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夏
答え合わせ 問二
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「これに関しては本当に予想だよ。」
「まず、仮面の人には条件がある。こればっかりは簡単で、この村の図書館がどこにあるか知っている人物なんだよ。乃花ちゃんと薫さんはこの図書館の存在を知らなかった。無論、嘘の可能性もあるがまず考えないでおく。」
「そうなると、知っていたのは、涼波、光くん、高音ちゃんだ。涼波は、十年前にはまだ、元の世界にいるから除く。」
「光くんと高音ちゃん。そして、特定する前に一つ、疑問が浮かんだ。なんで、君はあの日、ノートを確認しに来たのかって。多分理由は僕の質問でしょ?」
光くんは椅子に座って、頬杖をつく。
「そうだよ。」
「高音ちゃんたちには、いつ来たの?って僕は尋ねたんだが、君に対しては、どれぐらいいるの?って尋ねたね。」
光くんは困ったような顔をする。
「あの時は焦ったよ。かれこれ、十年位はこの村にいるのにこの村に来たばかりを装っている人間に対して、どれぐらいいるの?だからね。バレたんじゃないかって気が気でなかったよ。」
「だから、不安になってすぐに確認に来たんだね。」
「そ、本当に焦ったよ。」
「所で、君はなんで、拳銃がこの村にあることを知っているの?」
「まぁ、コレも予想だよ。想像でしかない。」
「でも、その想像は当たっている。」
僕はリュックの中から、あるものを取り出す。
「だよね。僕もこれを見るまでまさか当たっているとは思わなかった。」
そう、拳銃だった。
「さぁ、まず何から聞きたい?光くん。」
僕は驚く光くんに問う。
「手っ取り早く、場所を聞きましょうか。どこにあったんです?それ。」
「蜂谷高音ちゃんの鞄の中。」
「なんで高音ちゃんが持っていたんでしょうか?」
「高音ちゃん曰く、たまたま見つけたんだと。雨樋に引っかかっていたものが、たまたまベランダに落ちてきたらしい。」
高音ちゃん、驚いただろうなぁ。
「どうして、雨樋なんかに?」
「それは君がよく知っているだろ。陽太郎とこのノートの作者はあのアパートの屋根の上で自殺したんだから……。そして、君は落ちてきたノートを拾ったんだろ?」
「死体はいつの間にか、消えてましたね。まぁ、その理由は恐らくデリートキーでも押されたんですかね。」
光くんは思い出すように……。
「ところで、京介さん、たった一つ、分からない所が有りまして、なんで、わざわざ陽太郎と蛍は屋上で自殺したんですか?」
「それは君を巻き込まないためだろうな。あの建物は木造で拳銃の弾くらい貫通する。それに、あそこから撃ったら、弾は棚田の方に落ちていく。君には当たらないと踏んだんだろうな。」
「なんで、僕をかばって?」
「死人に口なし、今となってはさっぱり分からないよ。でも、余りの弾は幾ら探してもどこにもなかったから、本当に君を巻き込む気はなかったんだろ。」
「話題は変わりますが、なんで高音ちゃんが拳銃を持っているって分かったんです?」
「結構最初からあの子は違和感があったんだよな。まず、四六時中、鞄を背負っていたのは十分怪しかったし、それに左肩に肩紐をかけて、斜めに背負っていたからね。本を右手で拾っていたから、あの子は右利きだと思う。利き手の方向に鞄があったら、邪魔だと思うし、多分いつでも取り出せるように利き手側に置いておいたんだよ。それに、乃花ちゃんが僕と高音ちゃんの間に座ったときから、話すようになったんだ。多分、僕のことを警戒していたからだと思う。」
「警戒していたって、何でですかね?」
「それは多分、まぁ、口に出さないほうが良いな。君もあまり聞くなよ。」
僕もあんなテレビで流れていたことが本当に起きていることなんて知らなかった。
「まず、仮面の人には条件がある。こればっかりは簡単で、この村の図書館がどこにあるか知っている人物なんだよ。乃花ちゃんと薫さんはこの図書館の存在を知らなかった。無論、嘘の可能性もあるがまず考えないでおく。」
「そうなると、知っていたのは、涼波、光くん、高音ちゃんだ。涼波は、十年前にはまだ、元の世界にいるから除く。」
「光くんと高音ちゃん。そして、特定する前に一つ、疑問が浮かんだ。なんで、君はあの日、ノートを確認しに来たのかって。多分理由は僕の質問でしょ?」
光くんは椅子に座って、頬杖をつく。
「そうだよ。」
「高音ちゃんたちには、いつ来たの?って僕は尋ねたんだが、君に対しては、どれぐらいいるの?って尋ねたね。」
光くんは困ったような顔をする。
「あの時は焦ったよ。かれこれ、十年位はこの村にいるのにこの村に来たばかりを装っている人間に対して、どれぐらいいるの?だからね。バレたんじゃないかって気が気でなかったよ。」
「だから、不安になってすぐに確認に来たんだね。」
「そ、本当に焦ったよ。」
「所で、君はなんで、拳銃がこの村にあることを知っているの?」
「まぁ、コレも予想だよ。想像でしかない。」
「でも、その想像は当たっている。」
僕はリュックの中から、あるものを取り出す。
「だよね。僕もこれを見るまでまさか当たっているとは思わなかった。」
そう、拳銃だった。
「さぁ、まず何から聞きたい?光くん。」
僕は驚く光くんに問う。
「手っ取り早く、場所を聞きましょうか。どこにあったんです?それ。」
「蜂谷高音ちゃんの鞄の中。」
「なんで高音ちゃんが持っていたんでしょうか?」
「高音ちゃん曰く、たまたま見つけたんだと。雨樋に引っかかっていたものが、たまたまベランダに落ちてきたらしい。」
高音ちゃん、驚いただろうなぁ。
「どうして、雨樋なんかに?」
「それは君がよく知っているだろ。陽太郎とこのノートの作者はあのアパートの屋根の上で自殺したんだから……。そして、君は落ちてきたノートを拾ったんだろ?」
「死体はいつの間にか、消えてましたね。まぁ、その理由は恐らくデリートキーでも押されたんですかね。」
光くんは思い出すように……。
「ところで、京介さん、たった一つ、分からない所が有りまして、なんで、わざわざ陽太郎と蛍は屋上で自殺したんですか?」
「それは君を巻き込まないためだろうな。あの建物は木造で拳銃の弾くらい貫通する。それに、あそこから撃ったら、弾は棚田の方に落ちていく。君には当たらないと踏んだんだろうな。」
「なんで、僕をかばって?」
「死人に口なし、今となってはさっぱり分からないよ。でも、余りの弾は幾ら探してもどこにもなかったから、本当に君を巻き込む気はなかったんだろ。」
「話題は変わりますが、なんで高音ちゃんが拳銃を持っているって分かったんです?」
「結構最初からあの子は違和感があったんだよな。まず、四六時中、鞄を背負っていたのは十分怪しかったし、それに左肩に肩紐をかけて、斜めに背負っていたからね。本を右手で拾っていたから、あの子は右利きだと思う。利き手の方向に鞄があったら、邪魔だと思うし、多分いつでも取り出せるように利き手側に置いておいたんだよ。それに、乃花ちゃんが僕と高音ちゃんの間に座ったときから、話すようになったんだ。多分、僕のことを警戒していたからだと思う。」
「警戒していたって、何でですかね?」
「それは多分、まぁ、口に出さないほうが良いな。君もあまり聞くなよ。」
僕もあんなテレビで流れていたことが本当に起きていることなんて知らなかった。
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