異世界でもうちの娘が最強カワイイ!

皇 雪火

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第6章:魔法学園 授業革命編

第182話 『その日、家族仲を深めた』

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 なんだか、予想だにしていないとんでもない物を作ってしまったけれど、なぜ出来てしまったかを考えるのは精神衛生上あまりよろしくないと思えたので、深く考えることは諦める事にした。
 だけれど、未来永劫マジックバッグに封印するにも目撃者がいるし、何より高性能なアイテムだ。使わないのも勿体無い気がする。

 それに『聖水』は多岐にわたる中間素材の1つであり、更には第一目標である小雪の作製素材の1つである『天上の聖杯』。その作成に必須の素材の原料となるはずだった。それが高位素材へとグレードアップしたことで、『天上の聖杯』の素材になりうる性能を秘めている物へと変貌を遂げたのだ。それは喜ぶべき事だと思う。
 性能の高い素材が手に入るということは、それすなわち小雪のボディーがよりグレードアップすることを意味するんだもの。元々小雪の素材は、より良い物を吟味するつもりだったし、悪いことでは決してないわ。

 うん、納得完了。

 次に言い訳だけど……。思いつかないしなんとでもなーれー。

「ツヴァイ」
「は、はいっ」
「まずは先程伝えた通り、世界の歴史を覆すアイテムの説明からするわ。これらがパーティ編成が行える連結オーブ。弓のマークが浮かんでいる方が特殊機能付きよ。説明書は今書くわ。……はいこれね。特殊機能付きを2つ、ノーマルを3つ渡しておくわ。これらを陛下に届けておいて。その特殊機能付きの内1つは、エイゼルをリーダーとしてツヴァイ、ドライ、アハト、ノインの5人で組みなさい。使っているうちにどういうものかは理解できるでしょう」
「承知しました」
「それとこの光り輝く液体は……口で説明するのは恥ずかしいわ。説明書と一緒に、コレは2つ渡しておくから陛下に取り扱いは任せるよう言っておいて。必要であれば教会に流しても良いともね」
「はい、丁重に預からせていただきます」
「以上よ。行っていいわ」

 ツヴァイはそれ以上聞くことなく、お辞儀をして姿を消した。
 そして残ったアリシアだけど……。

「帰ろっか」
「はい」

 私の表情から、あとでまとめて説明する事を汲み取ってくれたんだろう。何も言わずに隣に立ち、部屋を出たのだった。


◇◇◇◇◇◇◇◇


「ただいまー」
「ただいま戻りました」
「おかえりー」
「おかえりなの」
「「おかえりなさい」」

 部屋に帰ると大事な家族が出迎えてくれた。

「シラユキ、お疲れね。そんなに大変だったの?」
「うんー、大変だったと言うか、大変な事になったと言うか……。とりあえず錬金術スキルは18から30になったわ」
「いやいや、上がりすぎでしょ……」

 ソフィーが頭を抱えるが、割といつものことなので復帰は早かった。

「お疲れ様です、シラユキ姉様。目的の物は出来ましたか?」
「ええ。後で使い方は説明するけど、この『パーティ編成 連結オーブ』があれば、私とは完全に別のパーティを作れるようになったわ。だから今までみたいに、私の空きパーティで無理やり作るんじゃなくて、クラスメイトの子達とパーティも組めるようになったの。まだ数には限りがあるけど、これはまだ私にしか素材の調達もレシピの作成も出来ないから、頑張って増やしていくつもりよ」
「そうなのですね……」

 アリスちゃんが何かを考えるようにブツブツとし始めた。
 何か思いついたのかな?

