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第6章:魔法学園 授業革命編
第192話 『その日、暖かく出迎えられた』
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あれから3時間が経過した。
日はとっくに沈み、世界が暗闇に包まれても、学生寮前は大勢の人で賑わっていた。シラユキの起こした今回の騒ぎを聞きつけた人達が集まり、更にそこから人が人を呼び、いつの間にか上級ダンジョンの入り口前広場は、大規模なパーティー会場へと変貌していた。
見守る人達用の椅子が用意され、次にテーブル。各家の使用人や寮のシェフ達が協力して料理が並び立てられる様子を見て、ここにいる人達は誰もが、シラユキならやり遂げると信じているのだと実感させられた。
……少し、心配しすぎなのかな。でも、あのことを思い出すだけで体が震えてくる。あれが現実になるとは思えないけれど、でもシラユキが居ないんじゃ……。
そう思っていると聞き慣れたクラスメイトの声が聞こえてきた。
「2人ともおっすー」
普段とは打って変わって楽しげな声を上げるのは、クラス1の倦怠姫。気怠げ娘のテトラだった。テトラは私が猫をかぶるのをやめたのと同時に、いきなり距離を詰めてきた子だ。
出会った頃はこちらに無関心だったけど、今ではクラスの中でも割と仲の良い友達だと思う。
「おっすー」
「こ、こんばんは」
「ん」
テトラといつものようにハイタッチをして、アリスはまだテトラのノリに慣れていないみたいでお辞儀をする。
「リーリエさんとリリちゃんもこんばんー」
「こんばんは、テトラちゃん」
「こんばんはなの」
「おっと、そこのモフモフ尻尾はココナちゃん?」
テトラは、丸まって休んでるココナちゃんを見つけたようで声を掛ける。ココナちゃんはうとうとはしていたけれど、眠ってはいなかったようでゆっくりと顔を上げた。
「ふあ……テトラさんなのです」
「そーそー、テトラさんだよー。ココナちゃんはお休み中だったかな?」
「はぃ、ママのお膝が気持ちよくて、寝ちゃってたのです」
「ふふ、良い子良い子」
寝ぼけた感じでグルーミングするココナちゃんを、リーリエママが優しく撫でる。その様子を見て、テトラもココナちゃんの頭を撫でていた。
「意外ね」
「んー?」
「普段のテトラなら、多少の騒ぎが起きても気にも留めずに自分の用事を優先してるから」
「まあ多少なら、ね? でも、今回の騒ぎの中心点はシラユキちゃんな訳じゃん。それなら多少で済むわけがないでしょ」
「あは、それもそうね。でも、普段授業が終わればプライベートスペースに引っ込むのに、貴女のところにまでこの騒ぎが広がってたの?」
「新聞部が騒いでたからね。嫌でも耳には入るわ」
「あー……」
新聞部となると、キャサリン先輩か。
そう言えばフェリス姉様からの定期連絡で、その内先輩がシラユキ相手に突撃してくるかもって話があったわね。
そう思っていると、私とテトラの間に突然人影が現れた。
「ボクの事呼んだ?」
「わっ!?」
「うわでた」
ドヤ顔で現れたのは新聞部部長のキャサリン先輩だった。
ほんとこの人、神出鬼没ね!
