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一般常識を学ぼう
父親との会話
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「ねぇ~、お父様~
あの子の親を呼び出して、お詫びをして頂かなくては
私の気が晴れませんわ~
それに、貴族の私にケガをさせたのですから
当然、治療費と慰謝料を払って頂かなくては
貴族としての権威にかか「その口を閉じなさい」ぇ…?」
今まで、入室許可以外で口を開かなかったレミールの父が初めて言葉を発した
その声は、先程の声よりおおよそ低い…そう怒りの感情が感じ取れた
(怒ってる…けど…今のタイミングだと…)
口を挟んだタイミングにユウキが違和感を感じていると
レミールの父が顔を上げ、視線が合う
確かに表情は怒っている…が…
(この怒りの矛先って…)
「この度は、うちの娘が大変失礼な真似を致しまして、申し訳ございません」
そう言って、深々と頭を下げたのだからユウキは大いに驚いた
予想と違う父親像に驚かされたのだ
まぁ、勝手に決めつけていただけなのだが…
それと同時にふとある事に気が付く
「えっと…レミールさんが何をしたか…ご存知…なんですか…?」
そう、今レミールから出た言葉からは
おおよそ予想がつかないであろう実際にあった事…
事実を知らないと、先程の謝罪の言葉は出てこない
と…いう事は、レミールが何をしたのかを、知っている…
という事になるのだ
(仮に知ってたとして…どうやって知ったんだ…?)
「えぇ、ちゃんとリアルタイムで見せて頂きましたよ
君が起動してくれた、アレのお陰でね
本当は、グラスタから依頼された誰かが起動する予定だったんだが…」
「ぇ…僕が起動したやつって…まさか、コレの事?」
そう言って、ユウキはポケットに入れていた物を取り出す
それはついこの間、ディアナが映像を記録していたのと同じ物だった
「そうだ、それは起動すると、映像の撮影、録音は勿論
その映像と音声を同時進行で、こちらで確認する事が出来る物でね
こちらで、随時確認していた…というわけだ」
(なるほど…)
「それなら、説明は不要ですよね?
この子は、あろうことか、私を突き飛ばしたのですよ?!
然るべき処罰を…」
「口を閉じていなさい…と、言ったはずだが…
然るべき処罰は、お前に受けて貰う」
「っ?!何故ですかお父様!?
私は何も悪い事などしておりません!」
(ぇ~…マジでそういう事言っちゃうの~?
てか、この父親が育てたなら、もっとまともに育ちそうなもんだけど…)
実際に見てみて、違和感だらけなのは
この父と子の血縁である
どう考えても、父親がこの状態が通常なら
あんな自己中心的で我儘な事など言わないであろう
家では甘やかしてる…という可能性も上げられるが…
逆に、こういう人前で、自分側の非を謝る人が
家でむちゃくちゃな甘やかしをする…とも考えにくい
どう頑張って考えても、しっくりくる仮定が出てこないのだった
「お前の我儘で、人の命を危険に晒したのだぞ!?」
「私の命を守るための護衛なのですよ!?」
「それは、お前が依頼範囲で冒険者の指示を聞いて
きちんと身を守る事をしていたら…の場合に限る
自分勝手に行先の変更
魔獣の事もろくに知らない癖に先頭を歩き
冒険者の指示も全て無視している
身を守るつもりがあるのかすら疑う行為ばかりだ
守ってもらう立場の人間のする事ではない」
「私が何をしていても、命をかけて守れなければ
護衛としての価値など無いじゃないですか!?
貴族の私を守れている事を、むしろ光栄に思って頂かなければ」
レミールの言葉を聞いて、額に手をやり父親は「ふぅ…」とため息をついた
「全く…どのような教育をすれば、このような娘に育つのやら…」
(ぇ…?どーゆう事?この人の娘じゃない…って事…?
でも『お父様』って呼んでるし…ぇ?ぇ?)
