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学園編
トンネルの先で
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トンネルは煉瓦で頑丈にできている。
中は黒の絵の具で塗りたくったような闇でもう道すら見えない。何なら今乗っている二輪車すら見えない。
原動機を停止した後も車輪はそのまま動いていく。
そして、やっと目の前に光が見えた。俺はその光に向かって進んだ。
トンネルを抜けるとそこはまた森の中だった。
丁度トンネルを抜けた地点で車輪は停まった。
「やっと停まった。ブレーキ、改良しないとな。さて戻ろう。」
そして、後ろを振り返る。
そこには入ったときと同じような形のトンネルがあり、中にはまた同じように漆黒の闇が広がっていた。
「こんなにトンネルの中が暗いと中に入れないな。明かりなんて持ってないし。向こうに出ても、そこからの帰り道は分からないし、仕方がない。」
俺は溜息をついて、トンネルとは別の方向に二輪車を押して歩いていった。
空は紅くなり、辺りは暗くなっていく。
「にしてもここは何処なんだ?結構歩いたぞ。」
その時、道がひらけた。
原っぱのような場所に出たらしい。あちこちで色とりどりの花が咲いている。
その時、花畑の向こう側に大きな建物があるのが見えた。
その大きな建物は塀に囲まれていてその塀の中を高い壁が分断している。
そして、その壁は塀の外にも続いていた。
「あれはグレンチェ学院か?」
俺はそのまま、二輪車を押してその学院に行こうとした時、一人の女の子が道端の樹の下で寝ているのが見えた。
艷やかな明るいロングの茶髪でかなり小柄である。
俺は道を訪ねようとして俺は声を掛けた。
その女の子は目を覚まし、こちらを見つめる。綺麗な緑色の瞳が涙で煌めき宝石の様だった。
「んんっ、ん~、寝ちゃってたか。あれ、どちら様?」
「すみません、私、グレンチェ学院の生徒でして……。」
私が尋ねると、その女の子は丁寧に答えてくれた。
「私もそうなんです。」
同じ学院の生徒か……。良かった。
「私は機械工学科フレデリク研究室所属のローゼンです。」
それを聞くと、女の子は首を傾げた。
「機械工学科?何ですか?それ。」
フレデリク研究室は無名だが、機械工学科はそれなりに大きい学科である。学院の生徒なら知っていると思うんだが……。
「知らないですかね。第二棟の七階にあるんですけど……。」
「七階?第二棟?グレンチェ学院に七階もある棟なんてありませんし、数え方はA棟、B棟、C棟ですよ?」
え?
「ちょっと待ってください。グレンチェ学院ですよね?」
「えぇ、聖神教国運営のグレンチェ学院ですけど……。」
聖神教国運営?
聖神教国って壁の向こうの?
つまり、えっと、あの建物はグレンチェ学院だけど教国側の?
つまり俺、今、聖神教国にいるの?
壁の向こう側にいるの?
今、敵国にいるの?
中は黒の絵の具で塗りたくったような闇でもう道すら見えない。何なら今乗っている二輪車すら見えない。
原動機を停止した後も車輪はそのまま動いていく。
そして、やっと目の前に光が見えた。俺はその光に向かって進んだ。
トンネルを抜けるとそこはまた森の中だった。
丁度トンネルを抜けた地点で車輪は停まった。
「やっと停まった。ブレーキ、改良しないとな。さて戻ろう。」
そして、後ろを振り返る。
そこには入ったときと同じような形のトンネルがあり、中にはまた同じように漆黒の闇が広がっていた。
「こんなにトンネルの中が暗いと中に入れないな。明かりなんて持ってないし。向こうに出ても、そこからの帰り道は分からないし、仕方がない。」
俺は溜息をついて、トンネルとは別の方向に二輪車を押して歩いていった。
空は紅くなり、辺りは暗くなっていく。
「にしてもここは何処なんだ?結構歩いたぞ。」
その時、道がひらけた。
原っぱのような場所に出たらしい。あちこちで色とりどりの花が咲いている。
その時、花畑の向こう側に大きな建物があるのが見えた。
その大きな建物は塀に囲まれていてその塀の中を高い壁が分断している。
そして、その壁は塀の外にも続いていた。
「あれはグレンチェ学院か?」
俺はそのまま、二輪車を押してその学院に行こうとした時、一人の女の子が道端の樹の下で寝ているのが見えた。
艷やかな明るいロングの茶髪でかなり小柄である。
俺は道を訪ねようとして俺は声を掛けた。
その女の子は目を覚まし、こちらを見つめる。綺麗な緑色の瞳が涙で煌めき宝石の様だった。
「んんっ、ん~、寝ちゃってたか。あれ、どちら様?」
「すみません、私、グレンチェ学院の生徒でして……。」
私が尋ねると、その女の子は丁寧に答えてくれた。
「私もそうなんです。」
同じ学院の生徒か……。良かった。
「私は機械工学科フレデリク研究室所属のローゼンです。」
それを聞くと、女の子は首を傾げた。
「機械工学科?何ですか?それ。」
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「知らないですかね。第二棟の七階にあるんですけど……。」
「七階?第二棟?グレンチェ学院に七階もある棟なんてありませんし、数え方はA棟、B棟、C棟ですよ?」
え?
「ちょっと待ってください。グレンチェ学院ですよね?」
「えぇ、聖神教国運営のグレンチェ学院ですけど……。」
聖神教国運営?
聖神教国って壁の向こうの?
つまり、えっと、あの建物はグレンチェ学院だけど教国側の?
つまり俺、今、聖神教国にいるの?
壁の向こう側にいるの?
今、敵国にいるの?
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