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予期せぬ来客
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夢の中であったのだろうが、何故かあの日の情景が広がっていた。
紫を基調とした魔法装束の少女、二つ名はアレゴリーの魔女、玖珠月寧々と、私が対峙していたときの場面であった。
彼女は人の感情を揺さぶり、戦局を有利にする狡猾な魔法少女であった。
だからこそ、そこに居合わせたBフィーターさんが命を落とした。
彼女の策略にハマりなす術なくやられたBフィーターにあろうことか玖珠月寧々は笑ったのだ。
彼女はそれほど強い能力は有してはなかったが、感情の起伏を操ることが出来る魔法をを持っていたのだ。
その魔法によって、私たちは瓦解した。
彼女曰く、善人ほどこの能力は使えると言っていたな・・。
私たちは薄っぺらい仲間意識のせいで関係が崩壊し、ついにはBフィーターさんを見殺しにしてしまった。
結果彼女との戦いで、塔の魔女であるBフィーターさんは命を落とし、私は戦意を喪失したのであった。
そういう意味では強敵だったのかもしれないが、結局彼女は後から駆けつけてくれた、私の親友であり、氷の魔法少女氷室鈴菜が玖珠月寧々を討ったのであったが、あれほどに後を引く戦いはなかったのだろう。
何故なら・・。
いや、もう思い出す必要もないだろう。
あの世界にもう私もあの人たいもいないのだから・・。
ーーーーー
どんな夢を見ていたのか、微睡の中でそんなことを考えるもぼやけた思考の中ですぐに喉の渇きとトイレの行きたさに邪魔され夢を記憶する前に捨てられたような感じがした。
結局のところ、夢の内容は詳しくは思い出せなかったのだが、嫌な夢であったことは確かだろう。
だがしかし・・。
先日の出来事が嬉しくなり、どんな夢を見たかなどどうでもよくなっていたのであった。
『レーネちゃんの歓迎会をやろう』
ミリアンヌが言ったその言葉を思い出し、私の口元が緩む。
ミリアンヌの成長?なのか、優しさなのか何にせよレーネに対する心遣いを見て私は母親目線で嬉しくなっていたのだろう。
「歓迎会に持っていくお菓子を手作りにしたら喜んでくれるかな?」
私はトイレへと続く道を歩きながらそんなことを考えていた。
私の家は風呂だけでなく、トイレも外に設備されており、わざわざ外に出ないといけないのである。
眠気眼を擦りながらようやくトイレが見えたその時であった。
「......」
ちょうどトイレの裏手から誰かの話し声が聞こえる。
私はトイレに行くことをそっちのけで、声のする方へ向かってしまっていた。
盗み聞きは趣味ではないが、こんな薄暗い明朝に集まって何をしているのだろうといった興味で近づいたのであった。
「これは緊急事態なのだ、許可証などなくてもこの王国騎士の紋章でわかるだろう」
私が茂みに隠れて話し声が聞こえた方を向くと、不遜な態度の男が大げさなジェスチャーでこの村の村長に訴えていた。
「そのことは重々承知しておりますが、王国騎士様が一体こんな辺境な村に何ようですかね?」
物腰の柔らかい村長は男の圧に狼狽ながらそう言う。
不遜な態度の男は銀の鎧を一式、身につけており、その後ろにも同じ格好の男たちが三人佇んでいた。
あの鎧に付いてある紋様は私たちの村の領土であるミドザリア王国のものだろう。
「それはこの村に歓迎してもらってからだ。説明はそのあとにしたいのだが」
村長の質問には答えないと言った様子で男は、無理矢理村に立ち入ろうとする。
盗賊や動物なら簡単に追い払うことが出来るが、この村を統べるミドザリア王国の騎士をそんな無下には出来ないだろう。
私がどうしたものかと思考を巡らしていると、村長が折れ村の中に招いたのであった。
納得のいっていない様子の村長であったが、バックに王国がある以上強い態度はとれないのだろう。
私はその様子を見終わると、なんとかなるだろうと甘い考えで用を足すのであったのだが、その行動を私は後々後悔することになるのである。
もう少し注意深く彼らの言動を見ていれば気づけたのかもしれないのに、その時の私は気持ちが緩んでしまっていたのかもしれない。
