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一般常識を学ぼう

素材店

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(この世界、僕の作れる物一杯だよなぁ~♪)

普通は、1つの職業のスキルを極めるのに大変な上に、向いてる物が決まっている
だが、ユウキは何だってなれる…
つまりは、自由なのだ…色々と

「お前…鉛筆とか作る気だろ?」
「え、何の事~?」

キョウヤの疑問系なのに、ほぼ肯定に近い問いに
ユウキは目を逸らして答える
その反応で3人は、ユウキが自作する事を確信するのだった

「さてと…んじゃ、次は素材店に連れてってくれない?」
「あぁ…忘れてたぜ」
「そうでしたね!あの金塊…とてつもない値段になりそうだわ…」

あの広い金の採掘場から、全て採掘したのだ
もし、アレを全部換金すれば、どれほどの値段になるか、想像出来ない

「素材店は、リーシェ通りよ
 ココから近いから、すぐに着くわ」

今は、学校から目と鼻の先にある所…
そこからリーシェ通りに抜け、少し南側に行くと、素材店が見えた

「えーっと…結構数あんだよねぇ~」
「あんだけ採掘すりゃ、当然だろ…」
「ホント、あれを全部採掘するだなんて思わなかったわ」

そんな話をしながら店の中に入る
広さはかなりあり…ボックスと良い勝負ではないだろうか…
まぁ、色々な素材を置くには、これくらいの場所は必要なのかもしれない
店内は木造で、あちこちにショーケースやら、物によっては木製の台の上やら
色々な陳列棚の上に様々な物が置かれている
そして、素材を求めてか…売りに来たのか…
冒険者の人から職人のような人まで、様々な人がいた

「お、シーヴァにミーシャじゃねぇか
 良い素材、手に入ったかい?」

店内に入ると、一人の男性が近づいてきた
豪快に笑うオジサンは、どうやら2人と面識があるようで
親し気に話している

「うん、今日はスゴイ素材があるんだ」
「お、それは楽しみだな!
 っと、そっちのおチビさん達は、初めましてだな
 俺はダンテ、この素材『トレード』の店長だ!
 いらない素材があれば売りに来いよ!
 あ、生産する奴なら、ココで買ってくれ、色々揃えてるからな」

そう言って、ガハハと豪快に笑った

「僕は、ユウキ…何かあれば利用させてもらいますね」
「俺は、キョウヤ」
「おぉ、よろしく頼むな
 さて、さっき言ってたスゴイ素材って何だ?」

先程ミーシャが言った『スゴイ素材』というのが、とても気になっているらしい
挨拶もそこそこに、早速その話を切り出した

「ユウキ君、出してくれない?」
「って、この店内で出すのか…?
 (人多くて目立ちそうだな…)」
「当たり前じゃない」
「スゴイ素材を手に入れたんだろ?
 みんな気になってるだろうから、今更こっそり何てできねーぞ」

ダンテにそう言われ、ユウキは辺りを見回してみる
店内にいる人々は、普通に買いものをしているように装っているが
ミーシャの言っていたスゴイ素材が気になるらしく
チラッチラッとこちらを見ている

(冒険者は、どんな物か知りたい…生産職の人は
 良い素材なら仕入れたい…って所か…)

どうやら、今更どうにも出来ない事を悟ったユウキは
仕方がない…とため息を一つついてウェストポーチに手を当てる
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