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ヘアメイク.陽馬×会社員.心儞
陽馬×心儞 ⑴
しおりを挟むいつも女性ばかりの職場。
歳が離れた姉は既に結婚して出て行ったけど、母子家庭で育った僕の周りはいつも女性率が高かった。
今日も仕事の流れからの飲み会であるこの場は、化粧品会社の女の子達とメイクのプロである僕とアシスタントの男の子で…女女女…男、女女女…男…
「ヨーマ先輩、僕、
明日の用意して来るんで先に失礼します!」
「うーん、よろしく~
あ、明日の女優Aさん最近色味変わってきてるからファンデとフェイスカラー明るめ補充よろしく~」
「了解です!お疲れ様でーす!
皆さんお疲れ様でーす!先失礼しまーす!」
可愛い後輩も育ってきた。
女優さんやモデルさんのメイクをしたり、今日みたいに化粧品会社で企画や講師の仕事をしたり…
真面目に仕事の下積みをしてきた中で、女口調で仕事する事が僕にとってとてもスムーズで適切な流れだった。
始めは女の人から友達のように親しみを持って貰えたし、異性として見られずに済む事で仕事に支障が出ない………はず。
「ヨーマさんて、恋人いるんですか?」
仲がある程度良くなると受ける質問を、今日もやっぱり受ける。
「えーー?いないけどー?
えー?彼女欲しいんだけどー?」
「えー?彼女?彼氏じゃなく?
ホントですかー?えー?
私確かめちゃいますよー?
ヨーマさんがどうだかー…」
…女の子に手を出し過ぎて、そろそろ変な噂とか支障が出そうで自分でブレーキをかけなきゃな、なんて思っていた矢先…
…けど可愛い子は抱きたいしな…
「コラ。仕事をお願いしてる側なんだから、
そんなプライベートな話しないの。」
ついブレーキが緩くなりそうなせっかくの可愛い女の子からのお誘いに、割って入ってきた唯一の男性社員。
有難いような、邪魔なような……彼もこんな環境にいるからか少し女性っぽい雰囲気。透き通った肌、ノーメイクでもクリクリな目元、色味を乗せてないはずなのに真っ赤な唇…
…SEXの時、相手はノーメイクの方がそそる。
それを彼は僕の前で晒してる。
男をそういう対象として見た事なんてないのに。
「いいんですよ。慣れてますから。
そういうの、女子は楽しい話題なんですよね。」
「……まぁ、すみません。
先輩含め女子の勢力下なので、
私の力じゃどうしても…迷惑おかけして…」
笑って誤魔化そうとすると隣の女子社員が乗り出して来た。
「なんですかそれっ!
もーお酒入ってるから無礼講ですしっ!
ヨーマさん、彼どうですか?
私と彼、どちらと帰ります?!狼になります?!」
「……いやいや…どっちにしろ
狼にならないですよ…」
「あーもう!僕まで巻き込まないでよー」
正直、いつも油断させて狼になる。女の子相手に。
どちらを選ぶとか明確な筈なのに…
…視線を彼から外せなかった。
少し怒った顔をしても、次の瞬間には微笑む。
コロコロ変わる表情……今も尖った唇……
………彼を見る度、性的対象に見えてくるのはなんでだろう……
アルコールのせいかな……
自分の手元、空いたグラスの氷にどうにか視線を移す。
自分の中に沸いてくる感情を不思議に思うし、自分に呆れ、自分で自分に笑ってしまった。
「お宅、同じ方向なんですね。」
皆それぞれ帰る方向に分かれて飲み会は御開きになった。
夜の繁華街から少し離れた地下鉄の駅へ歩いていると、唯一の男性社員だった彼と2人きりだった。…女の子にシンジさんと呼ばれていた彼。
「みたいですねー
実家から通ってるから遠いですけどー」
「僕も実家暮らしです!近いですけど。
あ、だってヨーマさんて、僕より若いですよね。高校生の時から仕事して…そりゃ実家の方が…
僕は新卒で本社勤務だったんで……あ、近いから通勤は楽なんですけどね?
