上 下
311 / 357
一般常識を学ぼう

再会

しおりを挟む
(ん~…この人達…文句言いに行ったところで
道具で調べられるのって、知ってるのかなぁ…?)

色んな人に、可哀想という視線を送られながら、どんどん進んでいく
そんな中、周りの心配をよそにユウキは違う事を考えていたのだった
そう、ディアナが言っていたことが本当ならば
ウサギの耳に行って文句を言ったところで
この3人の過去を見れば動きようのない証拠が出てくるのだ

(…それすらも、ウソだって言うのかなぁ…?)

この3人がどうするつもりなのか…
そんな事を想像しているうちに、ウサギの耳に到着したらしく
男たちは建物の中へ入っていく
それはもう自信満々で…だ

「おい!この記事を書いた奴を出せ!」

バンッと号外だろうか…情報誌を受付カウンターらしき所に叩き付け
いかにも怒ってますオーラを出す男
受付にいた女性は特に動揺する事も無く
静かに男を見つめ、その出された情報誌を見る

「あぁ…その記事ですか…
それでは、書いた者をお呼びしますが…
失礼ですが、ちゃんと反論に足る物をお持ちなんでしょうか?」
「あぁ!持ってきたぜ!
コイツが、ちゃーんとウソって自白してくれたからなぁ!!」

ズィ…と前に出されたユウキ
改めて受付のお姉さんと目が合う

「あら、君は…」
「ん?あ…あの時のお姉さん」

そう、以前フリスク兄弟の弟に絡まれていたお姉さん、ルーザだった

「君がウソをついたって自白した…っていうのは本当かしら?」

ルーザのその問に答えようとすると
後ろから肩を突かれ、振り向くと…
『どう言えば良いか分かってんだろうな?』
みたいな表情をした男たちが睨んでた

「(そーゆうのって、自分より弱い奴にしか効果ないっての)
ん?僕はなーんにも言ってないよ~
この人達が勝手に僕をココまで連れてきただけさ」
「お前!何今更ウソ言ってやがる!?」
「俺達は、3人とも同じ所にいたんだぞ!」
「お前がウソ言ってるの知ってんだからなぁ!!!?」
「まぁ、どちらがウソを言っているのか…
何となく分かりますが…まぁ、仕方がありません
どちらも言い分が合わないのであれば、アレを使いましょう」
「はん!俺達がウソって言ってんだから
お前のがウソだって、お姉さんにもバレバレじゃねぇか!ぎゃははは!」

勝ち誇ったように笑う男
その笑い声を聞いてルーザはため息をついた

(あなた達がウソをついてる事くらい、すぐ分かるわよ
何よその、3人が同じ事言ってるから相手がウソって…
小さい子どもじゃあるまいし…)

そう、男の方のウソがバレていたのだった
まぁ、ルーザからすると、人助けをするくらいのユウキが
逆に人を陥れる事をする…という事が考えられないのだ

「すいません、アレを使いますので
準備、よろしくお願いしますね」

奥にいたギルド員の人にそう告げ
ルーザはすぐに元の所に戻ってくる
すると、そばにあった階段から
タンタンタンッとリズムの良い音がして

「ふふ、やっぱり来ましたねぇ?」
「あ、ディアナさん」
「なっ!!?お、お前は…」
「何で、こんなところに!!?」
「お前がウソを情報誌に言いやがったのか!!?」
「違いますよぉ~
私は喋ってなどいませんよぉ~?
ただ、記事にして書いただけですけど、何か問題でも?」

そう、喋ったらボッコボコにする…と言われたが
記事にするな…とは言われていない

「問題だらけだろーが!!
フン!あーんなデタラメな記事書くとか
情報誌なめてんのかよ!?」
「いや、なめてんのアンタだろ…」
「うるせぇなクソガキ!
お前の言う事なんざ、だーれも本気になんかしねぇって!!
俺ら大人3人が同じ事言ってんだ!
俺達が正しいに決まってるだろ!!」
「そーだそーだ!こーんなテキトーな記事しか書けねぇ記者なんて
さっさとやめちまえ!」
「人の事、悪く書いて楽しいのかよ!
俺達、真面目に依頼こなしてるだけなのに!
貶めて楽しいかぁ!?」

3人揃って、そう言うがディアナはどこ吹く風である
そう、彼女にとって、この展開は想定範囲内
というか、こういう記事を書けば
こういう輩が来る事はよくある事なのだ

「ちゃーんと、証拠の記録媒体ありますよぉ~?」
「「「え…?」」」

ニッコリとそう言って、ノートと黒くて丸い物をカウンターに置く
ノートは以前使っていた絵を描くやつだろう
しかし、黒くて丸い物体が何か分からない

「まず、記録した紙…これはその場、その場を書き記してあります」
「ハン!こんなもの
何言ってるかなんて、分からねぇだろ!!」
「と、言うと思いまして、コレもきちんと撮ってあります」