「んもー、テトラちゃんてば。人を疫病神みたいにー」
「似たようなもんでしょ」
「あ、まだあの時のこと怒ってる? ごめんってー。反省してるから許してー」
「どうだか。いつもの調子でシラユキちゃんの不興を買わないことね」
「そこは大丈夫! 相手が相手だからね、ボク達も慎重に立ち回っているさ。まあでも、調べれば調べるほどシラユキちゃんほど分かりやすい子はいないよ。人道に反することをしない限りは、あの子に嫌われることはそうそうないかなって」
確かに、シラユキが何を嫌って何を好むかは、他の子よりも分かり易いかも。
「話が広がるのがあまりにも早いと感じていたけど、発信源はキャサリン先輩ですね?」
「うん、バレちゃった? いやー、週明けの新聞ネタは何しようかと思ってたんだけど、結局皆が気になってるのはシラユキちゃん周りのお話だろうからね。試合が終わってからは遠慮なく、彼女の周辺で目を光らせてたんだ! まさか選択授業を休んでダンジョンに行くとは思わなかったけど!」
「それで、私達が駆けつけてすぐに、この場所に人が集まり始めていたのね」
「そういう事だね! こんな一大イベント、観客もなく済ませるなんて勿体無いでしょ! 中級ダンジョンのクリアはいつの間にか済ませられてたけど、こればっかりは逃せないよ」
ま、あの子は目立つ事が大好きみたいだし、こういうサプライズは悪くないかもね。
「それよりさ、ソフィア達暇してるなら午前中の続きしない? 待つだけってのは疲れるし、他のことを考えた方が気も紛らわせるでしょ」
「テトラ、あなたもしかして……」
「断られないってことは、良いってことだよね? それじゃ早速なんだけど」
「えー? なになに、何の話だい?」
「アンタはお呼びじゃないっての」
無理やり話を持っていく姿に、思わず笑いが込み上げる。
あー、私そんなに思い詰めてた顔してたかな。お礼と言っては何だけど、懇切丁寧に教えてあげるわ。
キャサリン先輩は蚊帳の外だけど。
シラユキ達が元気に出てきたのは、それから1時間後のことだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「いやぁ、ボス戦よりも疲れたわ」
「それだけ皆さま、心配なさっていたんですよ。お嬢様のことを」
「ふにゅう……」
ダンジョン前で盛大に出迎えられた私たちは、色んな人たちにもみくちゃにされ、ようやく自室に帰ってきたところだった。
時刻は20時過ぎ。そろそろお風呂に入ってのんびりおしゃべりして、ベッドでお休みしたいところだけど……。流石に疲れたわ。お風呂に行く元気もないかも。
「そうよ。心配したんだから」
「改めて、ご無事で良かったです」
そう言う2人の目は赤い。さっきは感極まって泣いちゃってたもんね。公衆の面前で、周りの事なんて気にも止めないくらい……。
泣かせるほど心配させちゃったのは、ママのお説教以上に効いたわ。心配させないために黙って行っちゃったのは失敗だったなぁ。反省しなきゃだわ。
そんな2人は今、私の両隣を占有していて腕にしがみついている。抱きしめてあげたいけど、腕を掴まれると何も出来ないわね。
「次から気をつけるわ」
「そうしてよね!」
「そうしてください……」
「でも大丈夫よ、この国に上級ダンジョン以上に危ない場所なんてないから。だからさっきも神丸に声かけていたのを聞いていたかもしれないけど、週一で挑みたいわね。素材的にも美味しいけど、経験値も馬鹿にならないし」
「それを聞いて安心するべきかどうか……悩ましいわね」
「……そう言えば先程こっそりと教えて頂きましたが、お二人共レベルが上がったんですよね? どれくらいお強くなられたんですか?」
アリシアと顔を見合わせる。
「私は上級ダンジョンに入る前は、『ローグ』のレベルが47でしたが……。クリア時には54まで上がっていましたね。50から先はボスの経験値でしたが、それでも上級職にも関わらず47から50に上がったのは、それだけ強い魔物がひしめき合っていたからでしょう」
「「すごい……!」」
アリシアが、初のレベル50を超えたこともあって、2人は感動と共に力強い拍手を送った。それだけレベル50の限界値を超える人間は稀だということね。
