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革命編

昔話

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 その後、2年が経った。

 その間も私の昇進は無く、班長のままだった。そして私たちは報告の為フォックス・ワイルドに来ていた。

「メアリー班長、報告は終わりましたか?」

 大隊長の部屋から出ると、イオが尋ねてくる。

「あぁ、終わったよ。とりあえず飯でも食うか。準備があるからちょっと待ってて。」

 そう言って、私は休憩室に向かった。





「君がイオ君かい?」

 名前を呼ばれて後ろをむくと、背丈の大きな女の人が立っていた。胸元を見ると幹部のピンが刺してある。恐らく中隊長以上だろう。

「はっ、私めがメアリー班、イオでございます。」

 そうして、私は敬礼をした。

「よい、よい、そう固くなるな。」

 その人は柔らかい口調でそう答えた。

「はぁ、」

「ところで、メアリー班長はどうだい?素晴らしい上司かい?」

「えぇ、とても素敵な御方ですよ。」

「そうか、素敵か……。」

 その人は、にこやかに笑う。

「強いや恐ろしいよりも素敵が出てくるあたり、メアリーは大分変わったんだろうな。」

「変わったって?」

「昔話に興味はあるかい?」

 そして、懐から煙草を出し、私の前で振った。私はどうぞと言う。煙草に火をつけ、口にくわえる。

「昔のメアリーの班は地獄の4班だなんて、言われていたんだ。」

「えげつない程過酷な訓練を積み、実力を示さなければ解任となる、そんな班。まぁ、私直属の班なのだが。」

 その人は煙を吐いた。

「そんな所に、彼女は8歳から所属、その1年後には班長になって、班員をきつくしごいていた。まったく凄いよ。」

「それに地獄の4班にはもう一つ意味があってな、地獄って死んだ人間が行く場所だからもう死なないだろ。だから、その班は訓練で命をもう落としているから、実践ではもう死なないという意味もある。実際、死傷者は4班ではゼロだったんだ。歴代の総計でね。」

「でも、12年前にルイス・ミラデナスによって、4班は壊滅になった。その後は、君も知ってるだろう。」

 その人はまた、新しい煙草に火をつけた。その時、メアリー班長が戻ってきた。

「ケレス大隊長、イオになにか御用ですか?」

 ケレス大隊長と呼ばれた人は班長の方を向いて、壁によりかかる。

「いや、特には……。それより最近すごい頑張っているらしいじゃん。」

「は、ありがとうございます。」

 その後は挨拶をして、メアリー班長と共に外に出た。
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