異世界でもうちの娘が最強カワイイ!

皇 雪火

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第1章:港町ポルト編

第020話 『その日、彼女と話した』

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 暗闇に私は降り立つ。この空間には私と、『白い靄』しか存在しない。靄は人の形になろうとしては霧散し、一定の形を保てないでいた。
 ああ、ほんとうに……見ていられないわ。

「はぁい、マスター。元気にしている?」

 私は『白い靄』に話しかけた。不定形な存在。本当なら、そこにあるべきは本来の『彼』の肉体だろう。
 けれど『彼』は、自分のことが好きではなかった。興味すらなかった。今の彼は、自分を見失い、自分が何者なのかもわからない。
 その結果が今の、姿かたちを維持できない、虚ろな靄となってしまったのだろう。
 ……本当に、可哀想な人。

「こんな姿の相手に、元気もなにもないかな?」
「……きみは、だれだい?」
「こんにちは、貴方のシラユキよ。……忘れちゃったかしら?」
「しら、ゆき……?」

 『白い靄』が私の姿を模る。でもまだ鮮明じゃない。輪郭がそう見えるだけね。
 ここで貴方は誰、と問いかけても答えは出ないだろう。むしろ、また集まった靄が霧散するだけだ。
 まだ、急ぐタイミングではない。

「貴方が全身全霊をかけて作り上げた最高にカワイイ娘よ。ほら、触ってみて」

 頭と思しき場所に、手をかざしてみせる。すると、ゆっくりと靄は集まり、私の手を模り、手合わせをしてきた。
 まだ、片手だけだけれど、
 私はその手を、そっと掴む。

「そうよ、マスター。もっと触って。もっと感じて。片手だけじゃ足りないわ。全身で私を認識して」

 手から腕、腕から肩、肩から胸、お腹、腰……『彼』の手を誘導し、『彼』の靄をハッキリとさせていく。
 次第に『彼』の輪郭が『私』となり、最後には顔が出来る。一部がぼやけているが、『私』の姿をした『彼』と目が合った。
 そこで『彼』は慌てたように目をそらしてしまう。

「……っ! そうだ、こんなことを、しているばあいじゃない。あのひとの、めいれいを、きかなきゃ」
「……あら、どうして?」

 思い出したのは私ではなく、命令の事だった。
 この返事は予想はしていたけれど、言葉にされると思いのほかイラッとした。
 あの道具、ムカツクわね。私よりも優先度が高いだなんて。製作者は挽肉にしてやるわ。

「どうしてって、それは……。なぜかわからないけど、そうしなきゃ、いけないきがする」
「そう……なら、私もアイツの奴隷にならなきゃいけないのね」
「え?」
「だってそうでしょう。貴方の体は今、私なんだもの。貴方が命令を受ける奴隷になるのなら、私も奴隷になるしかないじゃない」

 改めて『彼』は自分の体を見て、体が『私』になっていることに気が付いた。

「それは……だめだ」
「どうして、ダメなの?」
「きみは、ほかのだれかのものじゃない」
「そうね。……なら、私は誰の物なのかしら?」
「えっ?」

 あら、わかってて言ったんじゃないのね。今のは無意識だったようね。
 無意識で言ってくれるのも中々ポイントは高いけれど、今はそうじゃないわ。ちゃんと思い出してもらわないと。

「わからない? 私が誰の物か、よーく思い出して。というかさっき、私が貴方に言ったばかりなのよ? 私が誰の物なのかってね」
「えっと……わたしのもの?」
「惜しいわ。私は、私の物じゃないわ」
「……」
「私はシラユキ。貴方は私のマスターよ。ほら、復唱なさい」
「キミはシラユキ……わたしは、キミの、マスター……」

 答えはおそらく、喉まで出かかっているはず。でも、不安で仕方がないのかもしれない。口が、言葉を紡ごうとして、また失敗してを繰り返す。
 もう、まだるっこしいわね!