情況が理解出来ないユウキは脳内で軽く混乱してきていた
周りを見てみると、他の人は事情を知っているのだろうか…
全然驚いている様子も見られない…
ポーカーフェイスで隠している可能性もあるかもしれないが…
あの子の親を呼び出して、お詫びをして頂かなくては
私の気が晴れませんわ~
それに、貴族の私にケガをさせたのですから
当然、治療費と慰謝料を払って頂かなくては
貴族としての権威にかか「その口を閉じなさい」ぇ…?」
今まで、入室許可以外で口を開かなかったレミールの父が初めて言葉を発した
その声は、先程の声よりおおよそ低い…そう怒りの感情が感じ取れた
(怒ってる…けど…今のタイミングだと…)
口を挟んだタイミングにユウキが違和感を感じていると
レミールの父が顔を上げ、視線が合う
確かに表情は怒っている…が…
(この怒りの矛先って…)
「この度は、うちの娘が大変失礼な真似を致しまして、申し訳ございません」
そう言って、深々と頭を下げたのだからユウキは大いに驚いた
予想と違う父親像に驚かされたのだ
まぁ、勝手に決めつけていただけなのだが…
それと同時にふとある事に気が付く
「えっと…レミールさんが何をしたか…ご存知…なんですか…?」
そう、今レミールから出た言葉からは
おおよそ予想がつかないであろう実際にあった事…
事実を知らないと、先程の謝罪の言葉は出てこない
と…いう事は、レミールが何をしたのかを、知っている…
という事になるのだ
(仮に知ってたとして…どうやって知ったんだ…?)
「えぇ、ちゃんとリアルタイムで見せて頂きましたよ
君が起動してくれた、アレのお陰でね
本当は、グラスタから依頼された誰かが起動する予定だったんだが…」
「ぇ…僕が起動したやつって…まさか、コレの事?」
そう言って、ユウキはポケットに入れていた物を取り出す
それはついこの間、ディアナが映像を記録していたのと同じ物だった
「そうだ、それは起動すると、映像の撮影、録音は勿論
その映像と音声を同時進行で、こちらで確認する事が出来る物でね
こちらで、随時確認していた…というわけだ」
(なるほど…)
「それなら、説明は不要ですよね?
この子は、あろうことか、私を突き飛ばしたのですよ?!
然るべき処罰を…」
「口を閉じていなさい…と、言ったはずだが…
然るべき処罰は、お前に受けて貰う」
「っ?!何故ですかお父様!?
私は何も悪い事などしておりません!」
(ぇ~…マジでそういう事言っちゃうの~?
てか、この父親が育てたなら、もっとまともに育ちそうなもんだけど…)
実際に見てみて、違和感だらけなのは
この父と子の血縁である
どう考えても、父親がこの状態が通常なら
あんな自己中心的で我儘な事など言わないであろう
家では甘やかしてる…という可能性も上げられるが…
逆に、こういう人前で、自分側の非を謝る人が
家でむちゃくちゃな甘やかしをする…とも考えにくい
どう頑張って考えても、しっくりくる仮定が出てこないのだった
「お前の我儘で、人の命を危険に晒したのだぞ!?」
「私の命を守るための護衛なのですよ!?」
「それは、お前が依頼範囲で冒険者の指示を聞いて
きちんと身を守る事をしていたら…の場合に限る
自分勝手に行先の変更
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冒険者の指示も全て無視している
身を守るつもりがあるのかすら疑う行為ばかりだ
守ってもらう立場の人間のする事ではない」
「私が何をしていても、命をかけて守れなければ
護衛としての価値など無いじゃないですか!?
貴族の私を守れている事を、むしろ光栄に思って頂かなければ」
レミールの言葉を聞いて、額に手をやり父親は「ふぅ…」とため息をついた
「全く…どのような教育をすれば、このような娘に育つのやら…」
(ぇ…?どーゆう事?この人の娘じゃない…って事…?
でも『お父様』って呼んでるし…ぇ?ぇ?)
情況が理解出来ないユウキは脳内で軽く混乱してきていた
周りを見てみると、他の人は事情を知っているのだろうか…
全然驚いている様子も見られない…
ポーカーフェイスで隠している可能性もあるかもしれないが…
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