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番外編① グギュリエの憂鬱
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何百年も昔の話。
「はぁああ! 面倒臭いのう!! この森の管理なんて! 魔王も何考えとるんじゃ! ちゅーか不可侵条約なんて結びおって!! もう誰も傷つかないようにするためって! はぁあああの色ボケ魔王が!!」
愚痴をこぼしながら、グギュリエは書類を整理していた。
「でもなぁ、どうせ次世代の魔王様も人間に恋をするじゃろうしなぁ·····あっ! いっその事魔王様のタイプの女全てに呪いをかけてやろう! うむ! それが一番じゃ! よし! やろう!」
魔王が惚れた人間。
彼女は美しく努力家で魔族と同レベルいやそれ以上の実力の持ち主で少しひねくれてた可愛い少女。
「闇よ我が願いを永遠に叶えたまえ!その悲しみが二度と起きぬよう、運命の出会いを阻止させよ! 封印の鎖!」
その呪いは彼女が生きている間に一生続くものだった。
効果は、魔王のタイプになりそうな者に制限をかけるもの。
タイプというか、魔王が好きになった女に限りなく近い者。
魔王は何故か強い女を好きになる、魔王に気づかれないようにするため弱体化するのだ。
だが魔王のタイプに当てはまる人間は数百間で数える程度だった。
しかも、その呪いは殆どの人間に対して無害である為、かかっても誰も困らなかった。
なぜなら魔族と同レベルまで魔法を使う人間なんて殆ど居ない。
いたとしても、好戦的だったりプライドが高くなければさほど問題にはならない。
だって本人だって気づかないのだから。
なので呪いにかかったにんげんは何不自由なく生きてきた。
ただ1人を除いて!!
『·····うわああああ!! これ妾が施した呪いじゃああああ!!!』
あいらの呪いを解いた時に気づいた、あれ? これ自分がかけた呪いじゃね? と。
『やっべー! 大したものじゃとか言ったけど妾の呪いじゃん! そりゃ、大したものだわ! えっ、まさか本当に!? 魔王のタイプ!? いや確かにさっきの魔法陣凄かったけども!』
あいらの過去を覗き、この子を何とかしてあげようと思ったグギュリエだったが、そもそも苦しんだのは自分のせいだと気が付き、冷汗が垂れている。
『うわあああ! そんなこと言うな! ごめん! 苦しめてたの妾ぁ! もっ、もう何でもするから! 妾お主の為になんでもするから! これ以上考えないでくれええええ!!』
その場の気持ちで、魔族の魔法を教えてしまったグギュリエ。
『まぁ現魔王は女性だし呪いを解いても関係ないからよいか····? ·いやでも、大丈夫かのう·····まっ、まぁ何とかなるじゃろ! あんな燃費の悪い魔法使ったとしても一、二回じゃろうし!』
その後、グギュリエは魔王から大目玉をくらい、面倒事に巻き込まれる事になる。
·····彼女の憂鬱は続く。
「はぁああ! 面倒臭いのう!! この森の管理なんて! 魔王も何考えとるんじゃ! ちゅーか不可侵条約なんて結びおって!! もう誰も傷つかないようにするためって! はぁあああの色ボケ魔王が!!」
愚痴をこぼしながら、グギュリエは書類を整理していた。
「でもなぁ、どうせ次世代の魔王様も人間に恋をするじゃろうしなぁ·····あっ! いっその事魔王様のタイプの女全てに呪いをかけてやろう! うむ! それが一番じゃ! よし! やろう!」
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彼女は美しく努力家で魔族と同レベルいやそれ以上の実力の持ち主で少しひねくれてた可愛い少女。
「闇よ我が願いを永遠に叶えたまえ!その悲しみが二度と起きぬよう、運命の出会いを阻止させよ! 封印の鎖!」
その呪いは彼女が生きている間に一生続くものだった。
効果は、魔王のタイプになりそうな者に制限をかけるもの。
タイプというか、魔王が好きになった女に限りなく近い者。
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だが魔王のタイプに当てはまる人間は数百間で数える程度だった。
しかも、その呪いは殆どの人間に対して無害である為、かかっても誰も困らなかった。
なぜなら魔族と同レベルまで魔法を使う人間なんて殆ど居ない。
いたとしても、好戦的だったりプライドが高くなければさほど問題にはならない。
だって本人だって気づかないのだから。
なので呪いにかかったにんげんは何不自由なく生きてきた。
ただ1人を除いて!!
『·····うわああああ!! これ妾が施した呪いじゃああああ!!!』
あいらの呪いを解いた時に気づいた、あれ? これ自分がかけた呪いじゃね? と。
『やっべー! 大したものじゃとか言ったけど妾の呪いじゃん! そりゃ、大したものだわ! えっ、まさか本当に!? 魔王のタイプ!? いや確かにさっきの魔法陣凄かったけども!』
あいらの過去を覗き、この子を何とかしてあげようと思ったグギュリエだったが、そもそも苦しんだのは自分のせいだと気が付き、冷汗が垂れている。
『うわあああ! そんなこと言うな! ごめん! 苦しめてたの妾ぁ! もっ、もう何でもするから! 妾お主の為になんでもするから! これ以上考えないでくれええええ!!』
その場の気持ちで、魔族の魔法を教えてしまったグギュリエ。
『まぁ現魔王は女性だし呪いを解いても関係ないからよいか····? ·いやでも、大丈夫かのう·····まっ、まぁ何とかなるじゃろ! あんな燃費の悪い魔法使ったとしても一、二回じゃろうし!』
その後、グギュリエは魔王から大目玉をくらい、面倒事に巻き込まれる事になる。
·····彼女の憂鬱は続く。
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