日常を壊す闇が近づいていたことに・・。
紫を基調とした魔法装束の少女、二つ名はアレゴリーの魔女、玖珠月寧々と、私が対峙していたときの場面であった。
彼女は人の感情を揺さぶり、戦局を有利にする狡猾な魔法少女であった。
だからこそ、そこに居合わせたBフィーターさんが命を落とした。
彼女の策略にハマりなす術なくやられたBフィーターにあろうことか玖珠月寧々は笑ったのだ。
彼女はそれほど強い能力は有してはなかったが、感情の起伏を操ることが出来る魔法をを持っていたのだ。
その魔法によって、私たちは瓦解した。
彼女曰く、善人ほどこの能力は使えると言っていたな・・。
私たちは薄っぺらい仲間意識のせいで関係が崩壊し、ついにはBフィーターさんを見殺しにしてしまった。
結果彼女との戦いで、塔の魔女であるBフィーターさんは命を落とし、私は戦意を喪失したのであった。
そういう意味では強敵だったのかもしれないが、結局彼女は後から駆けつけてくれた、私の親友であり、氷の魔法少女氷室鈴菜が玖珠月寧々を討ったのであったが、あれほどに後を引く戦いはなかったのだろう。
何故なら・・。
いや、もう思い出す必要もないだろう。
あの世界にもう私もあの人たいもいないのだから・・。
ーーーーー
どんな夢を見ていたのか、微睡の中でそんなことを考えるもぼやけた思考の中ですぐに喉の渇きとトイレの行きたさに邪魔され夢を記憶する前に捨てられたような感じがした。
結局のところ、夢の内容は詳しくは思い出せなかったのだが、嫌な夢であったことは確かだろう。
だがしかし・・。
先日の出来事が嬉しくなり、どんな夢を見たかなどどうでもよくなっていたのであった。
『レーネちゃんの歓迎会をやろう』
ミリアンヌが言ったその言葉を思い出し、私の口元が緩む。
ミリアンヌの成長?なのか、優しさなのか何にせよレーネに対する心遣いを見て私は母親目線で嬉しくなっていたのだろう。
「歓迎会に持っていくお菓子を手作りにしたら喜んでくれるかな?」
私はトイレへと続く道を歩きながらそんなことを考えていた。
私の家は風呂だけでなく、トイレも外に設備されており、わざわざ外に出ないといけないのである。
眠気眼を擦りながらようやくトイレが見えたその時であった。
「......」
ちょうどトイレの裏手から誰かの話し声が聞こえる。
私はトイレに行くことをそっちのけで、声のする方へ向かってしまっていた。
盗み聞きは趣味ではないが、こんな薄暗い明朝に集まって何をしているのだろうといった興味で近づいたのであった。
「これは緊急事態なのだ、許可証などなくてもこの王国騎士の紋章でわかるだろう」
私が茂みに隠れて話し声が聞こえた方を向くと、不遜な態度の男が大げさなジェスチャーでこの村の村長に訴えていた。
「そのことは重々承知しておりますが、王国騎士様が一体こんな辺境な村に何ようですかね?」
物腰の柔らかい村長は男の圧に狼狽ながらそう言う。
不遜な態度の男は銀の鎧を一式、身につけており、その後ろにも同じ格好の男たちが三人佇んでいた。
あの鎧に付いてある紋様は私たちの村の領土であるミドザリア王国のものだろう。
「それはこの村に歓迎してもらってからだ。説明はそのあとにしたいのだが」
村長の質問には答えないと言った様子で男は、無理矢理村に立ち入ろうとする。
盗賊や動物なら簡単に追い払うことが出来るが、この村を統べるミドザリア王国の騎士をそんな無下には出来ないだろう。
私がどうしたものかと思考を巡らしていると、村長が折れ村の中に招いたのであった。
納得のいっていない様子の村長であったが、バックに王国がある以上強い態度はとれないのだろう。
私はその様子を見終わると、なんとかなるだろうと甘い考えで用を足すのであったのだが、その行動を私は後々後悔することになるのである。
もう少し注意深く彼らの言動を見ていれば気づけたのかもしれないのに、その時の私は気持ちが緩んでしまっていたのかもしれない。
日常を壊す闇が近づいていたことに・・。
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