だから僕はもう少し呑みたくてもう一軒寄ってから帰っちゃおうかな、なんて…ってすみません、何話してたんだっけ⁈」
また1人で表情を変えて話し、微笑みだす。
並んで歩くと僕よりほんの少し背の高い彼を見上げてつられて微笑んだ。
彼に…メイクは必要無いな……
飾らない創り、表情に見惚れて、少しの間……話しかける言葉が浮かばなかった。
無言で流れる空気。
暫くするとシンジさんが変えた。
「……ヨーマさんは……あの助手の子と……」
重なる視線。
「………シンジさんも、興味あります?
…助手の子に?それとも僕に?
……ただ僕等2人に?」
重なったままの視線。
「……ヨーマさんも一緒に飲みません?」
答えないで誘ってくる彼に、僕の下心は益々大きくなる。
カウンターに並んで飲むオシャレなお酒、話題はシンジさんが入社してから経験して来た苦労話だった。
仕事仲間、先輩が女性での苦労も分かる。
愚痴を発散する場所も無かったんだろうな。
僕が聞き役に回るとか珍しかったけど、愚痴を言いながらも結局笑って前向きに話す彼に心も動かされていた。
「頑張ってますね…」
「ヨーマさんはカッコイイ。
若いのにメイクで人気だし…」
「シンジさんだって若いし、
これからじゃないですか。
広報合ってますよ、第一印象大事だし、
お話ししてもしっかりしてて…
シンジさんとお仕事したいって思いますもん。」
「ヨーマさんにそう言って貰えると嬉しいな…
………また、こうやってプライベートでも
会って貰えます?
なんかヨーマさんが笑ってくれるから
調子にのって今日は僕ばっかり話しちゃって…
今度はヨーマさんの話聞きたいです!」
「僕の話は別に…
あ、シンジさん終電大丈夫ですか?
僕は乗り過ごしたのでホテル行きますけど。」
楽しい時間を捨ててまで急いで帰らなくても、
ホテルに泊まってそのまま仕事へ向かえばいいと早々に諦めていた。
「え?もう乗り過ごす時間ですか?!
ごめんなさい!僕がずっと話してたから!
あ!うちに来て下さい!この時間なら…
えっと………あ……僕も乗り過ごした……」
シンジさんが横から僕の腕を掴み、ケータイ画面を確認して固まった。
つい笑ってしまう。
この笑いは自分への笑いかシンジさんへの笑いか…どっちも混ざってどっちでもあるか…
「ふっ……えっと、ホテル行きましょう。
何もしないんで。
僕が電車の時間を気にしてなかったから僕のせいですし。」
「……その、何もしないっていうのは
僕、だから、ですか?
もっと、助手の方みたいに
男らしくてカッコイイ人なら…
っていうか、本当の事言って下さい。
そういう関係ですよね?
お仲間なんで、バラさないんで…
僕……ヨーマさんの事、抱きたッ」
「……シンジさん、ホテルに行ってから。ね?」
シンジさんの唇を、僕の手で覆った。
抱きた……の先を聞いたら、僕がシンジさんの事を抱けなくなる気がした。
『お仲間』…でも無い。
否定したらホテルに行ってくれないかも。
シンジさんに関しては『お仲間』って事で、そっち側だと判明した…やっぱりな。
掌から伝わる感触は柔らかくて熱い。
この唇にキスをしたらどんな感じだろう。
掌が触れているから手が微かに震える。
ね?と言い聞かせるように見つめた先、シンジさんの瞳は、お酒のせいか潤いに満ちていて吸い込まれそうに…
全てはホテルに入ってから……酔ってるシンジさんを、僕が抱く為に………答えは後で。
普段女性と泊まる時は大きめのベット1つ。
…今回は初めてベットが2つの部屋にした。
出来るだけ冷静を装ってホテルに入り、出来るだけ膨れる期待を抑えて部屋に入り、手前のベットにシンジさんを押し倒す。
顔を近づけて重なりそうな唇。
冷静を装っても、期待を抑え込んでも、腕の中、目の前のシンジさんへと話しかける声は心臓の動きが移ったように震えてしまう。
「……シンジさんは、ゲイなんですね…」
「……はい…抱きたいってさっき……」
「僕を抱きたい、か……
男に抱かれてるように見える?
