夏に雪がふる、そして桜が咲く。

夏

トンネルの謎

　僕と鈴波はアパートに戻った後、食堂にいた。

　僕はアパートの共有スペースにあったダージリンティーを淹れて持っていった。

　鈴波と向かい合うように席につき、僕は口を開いた。

「あのトンネルはどこにも通じていないとは……。」

「京介がトンネルの中で言っていたけど、確かになんで作られたんだろうね。」

「Everything happens for a reason.」

　涼波は小声でそう呟いた。

「全ての物には意味がある、だっけそれ。あまり英語は得意じゃなくて……。」

「そう、それであってる。」

「意味か……。確かになんか意味があるんだろうけど……。」

　僕と鈴波はダージリンティーを飲んだ後、しばらくの間話をした後、一緒に夕食を作り始めた。





　僕は味噌汁を作っている間に涼波はホイコーローを作っていた。

　ホイコーローが出来上がると、僕と鈴波は食べ、食事を済ませた後、適当に風呂に入ってそのまま部屋で眠ってしまった。





　白い霧の中に僕は立っていた。

　今度は少し周りを見渡せる位には首が動くようになっていたが、まだ体は動かない。

「また同じ夢かぁ……。」

　いつの間にか声も出せるようになっていた。

　その時、霧が晴れてきた。

　そして、目の前に茶色いなにかが見えた。

　その時に目が覚めた。