「シラユキちゃんは15が16になったけど」
「アンタの場合その数字じゃ全然変化がわからないのよ」
「うーん、スキルの上限値が150から160に上がったわ」
「シラユキ姉様の言うそのスキル値は、雲の上過ぎて、それも良くわかりません……」
「お嬢様、単純に総戦闘力で教えて頂けますか?」
「その方が分かりやすいか。んーっと前回の紙はある?」
「はい、こちらに」
アリシアは懐から、前回記入したフル装備シラユキちゃんのステータス表を取り出した。
*********
総戦闘力:23511(3750 +1433 +1639 +20)
STR:2735(+167 +191)
DEX:2735(+167 +191)
VIT:3597(+750 +219 +251)
AGI:2735(+167 +191)
INT:2735(+167 +191)
MND:4466(+1500 +272 +311)
CHR:4508(+1500 +274 +313 +20)
称号:求道者、悪食を屠りし者
装備:『真・白の乙女』『先駆者の杖[至高]』『翠玉のペンダント』
*********
「折角だしフル装備に着替えちゃうね」
アリシアに手伝ってもらい、『白の乙女』と『先駆者の杖』を取り出して装備する。
「『ステータスチェック』」
*********
総戦闘力:24986(4000 +1521 +1741 +20)
STR:2908(+177 +203)
DEX:2908(+177 +203)
VIT:3828(+800 +233 +267)
AGI:2908(+177 +203)
INT:2908(+177 +203)
MND:4753(+1600 +290 +331)
CHR:4773(+1600 +290 +331 +20)
称号:求道者、悪食を屠りし者
装備:『真・白の乙女』『先駆者の杖[至高]』『翠玉のペンダント』
*********
折角だから今の数値だけじゃなく、差数も書いておこう。
差数:1475
「……1回の成長で、強くなり過ぎでしょアンタ」
「本当ですね。ですが、成長の為に積み上げてきた経験値の量からすれば、当然なのかもしれません。初心者ダンジョンは10回近くは周回されていますし、中級ダンジョンに加えて上級ダンジョンまで……。それでようやく上がったんですから」
「確かに、そうね」
「流石はお嬢様です」
「えへへ、アリシアー」
アリシアを抱きしめて頬擦りする。
「アリシア姉様はブレないわね」
「まあ上級ダンジョンをたった3人で攻略したのも大きいけど、やっぱりアレね。先月倒した魔人の余剰分があったと思うわ」
「「「魔人……」」」
魔人に対して、それぞれが考えを深める中、私は構わず続けた。
「王都を裏から乗っ取ろうとするような奴だもの。きっと爵位持ちだったはずだわ。あーあ、どうせなら何匹かポンっと様子を見に近くまで来ないかしら。きっとレベル上げに役立つはずだわ」
「……はぁ、魔人を経験値に置き換えて考える人なんて、きっとシラユキくらいのものよ。そんなに強くなってどうするつもりよ」
「んー、最近ふと思ったのよね。今程度の強さがあればそんなに困らないとしても、やっぱりレベル30くらいあった方が色々と出来る事も広がるなと思って」
戦闘に特化した黒竜の変異種を相手に、2人の事を考えて慎重に立ち回った事を踏まえても、少し時間がかかり過ぎた気がするわ。
小雪作成の中で一番のネックはやっぱり覇龍の存在だもの。奴の強さは中位の龍から上位龍クラス。竜と龍ではその強さに隔絶とした差があると言うのに、中位竜に片足を突っ込んだ程度のアイツに時間をかけているようではまだまだ足りていないわ。
「お嬢様の目指す先はどれほどの高みかは分かりかねますが、精一杯ついていきますので、どうか置いていかないでくださいね」
「アリシア……」
そっか。ずっと1人で覇龍と戦う事を考えていたけど、何も自ら縛りプレイをする必要はないのよね。今はまだ後方に徹しさせるくらいでしか竜相手では貢献出来ていないとしても、神丸くらい強くなって貰えれればやれることは広がりそう。
それに何より、戦場で1人っきりは寂しいもの……。
