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青年期

歴史

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 これは純血と混血で別れる前の話だ。

 別れる前、この土地はヴォノランドと呼ばれていた。

 そこでは、唯一教と呼ばれる宗教が信じられていた。

 今、信じられている宗教、聖神教の前身である。

 この唯一教の教えはたった1つである。

 神を認め、信じ、生きること

 この神というのは、世界中のことを全てを知り、見ているもので、世界の均衡を調節しているものだ。つまり、神様から目をつけられないように大人しく、誠実に生きろよという実に単純明快なものなんだが。それすら満足に守れない輩がいる。

 ある日、武装蜂起が各地で同時に発生した。人を殺したものが自分は救われないと思い、ヤケクソで同じような人を殺したことがある仲間を集め、起こしたらしい。

 今では、特別剣兵隊のような組織が鎮静に走るが、この時はそれがなかった。また、神の教えの影響で市民は人を殺すことを躊躇い、神にすがった。ただ、神に祈っても、献金しても、貢いでも、神は沈黙したままだった。

 そのうち、その武装蜂起した集団に寝返るものがでてきた。そのせいで更に善良な市民は追い詰められていく。

 結果、武装蜂起した側が勝利し、独立。ヴォノランドは2つに別れた。

 そのうち、神に背き、人を殺した方が権力が強くなり、我々が本来の人間の姿だと自称するようになり、純血民族と名乗るようになった。そして、神を信じ続けた者は人間らしくないと言われ、混血民族と呼ばれるようになった。

 そして、純血民族は唯一教を自分たちに都合の良いように改造した聖神教を創り上げた。

 魔女というものは最初こそはその武装蜂起した者たちを指す言葉だったが、その内、唯一教を信仰する人を指すようになった。そして、聖神教に背く女という意味に変わったのである。

 これが今の世界の始まりだった。

 そして、この真実は市民にはあまり知られていない。
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