…アシスタントの子に抱かれた事なんて無いし。」
「…え…じゃあ、抱く方で…なんで…僕と…」
「SEXしたい。誰でもいいわけじゃ無い…
シンジさん、お尻使った事ある?」
「……ある…」
美味しそうな唇に、やっと、自分の唇を重ねた。
何度か音が鳴るように重ねては離し、その度に視線を合わせる。
少し視線を逸らされても、目元にキスしたりしてこっちに視線を戻させた。
「……男をいつも抱いてるの…?タチなんだ…?」
蕩けた瞳で問いかけられる。
ここは普段、男を抱いてると思わせて満足いくSEXを期待させとくべきかな…初めてとか言って、変に心配されるよりいいかもしれない……
「シンジさんは?
いつも抱かれてるわけじゃないの?
…まぁ…抱かせて貰えるなら
どっちでもいいけど…」
食べるように耳元や首筋を貪る。
少し体重をかけてしまう中、下でシンジさんが身悶えしながら僕の身体を押し返してくる。
「…ちょっッ……シャ…ワーッ…浴びさせてッ…」
……そっか…お尻使うなら…シャワー使うよな…僕に抱かれてもいいって事…
一緒にシャワー浴びて、シンジさんの全身を見たり洗ったり…
煽りたいし…感じさせたいし…感じたい……
初めて男を抱くのにハードル高いかな……
けど、自分の身体で予想出来る感じる所、愛撫して反応を見たり…ハードルとか関係無い…よな。
「シャワーどうぞ。…僕も一緒に入るけど…」
自分で起き上がるのと同時にシンジさんの事も引っ張っぱり起こした。
先に入ったシンジさんがシャワーを浴びているところを、後ろから眺める。
すらっと高い背、軽く付いた筋肉…
ラインが細いのは骨が細いからか?
細い腕、細い脚、細い腰…
泡を付けて洗い出した。
そのフワッとした感触とツルツルと滑る肌を楽しみながら、背後から抱きしめる。
大きな柔らかい胸じゃなくても、突起を弄ると微かに吐息を漏らす。
脇腹から腰骨、太腿を撫でると、立ってられないとでも言うように壁に手をつきながら振り返り、僕にしがみついてきた。
腕を頭に巻き付けてきて身体が密着する。
舌を絡ませるけど、離して舐めて…
唇が触れたり離れたりの浅いキスを繰り返す。
両手で腰骨や太腿の辺りをなでながら、硬く勃っているモノには触れずにやり過ごす。
けど…硬くなっているお互いのが当たる度、吐息が漏れるのが激しくなった。
「……もぅッ……直接ッ触ってッ…」
可愛いおねだりを、潤んだ瞳で、至近距離、切羽詰まった表情で訴えられる。
「……出ましょ…直接?…フッ…どこを?
シンジさんが僕にして欲しい事言って下さい?
その通りにしてあげますから…」
僕も切羽詰まった声になってしまったけど、耳元で伝えたからそんなの気にもなってなければいい。
急いで2人の身体をシャワーで流した。泡がまだ少し残りビショビショのまま、ベットに引っ張り押し倒す。
直接手で触れずに唇と伸ばした舌で愛撫した。
「……ぁ、オイルみたいあの、もっふぇます?」
「…ぅんッ…ぇ?オイ…ル?…鞄に……」
「…かひてくだはい…」
舐めながら手のひらをシンジさんの顔に向ける。
「…うん…んッ…ぁ……ちょッ…
取るからッ離してくれる…?」
「らめ(ダメ)…僕も動くから
このまま動いてろっ(取っ)て…」
鞄を置いた棚はベットの横。
一度味わったら離したくなくて……
口に含んでいる僕と目が合うと恥ずかしそうに視線を外した。
それでも身体は少しずつ鞄に近づき、身動ぎながらも鞄から取り出した小さなボトルを僕に手渡してくれた。
「…これぇで…
馴染ませればいいんでしょ?
どこが良いとか…どうして欲しいとか…
全部、言って…?」
シンジさんがして欲しいように。
その通りにしてあげたいと思うけど…
「……その辺ッ……イ、イんッ……」
指で奥を擦ると甘い声で教えてくれる。
「ヨーマくんのッ……コレ…入れてッ……」
細い腕が僕の下半身に伸びて来て、入れて欲しいと懇願される。
「……おくッ…突い…ッてッ……」
言われた通り奥を突く。
「…ゃッ…ぁッ……奥、苦…しぃッ…」
感じる度、何度もイキそうになったけど、苦しいと言われたら少し引いてゆっくり動かす。
何度目か分からない。
耐えてるのか耐え切れてないのか。
自分でも区別が付かなくなったとき…
喘ぐ声しか発せない…?