 私は『彼』に抱きつき、耳元で囁いた。

「マスター。……世界で一番カワイイのは、だあれ?」
「それは……きみだ」
「なら、私を世界で一番愛しているのは、だあれ?」
「それは……わたし? ちがう、そうじゃない。……おれ?」

 不安そうに『彼』が問いかけてくる。

「そう、そうよ! ほら、自信を持って! ……マスターに問うわ。私は、シラユキは、誰の物?」
「シラユキは……オレの、俺の物だ!」
「正解よ、マスター! 私は貴方の物よ」

 そう言うと、『彼』の朧気だった姿が、私と瓜二つになる。まるで鏡合わせのよう。
 暗闇に光が差した。光は一気に広がり、世界から闇が消え去った。

 『彼』……ううん、マスターは私をしっかりと見つめている。もう、目は覚めたみたいね。世話のかかる人なんだから。
 でも、ここで現実のマスターの姿にならないところが、マスターらしいわね。
 私は、よく出来ましたとばかりにマスターの頭をなでる。いい子いい子。

「シラユキ、俺は!」
「はーいストップ。続けて問うわ、貴方は誰の物?」
「え、俺? 俺は……俺の物?」
「ふふっ、自信なさげね。そんなんだから操られたりするのよ」
「うっ、ごめん……」

 ホント、自分に興味ないんだから。どうせきっと、現実での自分の姿も、もう覚えていないんでしょうね。
 しょうがないから、私が代わりに、貴方を覚えていてあげるわ。

「覚えておきなさい、マスター。貴方と私は一心同体。私は貴方の物であり、貴方は……私の物よ」
「……そっか、俺はシラユキの物なんだ」
「そうよマスター。それで? 貴方はこれから、誰かさんの命令を受けるんだったかしら?」
「いやいや、冗談! 勘弁してくれ! 俺に命令できるのは、俺か……シラユキだけだ」
「フフフ、もう心配は無用ね……んっ」
「!?」

 唇がかすかに触れ合う程度の、軽いキスをする。

「こっちでキスしても、何も熱量を感じないわね。早く肉体が欲しいわ」
「……シ、シラユキ。あのさ、今日の冒険の中で、カワイイ子の体に触れたいとか、キスしたいって考えが強かったんだけど……」
「ああ、それ? 安心してマスター。それは私の欲求よ。我慢されると余計にしたくなるから、ほどほどに消化することをオススメするわ」
「なっ……お、俺はそんな子に育てた覚えはないぞ!?」
「あら、子供は親の知らないところで勝手に育っていくのよ? フフッ」

私は驚愕するマスターの後ろに回り、背中を押した。

「それじゃ、私の代わりに、アイツぶっ飛ばしておいてね」
「シラユキ!? ま、まだ話したいことが」
「またすぐに会えるわ。今は、いってらっしゃい」
「……ああ、行ってくる!」

『ほんと、手のかかる親ほどカワイイってところかしら?』



◇◇◇◇◇◇◇◇



「素晴らしい、なんという強さだ! あのシェリーがまるで赤子のようではないか!」

 ゼルバの歓喜の声に、ハッとする。
 そうだ、シラユキの体は俺の物だ。そして俺のすべてはシラユキの物だ。
 こんなモブの命令を聞くだなんてゾッとする。

 ……いや、少しの間、命令を聞いてしまっていたらしい。その結果が目の前に、転がっている。

「ぐっ……」
「お姉ちゃん! もうやめて……!」

 シェリーは、呼吸はしているようだが、うつ伏せになって動かない。血は……出ていない。
 リリちゃんは泣きながら、シェリーをかばうようにして立っている。

 コレを私がやったのね? いや……、俺がやらされたんだな?

「お前の強さはよくわかった。さあ、こっちに来るんだ」

 まだ目が覚めたことを気付かれるわけにはいかない。振り返り、ゼルバの下へ歩いていく。
 そしてそのままゼルバの背後に控えた。

「この状態になると単調な命令しか実行できなくなるのは難点だが、圧倒的な実力者であれば些細な問題であるな。この女さえいれば、アラネスやガボルの荒くれ共など必要などない! フハハハハ!!」

「『浄化』『魔法解除ディスペル』」

 首回りに揺蕩う黒い靄が消え去り、『カチッ』と小さな音が鳴った。
 それに気づかず、ゼルバは笑い続けている。その隙に首輪は気持ち悪いので外しておく。
 リリちゃんが変化に気付くが、静かにするよう人差し指でジェスチャーをする。リリちゃんはその場で動かずにいてくれるようだ。