「アリスちゃん?」
「あ、いえ。まだ考えがまとまっていないので……。シラユキ姉様、私も後程の家族会議に参加しても良いでしょうか」
「勿論良いわよ。アリスちゃんもソフィーも家族になる事が確約している様な物だもん」

 その言葉に誰も異論は無いようで、ママもリリちゃんもアリシアも微笑むのだった。

「ありがとうございます!」
「あ、ありがと」
『ぐぅ』

 誰かのお腹が鳴った。……私かも。

「そう言えばもう夜だったわね。アリシア」
「はい。用意は出来ております」

 そう言ってアリシアは、調理用のマジックバッグより寸胴の鍋を取り出した。鍋は煮え滾っていて、ぐつぐつと音を鳴らしている。部屋は一気にお鍋の良い匂いで満たされた。
 マジックバッグの中サイズは時間停滞機能があるから、お料理の作り置きができて便利ねー。

 アリシアの手料理を皆で味わいつつ、スピカに魔力を与えているとふと思い出した事があった。

「ねえ皆、マジックバッグなんだけど、個人で持っているのってどれも小サイズよね?」
「そうよー。個人で中サイズを持っているのは一部の領地持ちの当主や大手の商会くらいで、それ以外は皆小サイズね。だから庶民でもちょっと頑張れば手に入る小サイズは、お手頃なのよね」
「「ちょっと……」」

 マジックバッグの小サイズは、金貨5枚前後といったところ。金貨なんてシラユキちゃん的には有り余っているけれど、庶民には割と重い金額だわ。ソフィーったら、公爵令嬢だから金銭感覚が若干ズレてるのよね。
 ママもリリちゃんも、少し前までの生活水準を思い出し、何とも言えない顔をしている。

「まあそれはともかく、ダンジョンでは素材の回収なんかで嵩張るから、マジックバッグの所持は必須級なんだけど、やっぱり素材類にも鮮度があるわけで、せっかく綺麗に採取しても鮮度が落ちたら勿体無いでしょう? だからその内、皆のバッグも中サイズ以上で揃えておきたいのよ」
「目標が高いのは良いことだけど、実際どうやって手に入れるのよ。ダンジョンからは中々発見されないからオークションには出回らないし、既に持っている人から買い取るにも莫大な金額が必要よ」
「もうソフィーったら、私を誰だと思っているの? そんな回りくどい事しなくたって、手に入れる方法があるじゃない」
「え? ……もしかして、どのダンジョンで手に入るか知ってるとか?」
「いやいや、他にもあるでしょ」
「他……?」
「……あっ、シラユキ姉様。もしかして作り方をご存知なんですか?」

 正解を引き当てたアリスちゃんを撫で回す。いい子いい子いい子いい子。

「はわわ、シラユキ姉様……」
「中サイズのマジックバッグ作成って、失われた技術ロストアーツじゃない! なら、不可能と言われている大サイズや特大サイズなんかも……」
「シラユキちゃんに不可能はないわ」
「流石ですお嬢様」
「シラユキ姉様の前には、失われた魔法ロストマジック技術アーツも関係ないのですね」
「そう言うことよ」

 皆褒めてくれる。シラユキちゃん天狗になっちゃうわ。ふふーん!

「そう言うことだから、皆のバッグはその内更新するわ。シラユキちゃんが無地なバッグを作るだなんて思われたくないし、市販のマジックバッグと区別をつけるためにも、注文があれば指定の柄のバッグを作ってあげるわ。無ければ私が勝手に決めるけど」
「私はお嬢様に一任します」
「ママもお任せするわ」
「リリはお花が良いなー」
「あ、じゃあ私はこの前見せたドレスと同じ柄にして欲しいわ。お気に入りなの」
「で、では私はこの絵物語の表紙絵を……」
「ふふ、良いわよー。来週の月曜日には渡せると思うから楽しみにしててね」

 そう言うと皆喜んでくれた。ふふ、頑張っちゃうわよ!


◇◇◇◇◇◇◇◇


 そうして夕食を皆で取った後、ママの計らいでリリちゃんと2人でマジックテントの中に入った。手洗いうがいの後、ベッドに腰掛けリリちゃんをお膝に乗せる。リリちゃんはいつものようにラッコのような人形を胸に抱きながら体重を預けてくれていた。
 リリちゃん体温ぬくぬく~。えへ。

「リリちゃんはその子が本当にお気に入りなのね」
「うん、とっても可愛いの! お姉ちゃんはこの動物、見たことあるの?」
「ええ。北の方に居るはずよ。いつか連れて行ってあげるわね」
「わぁ、楽しみなの!」

 はしゃぐリリちゃんとは対照的に、私の心はドキドキでいっぱいだった。アリシアやソフィー、アリスちゃんの時は向こうからだったし、ママの時は勢いだったけど、冷静に今からする事を考えると心配になってきた。顔に出ていたりしないかしら。

