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学園編
仕事 陸
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「おい、おっさん。あんた何を売った?」
俺の前にはガラス板越しにあのブローカーがいた。
俺はあの報告書を受け取った後、すぐに刑務所にいるこのブローカーに会いに来た。
もう日が傾き始めている。
「やっと、あの価値が分かったかね?お嬢ちゃん。それと、その格好でおっさんはやめてくれよ。俺にだって名前が……。」
「じゃあ、囚人番号Dの0891番、あれは何だ?言ってみろ。」
「名前で呼んでくれよ。」
「今の名前はコレだろ?」
ブローカーはため息を付いた。
「お前、交渉下手くそだな。相手に求めるばかりでは……。」
「よし、分かった。すまない、頼んでいたものを……。」
俺はガスマスクをつける。こっちにはあまり飛んでこないとは思うが、念の為だ。
そして、ガラス板の向こうであのブローカーがガスマスクを付けた屈強な男の刑務官たちに取り押さえられた。
「おい、離せ。おい、なんだよ。何なんだよ?」
そして、刑務官は懐から先の長い煙管を取り出した。
それを見て、ブローカーの顔を強張った。
「それは、まさか……。」
「なぁ、売ってたあんたなら、アレの恐ろしさを知っているはずだよな?吸ったらどうなんのか、知ってるよな?だから、売るばかりで、吸ってなかったんだろ?」
恐らくだが、廃人になるんだろう。それもたった一回で……。
「まぁ、どうせ刑務所から出れないんだし、どうせなら吸ってみれ……。」
ブローカーはものすごい勢いで、
「分かった。話す。全て話すから、それだけは……。」
と叫んだ。
俺は刑務官に合図して、離してもらう。煙管も取り敢えずしまってもらった。
「そんなに拒むほど、凄まじいのか?」
「あぁ……。一言でいうと、薬物界の頂点。王様だ。快楽性、依存性ともに一級。それに作り方も簡単だ。」
「お前の知っていること。全て話せ。」
俺の前にはガラス板越しにあのブローカーがいた。
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「じゃあ、囚人番号Dの0891番、あれは何だ?言ってみろ。」
「名前で呼んでくれよ。」
「今の名前はコレだろ?」
ブローカーはため息を付いた。
「お前、交渉下手くそだな。相手に求めるばかりでは……。」
「よし、分かった。すまない、頼んでいたものを……。」
俺はガスマスクをつける。こっちにはあまり飛んでこないとは思うが、念の為だ。
そして、ガラス板の向こうであのブローカーがガスマスクを付けた屈強な男の刑務官たちに取り押さえられた。
「おい、離せ。おい、なんだよ。何なんだよ?」
そして、刑務官は懐から先の長い煙管を取り出した。
それを見て、ブローカーの顔を強張った。
「それは、まさか……。」
「なぁ、売ってたあんたなら、アレの恐ろしさを知っているはずだよな?吸ったらどうなんのか、知ってるよな?だから、売るばかりで、吸ってなかったんだろ?」
恐らくだが、廃人になるんだろう。それもたった一回で……。
「まぁ、どうせ刑務所から出れないんだし、どうせなら吸ってみれ……。」
ブローカーはものすごい勢いで、
「分かった。話す。全て話すから、それだけは……。」
と叫んだ。
俺は刑務官に合図して、離してもらう。煙管も取り敢えずしまってもらった。
「そんなに拒むほど、凄まじいのか?」
「あぁ……。一言でいうと、薬物界の頂点。王様だ。快楽性、依存性ともに一級。それに作り方も簡単だ。」
「お前の知っていること。全て話せ。」
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