「ハハハ、この力さえあれば王国も、いや、あの御方さえ、私には勝てないだろう! その上この美しさだ。今から楽しめそうだ」

 振り返りながら、私の胸に手を伸ばしてきた。

「下種が、汚い手で俺のシラユキに触れるな! 『アイスソード』!」
「なっ!?」

 ゼルバの腕を掴み机に叩きつけると同時に、『アイスソード』で手と机を縫い付けた。
 瞬く間に手も机も、腕までもが凍り付き、簡単には外せないようになる。

「ぎあああああ!! わだ、わだじのうでがああああ!!」
「また余計なことをされても敵わん、もう片方も止めておこうか。『アイスソード』」

 もう片方の手も『アイスソード』で縫い付けておく。なぜだとか、首輪はとか喚いているが、うるさいので無視しよう。

「シェリー、ごめん。今回復する。『ハイリカバリー』」

 しゃがみ込み、シェリーを回復させる。シェリーの体を淡い光が包み込んだ。
 『プロテクション』が仕事をしてくれたのかもしれない。外傷はほとんど見当たらなかったが、衝撃までは緩和できない。それでグロッキーになっていたのだろう。
 回復を終えると、リリちゃんと目が合った。

「……お姉ちゃん、なの?」

 ニッコリ微笑むと、リリちゃんが胸に飛び込んできた。
 よしよし。なでりこなでりこ。

「んん……はっ! シラユキ、なのか?」
「うん、そうだよ。ごめんね、痛い思いさせちゃって」
「ハハ、痛みには慣れている。しかしここまで手も足も出ないとは、逆に心が痛んだよ……。しかし、本当に大丈夫か? 見たことのない奴隷の首輪だったが、まだ操られていたりとか……んむぐ!?」

 シェリーへの今までの欲求は、未知の感情ではなく、シラユキの物だと認識すると、安心して受け入れ、実行する事が出来た。シラユキの感情なら、ある意味自分の感情でもあるのだが……自分の感情がこんな欲望まみれだと思いたくないので、シラユキの感情と言われた方が受け入れやすい。
 自分でも難儀な性格だと思う。シラユキにも我慢を強いてしまった。これからはほどほどに発散してあげよう。俺……いや、私もカワイイ子とキスしたりするのは嫌じゃないし。

 うん……? あっ、シェリーとキスしたまま考え事してた!

「ぷはっ、操られてたらこんなことしないでしょ?」
「はーっ、はーっ、はーっ……」
「あら? 理解できなかったならもう一回……」
「ま、待って! もう十分わかった。シラユキは操られてないから!」
「そう? じゃあ続きは今度ね?」
「つ、続き……」

 顔を真っ赤にするシェリーは、置いといて……リリちゃん!

「リリちゃんもごめんね、怖い思いさせちゃったね」
「うん、怖かった! もう、あんなことしないでね?」

 美少女の上目遣い! カワイイ! ヤバイ!
 誰かに媚びる行為は、シラユキらしくないので使わなかったけど、リアルで上目遣いを受けると印象が変わるわね。……アリね! 私も今度使ってみよう。

「ええ、もうしないわ。約束よ」
「うん、約束だよ」

 ギュッとする。リリちゃん、ぬくぬくのポカポカね。
 抱き枕に欲しいわ。

「あの、お姉ちゃん。あの人は、いいの?」

 リリちゃんが、後ろで呪詛を振りまくゼルバを指さした。優しいのねリリちゃん。
 あんなモブは後回しでいいのよ。

「いいのいいの、そんなことより二人の方が大事よ」
「えへへ」

 でも、日が傾き始めている。そろそろカタをつけないと面倒ね。
 改めて、私に装着させられていた首輪を見る。

*********
名前:浄化された%*&$の隷属の首輪
効果:装着した相手の意思を完全に奪い、術者の意のままに操る事が出来る魔道具。解除するには作成者と同等以上の魔力が必要となる。呪いの力に穢されていたが、現在は浄化されており、触れるだけで自動装着されることはない。
補足:現在の主人 シラユキ
*********