そう考えれば、アリシアだけじゃなくて、神丸やミカちゃんとか、知り合える中で強い面子を育成していくのも悪くないわね。
「アリシア、私についてくるのは簡単じゃないわよ。しっかりついてきなさい」
「はいっ、お嬢様!」
満面の笑みを浮かべるアリシアに頬擦りする。愛してるわアリシア。そんな私達の姿を眺めながら、ソフィーはポツリと呟いた。
「敵わないなぁ……」
「あ、そうだソフィー。明後日のお休みなんだけど、午前中を私にくれない?」
「ん、良いけど……。その日は皆で教会にお邪魔するんじゃなかったの?」
本来はココナちゃんだけのつもりだったけど、神聖魔法はいつか覚えるかもって事で、結局初心者ダンジョン組は全員行くことになったのよね。私とアリシアも付き添いで。
イングリットちゃんの豊満ボディーに全力で甘えたかったところなんだけど……それよりも重要な用事があったのを思い出したのよね。
「ええ、予定変更よ。アリシアは変わらずアリスちゃん達について行っててあげて。私はソフィーとデートするから」
「承知しました」
「ええっ!? デ、デートぉ!?」
「昨日約束したじゃない。善は急げってね! あーあと、公爵様の予定も聞いておいてね。出来れば午前中にお邪魔したいから」
「え、ええ……分かったわ」
ソフィー達は私の目的がいまいち掴めていないようだけど、アリシアはもう察したらしい。
「頑張って下さい、お嬢様」
「ふふ、ありがと。アリシアもその時が来たら、覚悟しておいてね」
「……はいっ!」
「シラユキ姉様とデート……。羨ましいです」
「アリスちゃんとはまた今度ね」
「はいっ、必ずですよ。今日はシラユキ姉様の抱き枕で満足します」
本来の予定から1日ズレてしまったけれど、今日はアリスちゃんと一緒に添い寝をする日だ。
健気な事を言うアリスちゃんを猫カワイがりしたあとは、彼女と一緒にお風呂で洗いっこをして、部屋でお喋りに興じる。明日の準備をパパッと済ませた後は、宣言通り抱き枕にしてゆっくりと眠りに落ちたのだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「ぱんぱかぱーん、第58回、1日の総括~!」
「ぱちぱちぱち」
「何だかこれも、久々な気がするわ」
「え? 毎晩してるじゃない」
「そうだけど、そうじゃないというか」
「? たまに小雪はよくわからない事を言うよね」
うーん、私も良くわかんないけど、何だかそんな気がしたもの。まあ良いわ、とにかく今日も私の特等席でお話を始めましょ。
起きてる時はアリスちゃんやリリちゃん、ココナちゃんの専用席だけど、この時だけはマスターのここは私のものよ。
「ふふっ」
「小雪ー?」
マスターの脚の間にすっぽりと収まり、腕を引き寄せ抱き止める。この夢の世界では温もりも柔らかさも、感じられるそれは偽りの物。実態を持たない私では、マスターが想像するだけの、私というダミーデータでしかない。
いつか本当の身体を手に入れたら、本物の身体と熱で、マスターをトロトロにしてあげるんだから。
その為にも、大変だろうけどマスターには頑張ってもらわないとね。だけど、それはマスターが無事に生きていることが大前提なの。普段から見守っていて思うけど、マスターったらちょっと働きすぎじゃないかしら?
毎日注意はしてるんだけど、ちっとも抑えが効かないのよね。困った物だわ。
「んー? 小雪、どうしたの?」
「マスターが生き急いでる事が不満でならないのよ」
「そうかなー。シラユキちゃんが輝けるよう頑張ってるだけなんだけど」
「それが頑張りすぎだって言ってるのよ。いーいマスター? マスターは学校に入学してから、まだ10日も経っていないのよ? なのに決闘を済ませるわ、初心者ダンジョンから上級ダンジョンまで制覇するわ、魔法を教える環境を整え始めるわで、どれだけイベントを起こせば気が済むのよ!」
「だってー。この世界、学園でのイベント目白押しなんだもん。しかも正史の1年前だから知らないこととか、整備されていない部分とか沢山あって、確認したり整えたりするだけでも時間が食われるのよね」
