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空は遠く 83
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その頃から医院の主のようにいる看護師にしてみれば、力など幼稚園児と大差ないのかもしれないが、この図体の大きな男を捕まえて、力ちゃん、はないだろうと思うのだが。
「珍しいわね、怪我じゃないの? あ、そういえば佑人ちゃんとはお友達なんですって?」
「へ?」
「今、診察中だけど、学校で風邪が流行ってるの?」
おしゃべりな看護師の台詞を最後まで聞かずに、力はずんずんと診察室の方に向かう。
「ボストンか、俺も半年ほど住んでた。国境なき医師団に参加する前」
「へえ、じゃあ、色々な国を回ったんですか?」
宗田と話す佑人の声がドアの外まで聞こえてくる。
「まあな、ほとんど戦地みたいなとこばっか。この額の傷は自慢じゃないが勲章みたいなもんでさ、現地で一家惨殺のうちから、一人生き残ったガキを助けた時によ……」
ガンとドアを開けると、佑人はカーテンで見えなかったが、宗田が力の方に顔を向けた。
「何だ、力、診察中だぞ!」
宗田の注意などお構いなく力はつかつかと診察室に入っていく。
「おい、ほんとは怪我、ひどいのか?」
「…いや、ちょっと風邪で熱が出ただけだ」
唐突に声をかけてきた力の方を見ようともせず、佑人は言った。
「先生、ありがとうございました」
「おう、熱は下がったが、まあ、無理するな」
「はい」
シャツの上にカーディガンを羽織った佑人はそのまま力の横をすり抜けてドアに向かう。
「おい、ちょっと待てよ!」
思わず佑人の肩にかけた力の手を、佑人は咄嗟に振り払った。
一瞬、佑人は力を見たが、すぐに目をそらす。
「風邪が移るぞ。明日は学校行くから」
さすがの力も目一杯拒否られたと感じて、それ以上何も言葉が出てこなかった。
「おい、力、入れ。昼前はお前で終わりだ」
宗田に呼ばれて、力は診察室に戻った。
「熱があるって? 口、開けてみろ」
宗田は喉を覗き込み、「ああ、ちょっと腫れてるな。薬出しとくから、ちゃんと飲めばすぐ治る」とすぐカルテに書き込み始めた。
「それだけかよ? そんなんだから、客、来ねぇんじゃねーのか? 前なんか診察室、いっぱいだったぞ」
「しゃあないさ。クソオヤジがいないっていうと帰っちまう客ばっかだし。クソオヤジとしゃべりが目的なジジババか、そいつらが連れてくる孫とかガキとかだろ」
「フン、まあ、俺には関係ねぇけどな。ジジイ、どうなんだよ、腰」
「さあ、来週あたりには仕事もやれるんじゃねぇか?」
力の中でさっきからまたモヤモヤしたものが広がっていた。
「どうした? もう、いいぞ?」
「ジジイが復帰したら、あんた、どうすんだ? また日本出るのか?」
「ああ? 俺か? 俺はまあ、しばらくはここにいる。オヤジ一人にしておけねぇって姉貴にも釘刺されてるしな」
宗田は立ち上がって、「さあて、昼飯にすっか」と大きく伸びをした。
「美和ねぇ、今、どこにいるんだ?」
「姉貴のこと知ってるのか? ああ、そういや木村さんが力ちゃんなんて呼んでたな、ガキの頃からここに来てたんだっけ、力ちゃん」
「うっせぇよ、俺ぁ、幼稚園児じゃねぇ」
「佑人のことも、木村さん、佑人ちゃんとか呼んでたが、お前ら、幼馴染とかいうやつ?」
ニヤニヤと笑う宗田を睨みつけたのは、茶化されたからというわけではない、佑人などと親しそうに呼び捨てにしたからだ。
「……そんなんじゃねぇよ」
「姉貴は今、大学の医局にいるが、じき、アメリカ留学するみてぇでさ。オヤジが俺のおふくろと浮気して俺ができちまったもんだから、離婚はしたけど、姉貴は時々帰ってきてたみたいだぜ。俺のおふくろは身体が弱かったから、俺の中学ん時に死んで、俺はずっと寮生活してたから大学に入った頃、姉貴と会ったんだが、さばけた人でさ、反抗的だった俺は自分がアホみてぇに思えたな」
宗田はふっと笑い、「てなことはどうでもいいが、何だ、俺に何か言いたいことでもあるのか?」
「ねぇよ」
否定はしてみたものの、気になっていることがあるのは確かだった。
「そういや、佑人はアメリカに何年かいたらしいな。俺も大学卒業してからずっとアメリカ長かったから、さっきはえらく話があってよ」
ヘラヘラと笑う男は、まさに力の気にしている根源に触れてくる。
佑人があんな風に誰かと楽しげに話しているのを、力は聞いたことがなかった。
まあ、嫌っているヤツの前で笑顔なんかみせやしねぇか。
