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幼少期

少女

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「とりあえず、体を洗いたいな。」

 あの少年をおんぶしながらクリスの家の玄関前でそう言った。俺は顔についた汚れは拭いたが、まだまだ砂埃がついている。また、このおんぶしている少年もしばらくの間体を洗っていなかったようで、かなり汚れていた。

 そう言って、クリスの家に入るとそのまま浴室に向かった。クリスの家には窯からの熱を利用した風呂があった。

 少年を浴室の中に座らせると、服を脱がし始めた。

 ドタッッ!

 クリスが夕飯の用意をしていると、そんな大きな音が2階にある浴室から聞こえてきた。浴室にはルイスとあの少年が今いるはずだ。不審に思ったクリスはおそるおそる2階に上がった。浴室からは何も聞こえない。勇気を出して浴室の扉を開けて、中を覗き見る。

 そこに倒れているルイスを見つけた。

 クリスが近寄り状態を確認する。どうやら頭を打って気絶しているらしい。

 その時あの少年が視界に入った。服は纏っておらず、心配そうな顔でこっちを見ている。そして、そこにはあるべきがなかった。そう、少年ならあるべきが。

そう、この子供は少年ではなく、少女だったのだ。
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