「そうだけど……。マスターが私のために頑張ってるのは知ってるわ。けど、少しはお休みも必要よ。レベルも上がったことだし、心を休める必要があると思うの。だから、明日はダンジョンはお休み! レベル上げも禁止! ゆっくり羽を伸ばすこと。どうせ土日も働くつもりだったんでしょ。それなら、今休んでもバチは当たらないわ」
「小雪……。分かった、ありがと」
「良いのよ、今の私にはこれくらいしか出来ないもの」
背中に体重を傾けて、精一杯甘える。
「それにしても最近のマスター、私にちゃんとなりきれてるわね」
「ん? カワイくなったってこと?」
「そうね……。そうかもね」
「えへへー」
マスター、気付いているかしら。
この夢の世界でも、自分のことを『シラユキ』として振る舞っている事を。
演じていたはずの『私』が、本来の自分へと塗り変わっている事を。
もう思考は、とっくに『私』と混ざって、別のものへと変わっている事を。
……でも大丈夫よ。
あなたが忘れても、私がいつまでも、元の貴方を覚えているから。
「……小雪?」
「ううん、何でもないわ。それよりおやすみの話をしましょう。例えばケーキとか食べてリラックスなんてどうかしら」
「うーんケーキかぁ」
「折角なら、明後日のデートで食べても良いわね」
「そうだね、デートでケーキは定番かもね」
その後も、目が覚めるまで、私とマスターはいつものように、他愛のない話を続けたのだった。
日はとっくに沈み、世界が暗闇に包まれても、学生寮前は大勢の人で賑わっていた。シラユキの起こした今回の騒ぎを聞きつけた人達が集まり、更にそこから人が人を呼び、いつの間にか上級ダンジョンの入り口前広場は、大規模なパーティー会場へと変貌していた。
見守る人達用の椅子が用意され、次にテーブル。各家の使用人や寮のシェフ達が協力して料理が並び立てられる様子を見て、ここにいる人達は誰もが、シラユキならやり遂げると信じているのだと実感させられた。
……少し、心配しすぎなのかな。でも、あのことを思い出すだけで体が震えてくる。あれが現実になるとは思えないけれど、でもシラユキが居ないんじゃ……。
そう思っていると聞き慣れたクラスメイトの声が聞こえてきた。
「2人ともおっすー」
普段とは打って変わって楽しげな声を上げるのは、クラス1の倦怠姫。気怠げ娘のテトラだった。テトラは私が猫をかぶるのをやめたのと同時に、いきなり距離を詰めてきた子だ。
出会った頃はこちらに無関心だったけど、今ではクラスの中でも割と仲の良い友達だと思う。
「おっすー」
「こ、こんばんは」
「ん」
テトラといつものようにハイタッチをして、アリスはまだテトラのノリに慣れていないみたいでお辞儀をする。
「リーリエさんとリリちゃんもこんばんー」
「こんばんは、テトラちゃん」
「こんばんはなの」
「おっと、そこのモフモフ尻尾はココナちゃん?」
テトラは、丸まって休んでるココナちゃんを見つけたようで声を掛ける。ココナちゃんはうとうとはしていたけれど、眠ってはいなかったようでゆっくりと顔を上げた。
「ふあ……テトラさんなのです」
「そーそー、テトラさんだよー。ココナちゃんはお休み中だったかな?」
「はぃ、ママのお膝が気持ちよくて、寝ちゃってたのです」
「ふふ、良い子良い子」
寝ぼけた感じでグルーミングするココナちゃんを、リーリエママが優しく撫でる。その様子を見て、テトラもココナちゃんの頭を撫でていた。
「意外ね」
「んー?」
「普段のテトラなら、多少の騒ぎが起きても気にも留めずに自分の用事を優先してるから」
「まあ多少なら、ね? でも、今回の騒ぎの中心点はシラユキちゃんな訳じゃん。それなら多少で済むわけがないでしょ」
「あは、それもそうね。でも、普段授業が終わればプライベートスペースに引っ込むのに、貴女のところにまでこの騒ぎが広がってたの?」
「新聞部が騒いでたからね。嫌でも耳には入るわ」
「あー……」
新聞部となると、キャサリン先輩か。
そう言えばフェリス姉様からの定期連絡で、その内先輩がシラユキ相手に突撃してくるかもって話があったわね。
そう思っていると、私とテトラの間に突然人影が現れた。
「ボクの事呼んだ?」
「わっ!?」
「うわでた」
ドヤ顔で現れたのは新聞部部長のキャサリン先輩だった。
ほんとこの人、神出鬼没ね!