 表示バグってるんですけど。何故かしら……もしかして私のレベルが低いせい?
 あの黒くてウネウネしてるキモいのが呪いだったのね。思い出すだけでも鳥肌が立つわ。……あと、怖かった。最初から魔力で払い落とそうとせずに、浄化しておけばよかったんだわ。
 私って、想定外の事に対して、すごく弱かったのね……。

 まぁ難しい事は後にして。今は、リリちゃんを抱きしめてやる気を補充しなきゃ! スリスリ。

「よし。チャージ完了!」

 立ち上がりゼルバへと振り返る。
 無視が効いたのか、それとも両手が痛いのか、叫ぶ元気もなくなりゼルバは肩で息をしていた。
 ざまあない。

「それじゃ、話を聞きたいところだけど、首輪をハメてしまえばこちらのものよね。なにか言い残すことはあるかしら?」
「……もう少し、本当にもう少しの所だったのだ。なぜ、今になって、私の邪魔をする……!」

 まぁ確かに、本来なら明日、領主を奴隷にするつもりだったんだっけ? 頑張ってきたことを直前で邪魔されたらムカつくわよね。

「そうね……たとえ今邪魔されなくても、1年もすればきっと邪魔が入ったんじゃないかしら」

 正史では、1年後になればプレイヤーが現れ、こいつの野望は打ち砕かれた。この世界ではどうなるかわからないが……。

「ただ今回は、貴方の行動がたまたま私の目に留まった。それだけね。……それじゃ、さようなら」
「待っ」

『カチャッ』

 首輪をつけた瞬間、ゼルバの目は虚ろになり、焦点が合わなくなる。
 ああ、私もさっきまでこんな顔だったのね。想像するだけでわかる。カワイくないわ。

「さて、あなたのお名前は?」
「ぜるば」
「あなたの兵隊の人数は?」
「74にん」
「この館にいた人数は?」
「46にん」
「そんなにいたのね……。荷物の場所は?」

 肝心な部分の確認をする。もしもこの街にいなければ大変だ。

「やしきのちか」
「どこから入るの?」
「かいだんうらのそうこ」
「シェリー」
「ああ! リリも急ぐぞ!」
「え、あ、待って、お姉ちゃんは?」
「私はコレを動けるようにしたらすぐ向かうわ。先に行ってて」
「うん!」

 2人が駆けていくのを見届け、まず『アイスソード』の効果を切って様子見をする。
 この剣は、『魔法剣士』専用魔法で、それぞれの属性魔法スキルが40で生み出せる『魔法武器』だ。『魔法剣』とは異なり武器自体が不要な上、魔力がある限り使い捨てに出来る便利な魔法だ。
 その上属性ごとに専用の効果が備わっており、炎なら相手を炎上させ続け、氷なら凍らせ続ける。本来は不可能だが、今の『グランドマスター』なら、『魔法武器』を使って前衛職の技を撃つことも可能だろう。いつか試してみたい。

 アイスソードが消えた先には、凍り付いた腕と机だけが残った。
 魔法の効果が切れ、どんどん溶けていく氷を見やりながら、1つ思いつく。

「……腕を机から剥がしなさい」

『ベリベリッ!!』

「うわっ……」

 ゼルバは中途半端に残った氷結部分を無視し、無理やり机から腕を引き剥がした。当然のように皮膚はやぶけ、腕が血まみれになる。
 正直目を覆いたくなるような惨状だが、ゼルバは顔色を一切変えず、苦悶の声も発しない。
 さっきまではあんなに喚いていたのに……。この首輪、恐ろしいわね。

「『ハイリカバリー』」

 正直、この男の傷を癒すのは『モヤッ』とするが、このままでは死にかねないし、見ていて気持ちのいいものでもない。
 ヤったのは私ですけども。

 腕の傷が完全に治っても、ゼルバは感謝の一言もない。いや、感謝されても殴りかねないけど。

 うーん、まるでゴーレムね。製作者は悪趣味ですこと。
 さて、2人を先に行かせたのは理由がある。あまり遅れても心配されるし、さっさと用事は済ませちゃいましょう。

「さあ……あなたの財産は、どこかしら?」

『女の子がしていい顔じゃないわよ、マスター……』
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1/19の20時の投稿で他サイトで投稿中のものに追いつきます。以後隔日で20:01頃投稿予定です。
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