苦しそうに泣きそうな表情、首を振って訴えてる…?
ぐちゃぐちゃにトロけたシンジさんを離せず、擦り付け、腰の動きを止めれなかった。
「……ぁ…ッすごい…、シンジさん?
泣かないで…
シンジさんの中……全部ヤバ……
抑えが効かなッ……」
ぐちゃぐちゃに泣かせたいと思う本能を抑えられなかった。
初めて本能を剥き出しにして…
自分はやっぱり人間で、人間はやっぱり動物だなって。
くてっとベットに身を沈めたままのシンジさんに、顔を近づけて頰を撫でる。
……やっぱりこの肌…この人……
この所有欲をどうしよう。
「また、しましょうね?シンジさん?」
「………今度は…僕が上にしません?」
「え……良く無かったですか?」
少し青ざめてそうな僕とは反対に、真っ赤に顔を赤くするシンジさん。
「…いや…良すぎて身体持たないし…
こんなに相性良いし……
逆にヨーマさんを抱きたいって思って…
……何でも言ってって…」
普通を装うかのように話してるけど、小動物のような何とも言えない表情…
可愛いとしか言いようが無いんだけど?
そんな顔して僕を抱くとか?
あり得ないけど、それはまたその時に伝えればいいか。
そしてそのうち…初めて男を抱いたのがシンジさんだと伝えよう。
……愛の言葉と一緒に。
「またすぐ会いましょうね?
仕事の後、2人で飲みましょ。」
この先シンジさんと一緒に仕事する予定は無いし、会社自体、何度も仕事するわけじゃないけど今度いつ2人で飲みに行こうかな…なんて朝別れてすぐ、仕事しながら考えていた。
『お母さん引っ越すから
陽馬もついてくるわよね?』
仕事中母からの電話。
帰れなかったの昨日の事を誤魔化していたら、出てきた重大発言。
「え?どこに?仕事に通えるならいいけど…」
仕事には通いやすくなる場所。
けど、同居人がいるらしい。
……同居人?……今日顔合わせ??
………それって結婚???
疑問を持ちつつ顔合わせの店に着くと、母と、母と同年代の男性と、僕が初めて抱いた男……当の本人が一緒の席にいた。
「……初めまして。
えっと…一緒に住むって…結婚?」
母と男性に聞きたいのに、シンジさんから目を離せず、シンジさんに聞いてるみたいになってしまう。
しかも、オブラートに包みもせず、第一声でこんな質問をしてしまう程……驚きの限度を超えていた。
「えっと……多分、そんな感じに…なるかと…
僕も今知って…とても…驚いてますけど……」
やっぱりシンジさんも驚きの表情。
「もう…そんな急ぐ事じゃないんだけど…
子供達の手も離れたし、
家族として生活していくのも
いいんじゃないかって。ね?」
「はい。初めまして。
陽馬君は忙しいみたいだけど、
僕のようなオジさんと
兄として仲良く心儞と、
家族のように一緒に暮らすのも
いいんじゃないかなと…」
断る事も出来ず…
まぁ、いつでも家を出ればいいし……
店を出たらすぐ、前で話す母達とは少し離れ後ろで心儞さんと並んで歩いていた。
やっと2人だけの話が出来そうだ。
「心儞さんは、僕達と暮らすのありですか?
僕達…僕と…」
まだ鮮明に覚えてる心儞さんの肌の感触。
また隣の頬に手を伸ばしそうになるし、ただぶつかっただけの触れた手を引っ張って繋ぎたくなる。
…これから何度我慢すればいいんだろう。
「陽馬君でビックリ…驚いたけど…
僕は家族が欲しかったんだ…」
『お仲間』……そっち側にいる彼の"家族"という重みに、軽く返事は出来なかったけど……
ただの弟になる気は無い。
そして家族になれるなら家族にもなる。
僕の母と、
自分をオジさんと言う心儞さんに似た義父と、
初めて本能で抱いた彼と、
何かが変わっていく僕。
4人での生活が始まった。
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