「んもー、テトラちゃんてば。人を疫病神みたいにー」
「似たようなもんでしょ」
「あ、まだあの時のこと怒ってる? ごめんってー。反省してるから許してー」
「どうだか。いつもの調子でシラユキちゃんの不興を買わないことね」
「そこは大丈夫! 相手が相手だからね、ボク達も慎重に立ち回っているさ。まあでも、調べれば調べるほどシラユキちゃんほど分かりやすい子はいないよ。人道に反することをしない限りは、あの子に嫌われることはそうそうないかなって」
確かに、シラユキが何を嫌って何を好むかは、他の子よりも分かり易いかも。
「話が広がるのがあまりにも早いと感じていたけど、発信源はキャサリン先輩ですね?」
「うん、バレちゃった? いやー、週明けの新聞ネタは何しようかと思ってたんだけど、結局皆が気になってるのはシラユキちゃん周りのお話だろうからね。試合が終わってからは遠慮なく、彼女の周辺で目を光らせてたんだ! まさか選択授業を休んでダンジョンに行くとは思わなかったけど!」
「それで、私達が駆けつけてすぐに、この場所に人が集まり始めていたのね」
「そういう事だね! こんな一大イベント、観客もなく済ませるなんて勿体無いでしょ! 中級ダンジョンのクリアはいつの間にか済ませられてたけど、こればっかりは逃せないよ」
ま、あの子は目立つ事が大好きみたいだし、こういうサプライズは悪くないかもね。
「それよりさ、ソフィア達暇してるなら午前中の続きしない? 待つだけってのは疲れるし、他のことを考えた方が気も紛らわせるでしょ」
「テトラ、あなたもしかして……」
「断られないってことは、良いってことだよね? それじゃ早速なんだけど」
「えー? なになに、何の話だい?」
「アンタはお呼びじゃないっての」
無理やり話を持っていく姿に、思わず笑いが込み上げる。
あー、私そんなに思い詰めてた顔してたかな。お礼と言っては何だけど、懇切丁寧に教えてあげるわ。
キャサリン先輩は蚊帳の外だけど。
シラユキ達が元気に出てきたのは、それから1時間後のことだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「いやぁ、ボス戦よりも疲れたわ」
「それだけ皆さま、心配なさっていたんですよ。お嬢様のことを」
「ふにゅう……」
ダンジョン前で盛大に出迎えられた私たちは、色んな人たちにもみくちゃにされ、ようやく自室に帰ってきたところだった。
時刻は20時過ぎ。そろそろお風呂に入ってのんびりおしゃべりして、ベッドでお休みしたいところだけど……。流石に疲れたわ。お風呂に行く元気もないかも。
「そうよ。心配したんだから」
「改めて、ご無事で良かったです」
そう言う2人の目は赤い。さっきは感極まって泣いちゃってたもんね。公衆の面前で、周りの事なんて気にも止めないくらい……。
泣かせるほど心配させちゃったのは、ママのお説教以上に効いたわ。心配させないために黙って行っちゃったのは失敗だったなぁ。反省しなきゃだわ。
そんな2人は今、私の両隣を占有していて腕にしがみついている。抱きしめてあげたいけど、腕を掴まれると何も出来ないわね。
「次から気をつけるわ」
「そうしてよね!」
「そうしてください……」
「でも大丈夫よ、この国に上級ダンジョン以上に危ない場所なんてないから。だからさっきも神丸に声かけていたのを聞いていたかもしれないけど、週一で挑みたいわね。素材的にも美味しいけど、経験値も馬鹿にならないし」
「それを聞いて安心するべきかどうか……悩ましいわね」
「……そう言えば先程こっそりと教えて頂きましたが、お二人共レベルが上がったんですよね? どれくらいお強くなられたんですか?」
アリシアと顔を見合わせる。
「私は上級ダンジョンに入る前は、『ローグ』のレベルが47でしたが……。クリア時には54まで上がっていましたね。50から先はボスの経験値でしたが、それでも上級職にも関わらず47から50に上がったのは、それだけ強い魔物がひしめき合っていたからでしょう」
「「すごい……!」」
アリシアが、初のレベル50を超えたこともあって、2人は感動と共に力強い拍手を送った。それだけレベル50の限界値を超える人間は稀だということね。
「シラユキちゃんは15が16になったけど」
「アンタの場合その数字じゃ全然変化がわからないのよ」
