ソシャゲのエルフ幼女となった主人公は異世界で生きていけるのか？〜無課金プレイヤーが送るエルフ幼女の異世界生活

森の中のエルフ幼女、森の中の生活を開始する

あるゲームの確率が表記されましたね。あの確率でも出せる自信のある人は本気で凄いと思います。

　深夜にはなったが、ようやく我が家に帰って来た。

　我が家はまだまだ色々な所で泡を出したりしているが、見た目は大分戻って来たな。

「あ…うん、凄い家よね」

　若干顔が青くなっているセシルを連れて、家の中に入るとする。



「お帰り、マスター。お土産は何を買ってきてくれたのだ？ 」

　家鳴りが嬉しそうに出迎えに来てくれた…そういや果物を欲しがっていたな、と思い出しつつお供え物の為に買った残りの果物を渡してやる。

「ほぉほぉ…変わった物が多そうで嬉しいぞ。それと、新たな仲間かえ？ 我は家鳴り。家に取り憑いておる妖怪じゃ宜しく頼む」

　既に果実を頬張りながら良い笑顔で挨拶をする家鳴り……そんなに飢えていたのか、反省しないとな。

「家鳴りちゃんね。私はセシル。この間一緒に世界の守護者と戦った仲なのに忘れられるなんて悲しいわ」

　どうやらセシルは家鳴りをからかうつもりなのか？ 嬉しそうに話すセシルに、家鳴りは…






「ペロっ！ふむ…この味の魔力は確かに覚えがあるな。あのチャラい男に化けておったのか。今の姿の方が全然良いのぅ」

　何と、セシルの首筋を舐めている ⁈  流石のセシルもその行動は予想外だったのか、顔を真っ赤にして抗議している。

「ちょ、ちょっと何するのよ？ まだジルアちゃんにもキスはされてないのに！ 私にも好みはあるのよ？ 貴女は…いいわねぇ……とてもいい……今からゆっくり今後について話し合いましょうか？ ちょっとだけ苦しいかも知れないけどすぐ終わるから…ね？ 」

「な、何じゃこの娘？ いきなり顔を赤らめてこちらに来るでない！ 我の着物の中に手を入れるでない！…やめんか、それは褌の紐じゃ！ 離さんか！ 」

　盛り始めた2人を殴り、寝ぼけ眼のシロを連れてお風呂に入る。

　残る2人が文句を言うが、はしゃいでいた罰なので仕方ないよね？ 風呂も狭いし。



　ちゃっちゃっとシロの服を脱がせて自分の服も脱いでしまう。

　シロの頭を洗っていると、シロが何だか言いたそうにこちらをチラチラ見てくる…何だ？ 洗い方が悪いのかな？

「あの、ご主人は何でそんなに普通なんですか？ スプリガンさんや鋼竜さんに、プーカさん…でしたっけ？ あの人達も亡くなったのに、冒険者さん達が亡くなったと知った時と違って平気そうなので…いや、薄情だと思っている訳では無いんですよ？ ただ…」

　少しだけ心苦しそうに話すシロを見て、成る程と考えてしまう。

　確かに説明しなければ分からないよね。

「成る程、確かにシロの言う通りだ。説明もしないで私だけが納得している今の状態は、確かに不自然だったね。反省するよ。そうだね…そろそろ呼べるし、呼んでみるか。『スプリガンおいで』」

　俺の言葉と共に、執事姿のスプリガンが少年の姿で現れる。

「主人よ…呼ぶのは良いが、せめて2人きりの時にしてくれないか？ メーメー煩い娘の裸姿なんて、俺には需要は無いんだが…」

　呆れ顔のスプリガンが、俺に顔を向けて抗議をしてくる。

　どうやら問題無く召喚出来たようだ…リキャスト時間が2日だったから安心はしていたが、やっぱり実物を見ると安心感が違うな。

「な、なんで生きているんですか ⁈   あれだけ剣に刺されて、最後には光になって消えていったのにどうして、当たり前のようにいるんですか！ 」

　シロの様子がおかしくなった！ 頭から湯気を出して混乱している。

「何をメーメー言っている？ 妖精が死ぬ訳無かろう。最後のあれは演出だ……そう言えば私が消える時、相手に吹き飛ばされてボロボロになった奴が何故か俺の方を見て泣いていたな。主人が泣くのは分かるが、何処どこぞの獣人の娘も涙腺は緩いようだ」

　からかうように喋るスプリガンだが、どうやらシロの無事な姿を見て安心しているようだ。

　元々妖精の守護者とまで言われるスプリガンだ、意外と面倒見が良いのも納得だ。



『取り敢えず、ここから出て行け！ ジロジロとご主人の裸を見るんじゃない！ 』

　シロの怒涛の押し込みで、風呂場から出されるスプリガン。

　シロも元気になったようだし、後で全員集めて話をするか。






「すると何ですか？ ご主人の呼ばれる妖精さんや妖怪さん達は死んでも時間さえ経てば復活して、また呼び出す事が出来るって事ですか？ しかも、それを知らなかったのはシロだけで、他の皆さんは知っていたと？ ふーん…そうですか、シロだけ仲間はずれだったんですね。ご主人もそんなシロを見て内心笑っていたんですね…」

　全員お風呂から出た後、スプリガンの復活について話をしたのだが、案の定シロが不貞腐れてしまい、俺が必死に宥めている状態だ。

「我は我自身の事だから知っていて当然じゃが、セシルが知っているのには疑問があるがの」

　家鳴りは、セシルの事を警戒しているのかチラチラと視線を飛ばしている。

「私が知っているのはジルアちゃんと似た境遇だからかな？ だから3人ともそんな目で私を見ないでよ ⁈  」

　必死に弁解するセシルだが、どうやらスプリガンやシロにも見られていたようだ。

「そうだね。そういう考えでいてもらって良いよ…ただ、競争獣達は死んだら蘇よみがえらないと思うからその辺は注意しないといけないと思う。後、スライムに関しては分からないかな？ 」

　俺が一番心配していたのは実は鋼竜だったのだが、召喚欄に名前があったので起きた時には心底嬉しかった。

　明日にも呼んで鱗の手入れでもしてやろう。

「そういう事だ。それ以上主人を責めてやるな。今回の件は事故みたいなものだしな。何より主人自身すらそのスキルの効果が未だ分かってない状態だからな」

　そう言って、黒い手の作る軽食を運んで来てくれるスプリガン。

　執事が運びメイドが食べる…そんなおかしな光景が続く中、食事を終えた俺達は本格的に話し合うことにする。






「まずは『異世界転生者』の称号効果を教えて欲しい。『異世界転移者』には、『異世界言語』と『スキル所得』という効果が付いていたんだが、多分そちらにも似たような物が付いていると思う。それを教えて欲しい」

　俺の言葉にセシルとシロが称号の確認をしている。

　さて、どんな風になっているのやら楽しみだ。