壁があるこの世界で……。

学園編

仕事 肆

「テンメェ、俺のことを嵌めやがったな。」

「はーい、嵌められた負け犬は刑務所っていう犬小屋にお戻りください。」

　アムレットは手錠に加えて、足枷をつけ始める。

「なぁ、あんた。いくらなんでもこの量で六億はボッタクリだろ。」

　俺は小包を見せつける。

「いいや、ボッタクリではない。お前には分からないだろうな。そのブツの価値は……。」

「じゃあ、教えてもらいましょうか。是非。」

「吸えば分かる。」

　面倒くせぇな、コイツ。

「まぁ。いい。鑑定にだそう。あと、重度の薬物中毒者の奴に適当に吸わせてその様子を観察してもらおう。」

「人体実験でもする気？」

　アムレットがそう訊いた。

「別にいいだろ。アイツラは塀の中から薬物欲しいって叫んでいるんだから。」

　ディーラーは体を動かしながら、「お前ら、顔を覚えたかんな、いつかやり返してやる。」と叫んだ。

　別に変装の顔覚えられても、痛くも痒くもない。

「分かったから。さっさと行け。」

「この手錠と足枷が着いている状態でどうやって？」