「うーん、スキルの上限値が150から160に上がったわ」
「シラユキ姉様の言うそのスキル値は、雲の上過ぎて、それも良くわかりません……」
「お嬢様、単純に総戦闘力で教えて頂けますか?」
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アリシアは懐から、前回記入したフル装備シラユキちゃんのステータス表を取り出した。
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折角だから今の数値だけじゃなく、差数も書いておこう。
差数:1475
「……1回の成長で、強くなり過ぎでしょアンタ」
「本当ですね。ですが、成長の為に積み上げてきた経験値の量からすれば、当然なのかもしれません。初心者ダンジョンは10回近くは周回されていますし、中級ダンジョンに加えて上級ダンジョンまで……。それでようやく上がったんですから」
「確かに、そうね」
「流石はお嬢様です」
「えへへ、アリシアー」
アリシアを抱きしめて頬擦りする。
「アリシア姉様はブレないわね」
「まあ上級ダンジョンをたった3人で攻略したのも大きいけど、やっぱりアレね。先月倒した魔人の余剰分があったと思うわ」
「「「魔人……」」」
魔人に対して、それぞれが考えを深める中、私は構わず続けた。
「王都を裏から乗っ取ろうとするような奴だもの。きっと爵位持ちだったはずだわ。あーあ、どうせなら何匹かポンっと様子を見に近くまで来ないかしら。きっとレベル上げに役立つはずだわ」
「……はぁ、魔人を経験値に置き換えて考える人なんて、きっとシラユキくらいのものよ。そんなに強くなってどうするつもりよ」
「んー、最近ふと思ったのよね。今程度の強さがあればそんなに困らないとしても、やっぱりレベル30くらいあった方が色々と出来る事も広がるなと思って」
戦闘に特化した黒竜の変異種を相手に、2人の事を考えて慎重に立ち回った事を踏まえても、少し時間がかかり過ぎた気がするわ。
小雪作成の中で一番のネックはやっぱり覇龍の存在だもの。奴の強さは中位の龍から上位龍クラス。竜と龍ではその強さに隔絶とした差があると言うのに、中位竜に片足を突っ込んだ程度のアイツに時間をかけているようではまだまだ足りていないわ。
「お嬢様の目指す先はどれほどの高みかは分かりかねますが、精一杯ついていきますので、どうか置いていかないでくださいね」
「アリシア……」
そっか。ずっと1人で覇龍と戦う事を考えていたけど、何も自ら縛りプレイをする必要はないのよね。今はまだ後方に徹しさせるくらいでしか竜相手では貢献出来ていないとしても、神丸くらい強くなって貰えれればやれることは広がりそう。
それに何より、戦場で1人っきりは寂しいもの……。
そう考えれば、アリシアだけじゃなくて、神丸やミカちゃんとか、知り合える中で強い面子を育成していくのも悪くないわね。
「アリシア、私についてくるのは簡単じゃないわよ。しっかりついてきなさい」
「はいっ、お嬢様!」
満面の笑みを浮かべるアリシアに頬擦りする。愛してるわアリシア。そんな私達の姿を眺めながら、ソフィーはポツリと呟いた。
「敵わないなぁ……」
「あ、そうだソフィー。明後日のお休みなんだけど、午前中を私にくれない?」
「ん、良いけど……。その日は皆で教会にお邪魔するんじゃなかったの?」
本来はココナちゃんだけのつもりだったけど、神聖魔法はいつか覚えるかもって事で、結局初心者ダンジョン組は全員行くことになったのよね。私とアリシアも付き添いで。
イングリットちゃんの豊満ボディーに全力で甘えたかったところなんだけど……それよりも重要な用事があったのを思い出したのよね。
「ええ、予定変更よ。アリシアは変わらずアリスちゃん達について行っててあげて。私はソフィーとデートするから」
「承知しました」
「ええっ!? デ、デートぉ!?」
「昨日約束したじゃない。善は急げってね! あーあと、公爵様の予定も聞いておいてね。出来れば午前中にお邪魔したいから」
「え、ええ……分かったわ」
ソフィー達は私の目的がいまいち掴めていないようだけど、アリシアはもう察したらしい。
「頑張って下さい、お嬢様」
「ふふ、ありがと。アリシアもその時が来たら、覚悟しておいてね」
