈夫だ」
「えっ?」
軽く俯いて黙っていた俺の肩に、ジェイクはポンッとその分厚い手を置きながらそう言ってきた。
「今からでも遅くはない。彼女が目覚めたら、元隊長である君が声を掛けてやれ。きっと私よりもその方が効果があるはずだ」
「あぁ……でも今更なんて声を掛ければ……」
「そんなもの、私のようにチョコバーでもあげながら素直な気持ちを伝えればいい。そうすれば誰だって心を開いてくれる」
「いやいや、あんたさっきそれで思いっきりアイツに噛みつかれたじゃん、物理的に」
「だが、最終的には美味しそうにチョコバーをかじりながら素直に医務室に向かったじゃないか。こちらが素直になれば自ずと相手も素直になるものさ」
そう言ってからジェイクは豪快に笑った。
俺の記憶が正しければ、頭を撫でていたジェイクは思いっきりセイナに手を噛まれ、その暴れるセイナを俺のプロレス技で大人させて、最後は涙目で「動いたらお腹空いた」と言いながら怪獣のようにガリガリとチョコバーをかじりながら医務室の方向に歩いて行ったのだが……あれ、俺が間違えているのかな……?
「さて、ようやく着いたな」
そんな話をしているうちに目的の部屋の前に着いてジェイクはそう言った。
West Wing角部屋、さっき戦っていたトレーニングルームのちょうど上階に当たる部屋だ。
コンッコンッコンッ
ジェイクが扉をノックする。
「はい……」
中から渋い男の声で返事が返ってきた。
「私です。彼を連れてきました」
「そうか、入れ」
短くやり取りした後にジェイクが扉を開いた。
部屋に入ると、そこは全体を白を基調とした落ち着いた雰囲気で統一された長円形の執務室になっていて、壁には高そうな絵画やアンティーク、客人用のソファーやテーブルなどの家具が置かれていた。
さっき見たロナの汚部屋とは段違いだな……
その一番奥、バッキンガム宮殿でもエリザベス3世が使っていたイギリス軍艦の一部を材料に作られたレゾリュートデスクの先に一人の男が立っていた。
「久しぶりだな、フォルテ」
白髪の頭を短く刈り込んである俺よりも背の低い紺色のスーツ姿の白人男性がオフィスの外が見える三枚張りの大きな窓の外からこっちに振り返って声を掛けてきた。
「お久しぶりです。ガブリエル・ベアード大統領」
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