異世界でも男装標準装備～性別迷子とか普通だけど～

一般常識を学ぼう

次の人は…

「――――――っ！！！？」
「んっ…（何か…声が…………）って、声！！？」

人の声らしき物が聞こえ、意識が浮上したユウキ
寝起きのため、思考はゆっくりしていたが、自室で自分以外の声が聞こえる…
という異常に気付き、跳ね起きた
目を開けると、まだ薄暗い室内に…

「あ…あ、あなたは誰なんですか！！！？」
（……今度は女の人なのか…）

一人の女性がユウキを指さしていた
女性の反応を見るに、ユウキ達の事はまたあの神様が説明していないのだろう
ユウキはため息をつきたい気持ちを何とかこらえ…

「とりあえず『誰？』という質問に答えようか…
僕はユウキ・キハラ…キミがいた地球の日本からこっちに飛ばされた人だよ」
「えぇ！！？何で私が地球か来てる事知ってるの！！？
てか、同じ場所からなの！！？子どもなのに、飛ばされて可哀想に！」
「え～っと、自称神様に教えて貰ってたから、だいたいの流れは知ってるけど…
ついでに、僕…今はこんななりだけど…元々は成人した大人だったからね」

女性はユウキの言葉に、驚き過ぎて声も出ない…というくらいに驚いていた

（何か、僕の歳よりダイブ上に見えるんだけど…）

ユウキとキョウヤは、周りがどう見ても少年…くらいしにか見えない見た目をしているが
目の前にいる女の人は、少女…というより女性という感じだった
今までの流れから、同じくらいの年の人が来ると勝手に予想していたユウキ的には
かなりの予想外の出来事だった

（前の世界でなら１９…２０歳…辺りかな…）

童顔だったユウキは２０歳になろうが１４・５歳に見られていたが
普通に年相応に見えていると考えれば、それくらいの年に見える

「えーっと、僕も名前言ったんだし、キミの名前も教えてくれないかな？」
「はっ！！！…あ、そうだよね！
私は……あれ？名前何だっけ…？」
「……は？」

いきなりの事に、ユウキは目が点になる
一方、その女性は自分の言った一言に慌てだす

「いや、ちょっと待って！名前はあったよ！あったんだよ！
でもほら、死んでから名前なんて呼ばれる事ないじゃん！
ほら…えっと…」
「ステータスって言うと、自分のステータスが見れるんだけど…
そこに名前あるんじゃない？」
「え！何それ！ゲームっぽい！ステータス！」
（ついでに、僕も鑑定）

そう言うと、女性はウキウキしながらステータスを確認していた

―◇―ステータス―◇―

ミナミ・コマザワ

年齢：２０歳
身長：１６２㎝
体重：５５㎏

レベル：１
職業：まだない
才能：好奇心
スキル：インベントリ・メイキング
HP：５０ 
MP：５０
攻撃力：５０
魔法攻撃力：５０
防御力：５０
魔法防御：５０
力：５０
素早さ：５０
命中率：５０
運：５０

―◇―　　終　　―◇―

「あ！あったあった！
そうそう、私の名前はミナミ・コマザワだよ！
思い出せてスッキリしたぁ～」
「………そりゃ良かったね…
（え…何で僕達と才能やスキル…果てはステータス値まで違うんだ！！！？）」

表面には驚きを出していないが、ユウキの中では第二の予想外の事が起こり
脳内では大いに混乱している

「ユウキ…く…ん？」
「ぇ？」

脳内の混乱を鎮静化しようとしていると、ミナミが呼ぶ声が聞こえた
しかし、ミナミはジーッとユウキの事を見ているだけ…

「…ど、どうしたの？どっか痛い？」

自分やキョウヤの時とは違い、ステータス値やら何やら全てが違うミナミ
もしかしたら、自称神様がこっちに送った時に、傷やら何やら出来ていてもオカシクはない
実際、キョウヤは落とされていたし…
あれは、キョウヤのステータス値だから耐えれただけで
ミナミのステータス値では耐えられなかったという事も考えられる