「お姉ちゃん、お話ってなあに?」
「はぅっ! ちょ、ちょっと待ってね」
「うん」

 リリちゃんの頭に顔を埋めて深呼吸する。はぁ、太陽のポカポカした良い匂い……。

「お姉ちゃん、くすぐったいよぉ」
「あっ、ごめんね。……よしっ、リリちゃん!」
「はい!」
「あー……。えっとー、そのー……もごもご」
「あはは、モジモジしてるお姉ちゃん珍しいの」
「お姉ちゃんだって、人並みに緊張するのよ」
「そっかー」

 もう1回リリちゃんで深呼吸して、こちらに向き直させた。
 リリちゃんは、真剣な目でこちらを見上げる。

「……ふぅ。ねえリリちゃん」
「うん」
「お姉ちゃんと、婚約してくれる?」
「いいよ!」

 即答!?

「……ほんと?」
「うん。お姉ちゃんより素敵な人なんて居ないもん! だから、リリからもお願い。……これからも一緒にいてください、シラユキさん」
「勿論よ。これからもずっと一緒よ、リリ」
「うん!」

 思いを通じ合わせたところで、リリちゃんと抱きしめ合う事数分、ママが様子を見に入ってきた。続けて皆が入ってきて、改めて皆と婚約関係を結んだ事を宣言する。
 そうして6人ではじめての、家族会議が開催された。

「それではこれより、第三回家族会議を始めます!」
『パチパチパチパチ』
「1ヶ月ぶりの開催だし、初参加が2人もいる事だから言いたいことが沢山あるかもしれない。だから1人最低1個の議題を出して、ローテーションして行って、議題がなくなるまでか、キリの良い時間になるまで続けましょう」

 皆が頷くのを見て、まずは私から議題を上げていく事にする。

「それじゃあまずは私からね。まず学園で成し遂げたいことの1つだった、『パーティ編成 連結オーブ』の作成が済んだわ。まだまだ量産しないといけないけれど、ひとまず出来た試作品を渡しておくわね。ママにはこっちのマップ機能対応型を。ソフィーには通常版ねー」

 それぞれの手にオーブを渡して使い方の説明をする。機能としては単純で、オーブ本体を親とし、親に搭載されている欠片のオーブをメンバーに手渡しして『パーティ編成』と唱える。すると呼応した欠片のオーブが本体と共鳴し、自動的にパーティが結成されるというものだ。
 パーティの解除方法は本体から距離を置くか、ダンジョンなどの別空間に分かれるか、親の権限持ちのメニュー操作による『除名』か『解散』、子を持つメンバーが『脱退』を宣言するのいずれかとなる。

「とりあえず使ってみましょうか」

 アリシア以外の4人を除隊する。パーティ欄から名前が消え、視界から彼女達のHP及びMPの表示が消える。たったそれだけのことなのに、寂しいわね。けれど、これはいずれしないといけなかった事だ。涙はグッと堪える。

「ママはリリと組めば良いのね。リリ、この欠片を持って」
「『パーティ編成』!」
「うん、パネルが出てきたわ。えいっ」
「出来たの!」

 ママとリリちゃんは問題なし、と。

「えーっと、欠片はどれでも良いんだったわよね」
「受け取りました。『パーティ編成』」
「うわ、なんか出てきた。これで良い……みたいね」

 ソフィー達も大丈夫みたいね。

「じゃあママ、ソフィー。手にオーブを乗せた状態でこっちに向けて」

 指示通り動いてくれた彼女達のオーブに手をかざす。

「『パーティ連結』」

 決められた文言を唱えると、彼女達の頭上に先ほどまで表示されていた2色のゲージが再び表示された。
 パーティ連結とはその名の通り、複数のパーティを1つの軍団に連結させるシステムを指す。最大で10パーティを1つの軍団として扱う事が可能で、経験値の分割もパーティと同じように扱うが、人数の比率も高くなるため分配される経験値も少なくなる。その為連結は、経験値稼ぎよりも強敵を倒す時などに行われる事が多い。
 そしてこの連結は、パーティとは違い距離やダンジョン内外などでは解除されず、親オーブの持ち主か連結主の意思でしか外すことが出来ない。あとはオーブの破壊かな。
 そういった仕様の説明をした。ちなみにこれも、陛下達への説明書に含んでいるので、早速第二騎士団を中心に試してくれていることだろう。

