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一般常識を学ぼう

キョウヤの挑戦

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「いや、俺が作る」
「ぇ?」

キョウヤの言った言葉に一瞬思考が止まる
そしてユウキの中では、先程頭を駆け巡った
キョウヤに作らせてちゃんとした武器が出来るのか…
という心配がすぐに顔を出す
多分、ユウキの表情で何を考えているのか察したのだろう
キョウヤは少しムッとした顔をしながらユウキを睨む

「前に言っただろ、自分で作れるようになるって!」
「あ…あぁ…うん、確かにな
でも、さっき自分で作ろうとしてなかったじゃん」

確かにユウキの言う通り
先程、剣しかない…という状況で
新しく武器を作ろう…としていなかったのだが…

「…メイキングの存在忘れてたんだよ…」

キョウヤの一言でしばし静かな時間が訪れる
ユウキからすれば、あんな便利なものをどうやって忘れるのか…
という思いでいっぱいだ

「…マジかよ…」
「お前みたいに、ぱかぱかメイキングしてねぇからな!!
忘れる事ぐらいある!!」

ユウキの呆れ顔に耐えかねたキョウヤは
キッとユウキを睨みつけ、メイキングにとりかかる

(…ま、とりあえず、本人がやる気だし…
問題ありそうなら、僕が作り直せばいっか)

キョウヤが成功するとは、あまり思っていないらしい
失敗した時には、どんな銃にするか…と考え始める

(アイツが前言ってたからな…俺だってそろそろ出来るはずだ!
攻撃力としては、今使ってる剣と同じ…1000くらいで
それから、素材は軽くて丈夫なやつ…)

強さのイメージと共にデザインも考える
強い光が集まりやがて消えていくと
キョウヤの手には持ち手は黒く、銃身が赤い銃が握られていた
ココまでは問題ない
問題なのは、この銃の性能にある
キョウヤの考えた通り1000の攻撃力があるか…
作った本人が一番心配している所だ
ジッと銃を見つめ、覚悟を決めて

(鑑定!!)

◇火炎の銃◇
極稀に相手に炎のダメージを与える事のある銃
銃身が赤く、持ち手は黒い

攻撃力:800

「…800…か…」

想像していた数値よりも低く、ため息が出るキョウヤ
それをそばで見ていたユウキはと言うと…

「へぇ…良いんじゃねぇの?」
「でも200も攻撃力落ちたら…」
「あのなぁ…攻撃力1000ないと…っていうのは
キョウヤの攻撃力もそもそも低かったからな!?
もうレベルアップもそれなりにしたから、問題ねぇよ
とりあえずタンクを倒す分にはな!」
「あ…そういえば…」

ユウキに言われて思い出す
そう、レベルが上がった分、攻撃力も上がっているのだ
200下がっていても、自分の攻撃力でカバー出来るのだ

(思い描いてた数字には届かなかったけど
僕が作る必要は無かった…って事だな
んぁ…そういえば、補助魔法どうなったんだろ?)

そう、結構前にキョウヤにかけた攻撃力を補助する魔法
普通なら、もう効果が切れていてもいい時間である
なので、バトルを始める前に確認しておこうと鑑定してみる

―◇―ステータス―◇―

キョウヤ・タニガワ

年齢:14歳
身長:158㎝
体重:47㎏
   
レベル:4
職業:冒険者
才能:多趣味・好奇心・天才児・運動神経抜群
神様スキル:インベントリ・鑑定眼・メイキング
戦闘スキル:格闘術(1)・連続パンチ(0)
生活スキル:採集(2)
HP:500 
MP:500
攻撃力:500+500
魔法攻撃力:500
防御力:500
魔法防御:500
力:500
素早さ:500
命中率:500
運:500

―◇―  終  ―◇―

「まだ効果あるやん!!?」
「はぁ?」

いきなりの大声に、キョウヤは眉にしわを寄せる

「いや、キョウヤにかけた魔法がまだ効果続いてたから驚いた…」
「別に、魔法なんだから、解かなきゃそのままなんじゃねぇの?」
「……その可能性もあるな…」

そう言われ考え込むユウキ
別にこのままで困る事は無いが…
本来のキョウヤの攻撃力と武器で倒せるのに
強化する必要は全くと言って良いほど無い
ユウキの場合、必要ないのに武器で強化しているが…

「キョウヤ、補助魔法解くぞ
今のキョウヤなら、武器と自分の攻撃力で1300あるし
タンクの攻撃力を引いても1100で、いつものように1/3でも
360いけるから、大丈夫だろ」
「そうだな…」
「んじゃ…魔法解除」

そして、ちゃんと解除できたか確認のため
もう一度ステータスを確認する

―◇―ステータス―◇―

キョウヤ・タニガワ

年齢:14歳
身長:158㎝
体重:47㎏
   
レベル:4
職業:冒険者
才能:多趣味・好奇心・天才児・運動神経抜群
神様スキル:インベントリ・鑑定眼・メイキング
戦闘スキル:格闘術(1)・連続パンチ(0)
生活スキル:採集(2)
HP:500 
MP:500
攻撃力:500
魔法攻撃力:500
防御力:500
魔法防御:500
力:500
素早さ:500
命中率:500
運:500

―◇―  終  ―◇―

「よし、ちゃんと解除できたな!」
「それじゃ、タンクを倒して」
「牛乳ゲットするか!」
「…えーっと、牛乳って、多分ニーウだよな…?」
「……た、多分…な」

キョウヤに確認されても、ユウキも知らないため『多分』としか返せない
とりあえず、倒さなければ始まらないため
2人は銃を構える

「お先にどーぞ」
「それじゃあ、遠慮なくいくぜ」

パンッ

とキョウヤの銃から乾いた音が響き渡った
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