「……はいっ!」
「シラユキ姉様とデート……。羨ましいです」
「アリスちゃんとはまた今度ね」
「はいっ、必ずですよ。今日はシラユキ姉様の抱き枕で満足します」
本来の予定から1日ズレてしまったけれど、今日はアリスちゃんと一緒に添い寝をする日だ。
健気な事を言うアリスちゃんを猫カワイがりしたあとは、彼女と一緒にお風呂で洗いっこをして、部屋でお喋りに興じる。明日の準備をパパッと済ませた後は、宣言通り抱き枕にしてゆっくりと眠りに落ちたのだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「ぱんぱかぱーん、第58回、1日の総括~!」
「ぱちぱちぱち」
「何だかこれも、久々な気がするわ」
「え? 毎晩してるじゃない」
「そうだけど、そうじゃないというか」
「? たまに小雪はよくわからない事を言うよね」
うーん、私も良くわかんないけど、何だかそんな気がしたもの。まあ良いわ、とにかく今日も私の特等席でお話を始めましょ。
起きてる時はアリスちゃんやリリちゃん、ココナちゃんの専用席だけど、この時だけはマスターのここは私のものよ。
「ふふっ」
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マスターの脚の間にすっぽりと収まり、腕を引き寄せ抱き止める。この夢の世界では温もりも柔らかさも、感じられるそれは偽りの物。実態を持たない私では、マスターが想像するだけの、私というダミーデータでしかない。
いつか本当の身体を手に入れたら、本物の身体と熱で、マスターをトロトロにしてあげるんだから。
その為にも、大変だろうけどマスターには頑張ってもらわないとね。だけど、それはマスターが無事に生きていることが大前提なの。普段から見守っていて思うけど、マスターったらちょっと働きすぎじゃないかしら?
毎日注意はしてるんだけど、ちっとも抑えが効かないのよね。困った物だわ。
「んー? 小雪、どうしたの?」
「マスターが生き急いでる事が不満でならないのよ」
「そうかなー。シラユキちゃんが輝けるよう頑張ってるだけなんだけど」
「それが頑張りすぎだって言ってるのよ。いーいマスター? マスターは学校に入学してから、まだ10日も経っていないのよ? なのに決闘を済ませるわ、初心者ダンジョンから上級ダンジョンまで制覇するわ、魔法を教える環境を整え始めるわで、どれだけイベントを起こせば気が済むのよ!」
「だってー。この世界、学園でのイベント目白押しなんだもん。しかも正史の1年前だから知らないこととか、整備されていない部分とか沢山あって、確認したり整えたりするだけでも時間が食われるのよね」
「そうだけど……。マスターが私のために頑張ってるのは知ってるわ。けど、少しはお休みも必要よ。レベルも上がったことだし、心を休める必要があると思うの。だから、明日はダンジョンはお休み! レベル上げも禁止! ゆっくり羽を伸ばすこと。どうせ土日も働くつもりだったんでしょ。それなら、今休んでもバチは当たらないわ」
「小雪……。分かった、ありがと」
「良いのよ、今の私にはこれくらいしか出来ないもの」
背中に体重を傾けて、精一杯甘える。
「それにしても最近のマスター、私にちゃんとなりきれてるわね」
「ん? カワイくなったってこと?」
「そうね……。そうかもね」
「えへへー」
マスター、気付いているかしら。
この夢の世界でも、自分のことを『シラユキ』として振る舞っている事を。
演じていたはずの『私』が、本来の自分へと塗り変わっている事を。
もう思考は、とっくに『私』と混ざって、別のものへと変わっている事を。
……でも大丈夫よ。
あなたが忘れても、私がいつまでも、元の貴方を覚えているから。
「……小雪?」
「ううん、何でもないわ。それよりおやすみの話をしましょう。例えばケーキとか食べてリラックスなんてどうかしら」
「うーんケーキかぁ」
「折角なら、明後日のデートで食べても良いわね」
「そうだね、デートでケーキは定番かもね」
その後も、目が覚めるまで、私とマスターはいつものように、他愛のない話を続けたのだった。
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