「しっかし、あんだけの美形、なかなかいねえな。金髪ヤロウばっか見てきたが、やっぱ日本人だよな。しかも鍛えられてっから、たたずまいが凛としてて、何かこう、現代の森蘭丸ってぇな風情だよな、客ってこと忘れて、うっかり食らいつきそうになっちまった」
頭をガシガシ掻きながら宗田はガハハと笑う。
「てめぇ、くだらねぇこと言ってんじゃねぇぞ!」
一瞬、突拍子過ぎて宗田が何を言っているのか把握し損ねた力だが、次には診察室を出て行く宗田に声を荒げてくってかかる。
「ああ? 激マジだぜ? 男とかそういうの頓着しないしな、俺」
あっけらかんとした口調で振り返る宗田を、力はぶん殴りそうになるのを拳を握ったままぐっと堪える。
「てめぇ……」
「あれれ、ひょっとして、お前らってそーゆー仲? じゃねぇな、さては一方的に懸想して肘鉄食らわされたってクチだな? 力ちゃん」
胸の内に土足で入り込まれたと思うや、力は何もかもが簡単に曝け出された気がした。
ブンと突き出された拳は空を切り、宗田はひょいと軽くそれを躱していた。
「こらこら、俺にあたってどうすんだよ。喧嘩慣れしてんのはお前だけじゃねぇの、ニューヨーク長かったからな、それなりに鍛錬つんでんの」
フン、と無精髭はふてぶてしく笑う。
「ここんとこ、ご無沙汰だったからな。久々、俺のハートにずきゅんときた子を口説かない手はないしな」
「いい年して、何がハートだ!」
「恋するのに歳なんか関係ねぇぜ? 力ちゃんみてぇなひよっこに負けるわけねぇだろ、経験値がものをいう」
「貴様なんかに渡してたまるか、エロジジィ!」
廊下を母屋の方に歩いていく宗田の背中に、力は思わず怒鳴りつけた。
声に出してしまってから、宗田の宣戦布告のせいで、力ははたと目を覚まさせられたような気がした。
くそっ!
おさまりきらないイラつきで拳を壁に打ち付けた。
「どうしたの? 力ちゃん、大きな音」
休憩室で食事をしていた看護師の木村が顔を覗かせた。
「…何でも」
壁は力の拳くらいではびくともしなかった。
それ以上に強固な見えない壁が自分と佑人との間に立ちはだかっているように思えてならなかった。
それが気に入らないからなのか。
とにかく佑人の眼差しを前にすると、自分が狂わされる。
佑人に絡むと自分が何をしでかすかわからない、そんな危うさがいつもあった。
潜在意識の中ではその原因が何なのかわかっていた。
わかっていたが、考えないようにしていた。
それなのにあの野郎!
いとも簡単に曝け出させやがって!
「だからって、今さらどうしろってんだよ!」
とろとろと駅へと歩きながら、力は自分を思い切り罵った。
「珍しいわね、怪我じゃないの? あ、そういえば佑人ちゃんとはお友達なんですって?」
「へ?」
「今、診察中だけど、学校で風邪が流行ってるの?」
おしゃべりな看護師の台詞を最後まで聞かずに、力はずんずんと診察室の方に向かう。
「ボストンか、俺も半年ほど住んでた。国境なき医師団に参加する前」
「へえ、じゃあ、色々な国を回ったんですか?」
宗田と話す佑人の声がドアの外まで聞こえてくる。
「まあな、ほとんど戦地みたいなとこばっか。この額の傷は自慢じゃないが勲章みたいなもんでさ、現地で一家惨殺のうちから、一人生き残ったガキを助けた時によ……」
ガンとドアを開けると、佑人はカーテンで見えなかったが、宗田が力の方に顔を向けた。
「何だ、力、診察中だぞ!」
宗田の注意などお構いなく力はつかつかと診察室に入っていく。
「おい、ほんとは怪我、ひどいのか?」
「…いや、ちょっと風邪で熱が出ただけだ」
唐突に声をかけてきた力の方を見ようともせず、佑人は言った。
「先生、ありがとうございました」
「おう、熱は下がったが、まあ、無理するな」
「はい」
シャツの上にカーディガンを羽織った佑人はそのまま力の横をすり抜けてドアに向かう。
「おい、ちょっと待てよ!」
思わず佑人の肩にかけた力の手を、佑人は咄嗟に振り払った。
一瞬、佑人は力を見たが、すぐに目をそらす。
「風邪が移るぞ。明日は学校行くから」
さすがの力も目一杯拒否られたと感じて、それ以上何も言葉が出てこなかった。
「おい、力、入れ。昼前はお前で終わりだ」
宗田に呼ばれて、力は診察室に戻った。
「熱があるって? 口、開けてみろ」
宗田は喉を覗き込み、「ああ、ちょっと腫れてるな。薬出しとくから、ちゃんと飲めばすぐ治る」とすぐカルテに書き込み始めた。
「それだけかよ? そんなんだから、客、来ねぇんじゃねーのか? 前なんか診察室、いっぱいだったぞ」
「しゃあないさ。クソオヤジがいないっていうと帰っちまう客ばっかだし。クソオヤジとしゃべりが目的なジジババか、そいつらが連れてくる孫とかガキとかだろ」
