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一般常識を学ぼう

人との関わり

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「あぁ、忘れてたけど…お前ら誰??」
「俺はシーヴァ」
「私はミーシャです…よろしくお願いします」
「俺はキョウヤ…コイツの同居人だ
 それにしても、お前がこの世界の人をこの家に連れて来るなんて
 想像出来なかったんだが…」

キョウヤが言う事は最もだった
ユウキはキョウヤよりも三日ほど先輩で
その三日で家を建てたり、レベルを上げたり、生産活動など沢山の事をしている
しかし、沢山の事をしている中で
全然進んでいない事が1つだけある
それが、この世界の人との交流だ
キョウヤが見てきた中で、ユウキがこの世界の人と関わっている所は
ギルドの受付嬢と変態少女(キョウヤの中ではそう位置づけられている)
ボックスという店の店主とその奥さん
という、まぁ、限られた人との会話しか聞いて無い
まぁ、まだ来て三日なのだから、そんなに親しい人がいないのも
仕方のない事だろうけども…
それでも、一つ決定的に違和感がある

「お前、この世界に初めて来て何も分からねぇのに
 人に聞こうとか…そういう思考回路になってねぇからな
 人と関わるのが苦手なのかと思ってた」
「うっ…」

キョウヤの言葉に、ユウキは詰まる
キョウヤの言っている事は、半分は正解しているのだから

「た、確かに…人と関わるのは、苦手だけどな…
 でも、普通に喋れるし、特に対人関係で困るような所でもないよ
 ここの人に頼らなかったのは…
 異世界から来た人間を受け入れてもらえるか分からなかったから…
 どういう扱いを受けるか分からないのに、そんなにホイホイ話せるわけねぇだろ
 キョウヤみたいに、聞けばいい…なんて状況じゃなかったしな」

元々聞くという発想自体あまり無かったのだが…
聞こうにも、どの辺りまでがこの世界の常識で
どの辺りまでのものは聞いても不審じゃないないか分からなかった
シーヴァとミーシャにバレたのだって
この世界の常識を知らなかった事を不審に思われ
そこからバレたのだ
この世界の状況をしっかり知らない今
あまり不用意に色んな人と関わるのは、危険だとも思うのだ

「ココで暮らしながら、少しずつ覚えていくつもりだったんだよ…
 本とかで調べながらな…
 僕的には、まだこの世界の人と深く関わるつもりもなかったし…」
「でも、関わらなきゃ分からねぇ事もあるぞ」
「…まぁ…そうなんだけどね…」

本は自分から色々と教えてはくれない
疑問に思ってる事、知りたい事があって初めて、その本を探し知識を得る
しかし、人と関わると、会話の中で色々な情報を得る事が出来る
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