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一般常識を学ぼう

手料理

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「とりあえず、家に帰ってお昼ご飯にするか」
「そうだね!じゃあ、私が作るね!」

料理のスキルを獲得するために、ミナミが手を上げる

「この世界に来て、初めて女性の手料理が味わえる!」
(ユウキちゃんの料理も女性の手料理だよ!!!?)

どちらかと言えば、女性というより年齢的に女の子…ではあるが…

「んじゃあ、あの辺の店行って食べたら良いじゃねぇか」

ただ、そんな事を気にしていないユウキは
女性の手料理が食べたければ、その辺の店に行けば良いと
その辺の飲食店を指さし、見当違いの提案をする

「お前、この世界の味覚基準を知ってるだろ!無理だっつーの!」
「いや、女性の手料理が味わいたかったみたいだから…」
「だからって、食えねぇのはダメだろ!」
「ん?そういえば、私が来るまで、料理はどうしてたの?
今日の朝はユウキちゃんが作ってくれてたけど…」

ふと疑問に思ったミナミ
それをそのまま聞くと、ユウキは呆れた目でキョウヤを見た

「ずーっと僕が作ってたよ
キョウヤは一切やってない、出来ないとか言ってな」
「向こうの世界じゃ外食がメインだったんだ、出来るわけねぇだろ」

ドヤッと威張って言えるセリフでは無いのに
何故か胸を張って言うキョウヤ

「そのくせ、色々と注文が多いんだよなぁ」
「せっかく、食べるんだから、美味い方が良いだろ」
「えっと、私、まだそんなに上手に作れないかもしれないけど…」

今の話を聞く限り、キョウヤが味に煩いのは容易に想像出来た
料理はしてきたし、知識もあるから大丈夫だとは思うが
キョウヤの口に合うか、かなりの心配要素だ

「お、俺だって、何でもかんでもケチつけるわけじゃねぇから!
だいたい、男のお前に気ぃ使ってもしゃーねぇだろ」
(ユウキちゃん、女の子なんだってばぁ…)
「はいはい…ってか、女子には気を使うみたいな感じだけど…
妄想少女には、かなり素で接してたと思うけど?」

ギルドの受付の人や、ミーシャ、シェイル、ディアナの時は
そこまで喋っていなかったが…まぁ、普通応対だった
しかし、ユメへの対応は主にツッコミだったような気がする

「あれは気を使っても無意味だろ
あんな妄想炸裂してる奴に、何で気ぃ使わなきゃいけねぇんだよ」
「まぁ、それはごもっとも」

まともに会話が成立しないのだ
気を使っても使わなくても一緒なら、使わない方が楽だろう

「ったく、アイツはホントに…
何で、俺とお前であんな奴を取り合わなきゃならないんだか…」
(えーっと…妄想少女もユウキちゃんの事、男の子っていう認識なんだ…)
「僕が知るわけないでしょ」

そんな話をしながら、家に辿り着く
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