上 下
33 / 357
ラグーン

性別間違われるのは、普通です

しおりを挟む
「はぁ…はぁ…言わせておけば…ッ」

何度も攻撃を繰り出した男は疲れが見えてきた
一方、ユウキは全然余裕である

「そろそろ終わらせるか…」

この戦闘中をどのように終わらせるか分からないので
ユウキはとりあえず男に攻撃する
パンチやキック…回し蹴りなどなど、攻撃をどんどん打ち込んでいく
7発攻撃を入れて、ふと手を止める

(コイツのHP確か600辺りだったよね
 今の7発と初っ端の1発で400くらいダメージいってるから
 残り200くらいだよね…これって、0になったらどうなるの…?)

普通に考えるとHPが無くなると死んでしまう…という事
しかし、ココはどうなのか…それが分からない
とりあえず、相手がノビてしまっているので
これ以上するのはどうかと思い手は止めた
しかし、頭上の『戦闘中』が消えない

「もう、終わりで良いだろ…」

ユウキは声をかけたが、男には届かなかった
しかし、男の上にあった『戦闘中』が消えたのだ
自分の頭上を見ると、同じように文字が消えていた
どういう原理かは分からないが、これも含め図書館で調べようと思う

「おぉ!!兄ちゃんすげーな!」
「小さいのに、よくやるねぇ」
「見てて、スカッとしたよ~」
「ホント、アイツには困らされてたもんねぇ~」

戦闘が終わった瞬間、周りの人から褒められる
性別が間違われているが、その辺は気にしない
とりあえず、やはり、あの男は困った人だったようだ
周りに設置されていた柵は、ギルドの職員さんが素早く撤去し
男の体は担架で運ばれていった
すると、人々の流れは再び元のように戻り
ユウキの周りにいる人以外は元に戻った

「ハハハ…と、とりあえず僕は急ぐから!」

ユウキは、そう言って人ゴミから脱出し、カウンターへ向かう
あの騒ぎの間に、業務は進んだのだろう…カウンターある列は
だいぶ短くなっていた
ものの数分待つと、カウンターの姉さんとご対面
お姉さんはニッコリ笑って、ユウキを迎える

「もう討伐依頼終わったの?
 あら、新しい依頼ね…前の依頼が進まないからって、他の依頼を探しに来たの?」
「違う違う、ちゃんと討伐依頼こなしてきたよ」
「え…うそ!!?」

お姉さんが疑うので、ユウキはカウントカードを取り出してお姉さんに渡す
お姉さんはそれを、スッと薄い板の上に置いて、何やら画面を見ている
画面はPCの画面と同じ感じだ
ユウキの方からは何が書かれているか見る事は出来ないので
ただ、お姉さんが確認し終えるまで待つしかなかった
しおりを挟む

処理中です...