「凄いですね。これが量産されれば、私達はより一層強くなれます」
「学生も冒険者も騎士団も、誰もが強くなれそうね!」
「そうなんだけど、1番のネックが素材なのよねぇ。今日アリシアと2人で取ってきた素材だけだと、他のことも考えると20個しか作る余裕が無かったのよ。今後も潜っていくつもりだけど、学生や騎士団に配るにはもっと作らないといけないのよね。どうしたものかなぁ……」

 そう愚痴を溢すとアリスちゃんが手をあげた。

「シラユキ姉様。『パーティ編成 連結オーブ』のテストも兼ねて、中級ダンジョンにミカエラ様率いる第二騎士団と、教会の方々で何組かパーティを組ませてみては如何でしょう。そうすることで必要素材の確保だけでなく、シラユキ姉様が以前から仰っている様に、各組織の地力を上げる事も出来て良いかと」
「おお、良いわねそれ!」

 なんという一石二鳥。
 中級ダンジョンだとどうしても攻撃役の『魔法使い』と回復役の『神官』が必要になってくる。そしてイングリットちゃんが『聖女』になるためにはレベル上げが必要。彼女には是非とも参加させたいわ!

「アリシア」
「承知致しました。明日ナンバーズを使ってそのように告知をさせましょう」
「うん、よろしくねー。あと、攻撃役に魔法使い系の人員連れていくなら、私が軽く教えるとも伝えておいて良いわ」

 これにて私の1つ目の報告は終了!

「じゃ、次の報告者はー?」
「はい、ママが良いかしら」
「はいママ!」
「ありがとう。……えっとね、今日ダンジョンをソロ攻略した時のことなんだけど、実はすごくびっくりする事があって……」
「うんうん」
「あの場で伝えるには人の目があったから良くないと思って隠していたの。公開しても良いのか分からなくて……」
「えぇ?」

 そ、そんな凄いこと起きたの?
 宝箱から何か出たとか? なんだろ、全然思い付かない……。

 ソフィー達から視線が集まるけど、シラユキちゃんもしらないもん!

「その……称号が手に入ったの」
「「「「称号!?」」」」
「称号ってなあに?」

 皆が驚く中、リリちゃんだけよくわかっていないみたいだった。まああまり身近な物じゃないけど、皆の反応を見る限りプレイヤーでなくとも取得することは出来るみたいね。

「称号というものは、偉業を成し遂げた者の前にしか現れない、とても希少な物。それを持っているだけで、人々から称賛されてもおかしくない代物なんですよ」
「そうなんだ! じゃあ、お姉ちゃんも持ってるの?」
「まだ2つしかないけどね」

 その言葉に驚いたのが2名。感激している者が1名。納得しているのが1名。素直に褒めてくれる子が1名。

「……ち、ちなみに、どんな称号なのか聞いても良いかしら?」
「良いわよ。えっと『求道者』と『悪食を屠りし者』ね。前者はこの職業に就いたときに。後者はピシャーチャを退治した時ね」
「……確認ですが、お嬢様。現在の職業になる時に、スキルやレベルだけでなく、称号も……消えましたか?」
「あら、鋭いわねアリシア。その通りよ。ただ何個持っていたかはあえて言わないであげるわ」
「ああ、お嬢様……!」
「とんでもない話ね」
「それを思うと、ママは称号1つ取れただけだし、大したことない気がしてきたわ……」

 あ、ママが落ち込んじゃった。

「もう、それはそれよママ」
「はい、そうです! リーリエママは凄いことを成し遂げたことは変わらないのです」
「そうよ、シラユキを基準に考えちゃダメよ、リーリエママ」
「ママはどんな称号が貰えたの?」
「皆、ありがとう! えっとね、ママが手に入れたのは……『未知の迷宮を踏破せし者』っていうものなの」

『予定以上にママが凄い人になったわね!』
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1/19の20時の投稿で他サイトで投稿中のものに追いつきます。以後隔日で20:01頃投稿予定です。
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