そう言ってディアナが黒い物体をポンッと押すと
光が出てきて、何もない空中に動画が流れ始める
音声も入っていて、何を喋っているか
そこまでしっかり分かる
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

緑の魔法と香りの使い手

兎希メグ/megu
ファンタジー
ハーブが大好きな女子大生が、ある日ハーブを手入れしていたら、不幸な事に死亡してしまい異世界に転生。 特典はハーブを使った癒しの魔法。 転生した世界は何と、弱肉強食の恐ろしい世界。でも優しい女神様のおかげでチュートリアル的森で、懐いた可愛い子狼と一緒にしっかり準備して。 とりあえず美味しいスイーツとハーブ料理を振る舞い、笑顔を増やそうと思います。 皆様のおかげで小説2巻まで、漫画版もアルファポリス公式漫画で連載中です。 9月29日に漫画1巻発売になります! まめぞう先生による素敵な漫画がまとめて読めますので、よろしくお願いします!

チート転生~チートって本当にあるものですね~

水魔沙希
ファンタジー
死んでしまった片瀬彼方は、突然異世界に転生してしまう。しかも、赤ちゃん時代からやり直せと!?何げにステータスを見ていたら、何やら面白そうなユニークスキルがあった!! そのスキルが、随分チートな事に気付くのは神の加護を得てからだった。 亀更新で気が向いたら、随時更新しようと思います。ご了承お願いいたします。

家族もチート!?な貴族に転生しました。

夢見
ファンタジー
月神 詩は神の手違いで死んでしまった… そのお詫びにチート付きで異世界に転生することになった。 詩は異世界何を思い、何をするのかそれは誰にも分からない。 ※※※※※※※※※ チート過ぎる転生貴族の改訂版です。 内容がものすごく変わっている部分と変わっていない部分が入り交じっております ※※※※※※※※※

外れスキル「トレース」が、修行をしたら壊れ性能になった~あれもこれもコピーし俺を閉じ込め高見の見物をしている奴を殴り飛ばす~

うみ
ファンタジー
 港で荷物の上げ下ろしをしたり冒険者稼業をして暮らしていたウィレムは、女冒険者の前でいい顔をできなかった仲間の男に嫉妬され突き飛ばされる。  落とし穴に落ちたかと思ったら、彼は見たことのない小屋に転移していた。  そこはとんでもない場所で、強力なモンスターがひしめく魔窟の真っただ中だったのだ。 幸い修行をする時間があったウィレムはそこで出会った火の玉と共に厳しい修行をする。  その結果たった一つの動作をコピーするだけだった外れスキル「トレース」が、とんでもないスキルに変貌したのだった。  どんな動作でも記憶し、実行できるように進化したトレーススキルは、他のスキルの必殺技でさえ記憶し実行することができてしまう。  彼はあれもこれもコピーし、迫りくるモンスターを全て打ち倒していく。  自分をここに送った首謀者を殴り飛ばすと心の中に秘めながら。    脱出して街に戻り、待っている妹と郊外に一軒家を買う。  ささやかな夢を目標にウィレムは進む。   ※以前書いた作品のスキル設定を使った作品となります。内容は全くの別物となっております。

収納持ちのコレクターは、仲間と幸せに暮らしたい。~スキルがなくて追放された自称「か弱い女の子」の元辺境伯令嬢。実は無自覚チートで世界最強⁉~

SHEILA
ファンタジー
生まれた時から、両親に嫌われていた。 物心ついた時には、毎日両親から暴力を受けていた。 4年後に生まれた妹は、生まれた時から、両親に可愛がられた。 そして、物心ついた妹からも、虐めや暴力を受けるようになった。 現代日本では考えられないような環境で育った私は、ある日妹に殺され、<選択の間>に呼ばれた。 異世界の創造神に、地球の輪廻の輪に戻るか異世界に転生するかを選べると言われ、迷わず転生することを選んだ。 けれど、転生先でも両親に愛されることはなくて…… お読みいただきありがとうございます。 のんびり不定期更新です。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

あの、神様、普通の家庭に転生させてって言いましたよね?なんか、森にいるんですけど.......。

▽空
ファンタジー
テンプレのトラックバーンで転生したよ...... どうしようΣ( ̄□ ̄;) とりあえず、今世を楽しんでやる~!!!!!!!!! R指定は念のためです。 マイペースに更新していきます。

他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!

七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?

処理中です...