「フン、まあ、俺には関係ねぇけどな。ジジイ、どうなんだよ、腰」
「さあ、来週あたりには仕事もやれるんじゃねぇか?」
力の中でさっきからまたモヤモヤしたものが広がっていた。
「どうした? もう、いいぞ?」
「ジジイが復帰したら、あんた、どうすんだ? また日本出るのか?」
「ああ? 俺か? 俺はまあ、しばらくはここにいる。オヤジ一人にしておけねぇって姉貴にも釘刺されてるしな」
宗田は立ち上がって、「さあて、昼飯にすっか」と大きく伸びをした。
「美和ねぇ、今、どこにいるんだ?」
「姉貴のこと知ってるのか? ああ、そういや木村さんが力ちゃんなんて呼んでたな、ガキの頃からここに来てたんだっけ、力ちゃん」
「うっせぇよ、俺ぁ、幼稚園児じゃねぇ」
「佑人のことも、木村さん、佑人ちゃんとか呼んでたが、お前ら、幼馴染とかいうやつ?」
ニヤニヤと笑う宗田を睨みつけたのは、茶化されたからというわけではない、佑人などと親しそうに呼び捨てにしたからだ。
「……そんなんじゃねぇよ」
「姉貴は今、大学の医局にいるが、じき、アメリカ留学するみてぇでさ。オヤジが俺のおふくろと浮気して俺ができちまったもんだから、離婚はしたけど、姉貴は時々帰ってきてたみたいだぜ。俺のおふくろは身体が弱かったから、俺の中学ん時に死んで、俺はずっと寮生活してたから大学に入った頃、姉貴と会ったんだが、さばけた人でさ、反抗的だった俺は自分がアホみてぇに思えたな」
宗田はふっと笑い、「てなことはどうでもいいが、何だ、俺に何か言いたいことでもあるのか?」
「ねぇよ」
否定はしてみたものの、気になっていることがあるのは確かだった。
「そういや、佑人はアメリカに何年かいたらしいな。俺も大学卒業してからずっとアメリカ長かったから、さっきはえらく話があってよ」
ヘラヘラと笑う男は、まさに力の気にしている根源に触れてくる。
佑人があんな風に誰かと楽しげに話しているのを、力は聞いたことがなかった。
まあ、嫌っているヤツの前で笑顔なんかみせやしねぇか。
「しっかし、あんだけの美形、なかなかいねえな。金髪ヤロウばっか見てきたが、やっぱ日本人だよな。しかも鍛えられてっから、たたずまいが凛としてて、何かこう、現代の森蘭丸ってぇな風情だよな、客ってこと忘れて、うっかり食らいつきそうになっちまった」
頭をガシガシ掻きながら宗田はガハハと笑う。
「てめぇ、くだらねぇこと言ってんじゃねぇぞ!」
一瞬、突拍子過ぎて宗田が何を言っているのか把握し損ねた力だが、次には診察室を出て行く宗田に声を荒げてくってかかる。
「ああ? 激マジだぜ? 男とかそういうの頓着しないしな、俺」
あっけらかんとした口調で振り返る宗田を、力はぶん殴りそうになるのを拳を握ったままぐっと堪える。
「てめぇ……」
「あれれ、ひょっとして、お前らってそーゆー仲? じゃねぇな、さては一方的に懸想して肘鉄食らわされたってクチだな? 力ちゃん」
胸の内に土足で入り込まれたと思うや、力は何もかもが簡単に曝け出された気がした。
ブンと突き出された拳は空を切り、宗田はひょいと軽くそれを躱していた。
「こらこら、俺にあたってどうすんだよ。喧嘩慣れしてんのはお前だけじゃねぇの、ニューヨーク長かったからな、それなりに鍛錬つんでんの」
フン、と無精髭はふてぶてしく笑う。
「ここんとこ、ご無沙汰だったからな。久々、俺のハートにずきゅんときた子を口説かない手はないしな」
「いい年して、何がハートだ!」
「恋するのに歳なんか関係ねぇぜ? 力ちゃんみてぇなひよっこに負けるわけねぇだろ、経験値がものをいう」
「貴様なんかに渡してたまるか、エロジジィ!」
廊下を母屋の方に歩いていく宗田の背中に、力は思わず怒鳴りつけた。
声に出してしまってから、宗田の宣戦布告のせいで、力ははたと目を覚まさせられたような気がした。
くそっ!
おさまりきらないイラつきで拳を壁に打ち付けた。
「どうしたの? 力ちゃん、大きな音」
休憩室で食事をしていた看護師の木村が顔を覗かせた。
「…何でも」
壁は力の拳くらいではびくともしなかった。
それ以上に強固な見えない壁が自分と佑人との間に立ちはだかっているように思えてならなかった。
それが気に入らないからなのか。
とにかく佑人の眼差しを前にすると、自分が狂わされる。
佑人に絡むと自分が何をしでかすかわからない、そんな危うさがいつもあった。
潜在意識の中ではその原因が何なのかわかっていた。
わかっていたが、考えないようにしていた。
それなのにあの野郎!
いとも簡単に曝け出させやがって!
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