壁があるこの世界で……。

怠惰な雪

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学園編

黒仮面の盗賊

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「待てーー！！！！」

　静寂な街に怒号が響いている。見ると、警棒とランタンを持った大勢の警察が街の路地を走っている。

　その前を走るひとつの影があった。

　その影は路地を縦横無尽に走り回り、あちこちに移動している。その後を警察が追っている。

　いつしか、その男は遂に袋小路に追い詰められた。

「観念して、今すぐ投降しろ。さもなくば……。」

　そして、その追いかけられていた男はゆっくりと振り返る。顔には黒い仮面をしていて、素顔が見えない。

　観念したように、その男は手を上げる。次の瞬間、手を上げるときに掴んでいた、物を前に投げた。

　その時、閃光が走り、辺りが光で満たされた。

　警官は目が見えなくなり、その場で倒れ込む。

　また目が見えるようになる頃には仮面の男は消えていた。

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